中華料理に欠かせない葉物野菜、チンゲンサイ(青梗菜)の育て方をまとめているページです。
年中流通していて何処でも手に入る手頃な食材としてお馴染みですが、チンゲンサイは育て方も簡単なので家庭菜園でもよく栽培されています。食感が良く炒めものにすると大変美味しい野菜なので、家庭菜園で植えとくと何かと重宝します。
下記ではチンゲンサイを育てる際のポイントについて解説していきます。
チンゲンサイの特徴
チンゲンサイは中国華南地方原産、アブラナ科アブラナ属の中国野菜です。栽培の難易度も低く初心者向けの野菜としておすすめします。
結球しない葉物野菜は小白菜という分類になり、青梗菜も小白菜に当てはまります。
葉の根元部分がしゃもじの様な形をしており、外側から順に収穫していけば長期にわたって収穫する事も可能です。株ごと収穫する場合でも、種まきから50日ほどで収穫できます。
葉の根元部分はシャキシャキしているので、食感を生かした炒め物やスープに適しています。βカロテンをはじめとしてビタミンCやカリウム、カルシウム、鉄分と栄養面も優秀な野菜です。
ある程度の暑さ、寒さにも耐えられるので、5月ぐらいから12月くらいまで収穫を楽しむことができます。
基本データ
難易度 | 易しい |
流通名 | チンゲンサイ、チンゲン菜、青梗菜 |
成長速度 | 速い |
花・種 | 小さい黄色い花を咲かせ、小さな茶色や緑色っぽい種ができます |
日照量 | 日なたを好む |
温度 | 20℃前後 |
湿度 | 土の乾燥は避ける様に管理 |
花言葉 | 小さな幸せ、元気いっぱい |
チンゲンサイが好む環境
日当たりと植えるのに適した場所
チンゲンサイは日光を好みますので、日当たりが良い場所を選んで植えます。
種から苗の状態まで育ててから植え替えるという時には、最初はトレーを使って栽培する場合もあります。栽培トレーの置き場所は直射日光が当たらない場所を選んでください。
畑や庭での屋外の直まきや育苗から植え替える場合は、15㎝程間隔をあけて植えます。
また、チンゲンサイの連作障害として根こぶ病が発生する恐れもありますので、同じ場所での栽培は1年以上の間隔をあけてください。
ベランダでの栽培でも日当たりが良い場所を選びます。風通しが良くない場所で育てるとアブラムシが発生する可能性がありますので、注意してください。
温度・湿度
チンゲンサイの栽培に適している温度環境が20℃前後となり、ある程度寒さや暑さにも耐える事ができる野菜です。
そのため、春先から12月ぐらいまで収穫を楽しむことができますが、夏場の日差しが強い環境は若干苦手です。
ベランダでの栽培の場合は下からの照り返しによる気温上昇もありますから、地面から離す状態で置くといった対策もとると良いでしょう。
ある程度丈夫に育つので多少の湿度は問題ないのですが、多湿になると病気の原因にもなりますので、適度に水はけがよく、風通しが良い環境での管理をおすすめします。
用土
屋外での栽培の場合、種や苗を植える予定の2週間以上前から石灰を混ぜ込んで耕しておき、1週間前に堆肥や化成肥料といった元肥を混ぜて耕しておきます。元肥を混ぜてから1週間以上、なじませた状態の土に植えてください。
以前、別の栽培に使用した古い土を使用した場合、育成不良が起きる可能性もあります。
ベランダで栽培する場合は、野菜用の培養土を使用した方が便利です。
プランター栽培がおすすめですが、根の張り具合や、ある程度土の乾燥を防ぐことも考慮すると15㎝は深さがあるものを選んだ方が良いでしょう。
チンゲンサイを上手に育てるコツ
水やり
種まきをした後は発芽するまでたっぷりと水を与えてください。芽が出てからは、土が乾燥している時に水やりをします。
春や秋は午前中に水やりをします。夏は日差しも強く、温度も高くなるので夕方に水やりをすると良いでしょう。
特にベランダでプランター栽培を行っている場合は、地植えに比べ土が乾燥しやすいため、土が乾燥したらたっぷりと水を与えてください。
常に土が湿っている環境は根腐れや病気の原因にもなりますので、水のやりすぎに注意してください。
肥料の与え方
チンゲンサイは基本的に植える前に土に混ぜ込まれている元肥だけでも収穫に適した大きさまで充分に成長します。種を植えてから1~2か月で収穫できるので、追肥をしなくても問題ありません。
追肥を与える場合は、2回目の間引きをしたあたりから液体肥料を2週に1回程度、与えても良いです。
株ごと抜いて収穫するのではなく、葉の外側から収穫し続ける場合は、収穫を始めたあたりから2週おきに液体肥料の追肥をしても良いでしょう。
冬越し
チンゲンサイは涼しい温度環境を好むので12月くらいまで収穫を楽しめる野菜ですが、低温になると「とう立ち」します。
そして春になると花を咲かせるため、出来ればとう立ちする前に株ごと抜いて収穫を終わらせたほうが良いでしょう。
最近では、「とう立ち菜」として、とうが立ちつぼみがついている状態のチンゲンサイも販売されるのを見かける様になりました。とうが出てもつぼみが小さく緑色の状態であれば問題なく食べられる状態です。
冬超し前に収穫を終わらせるため、チンゲンサイは特に冬超しをする必要はありません。
チンゲンサイの選び方
チンゲンサイは種を植えてから2か月程度で収穫できるため、基本的に苗の販売はあまり見かけません。多くは種を植えて栽培していきます。
チンゲンサイには品種によってミニチンゲンサイや株元がスマートな種類のチンゲンサイ等もあります。
夏時期、もしくは冬時期それぞれに収穫が向いている様に品種改良されている種類等、種類が豊富です。自分で育ててみたい種類の種を選び、植えてください。
普通サイズのチンゲンサイの種
小型なミニチンゲンサイの種
チンゲンサイの増やし方
チンゲンサイは種から増やすのが一般的です。
冬の寒い時期になるとチンゲンサイの株からとうが立ちはじめ、春になると菜の花を咲かせます。花が咲いた後に種が取れるので、種は15度以上の気温条件であれば発芽できます。
土は1㎝程の深さに掘り、点まきで1か所に4~5粒位まき、軽く土をかぶせて充分に水を与えます。
芽が出てから、本葉が2枚ぐらい出たあたりで1回目の間引きとして2本立ちにします。本葉が3~4枚ぐらい出たら間引いて1本立ちにすると良いです。
チンゲンサイの植え替え
ポットの育苗でチンゲンサイの種をまいてから成長して本葉が3枚程度になったら植え替えに適しています。植える際は隣の株との間隔が15㎝程度あると良いです。
- 植える場所に苗の根が充分入る穴を掘り、苗を植えます
- 土をかぶせた後に株元の土を押さえ、安定させます
- 株元に土を寄せ、株自体が倒れない様に管理します
1本立ちにした後、気温が高いとチンゲンサイは虫が付きやすいので、防虫ネットや不織布で覆った状態で栽培する事をおすすめします。
病気・害虫
チンゲンサイの病気で見られるのは白さび病とべと病です。どちらもカビ菌が原因なので、葉に薄い色の病変が見られた場合は取り除きます。
害虫ではアブラムシが付きやすいです。
種を植えた段階で寒冷紗で覆うといった対策をしておくと良いでしょう。もし見つけた場合は駆除してください。セロテープにつけると直接触ることなく駆除できます。
葉に白い筋模様が入ってきている状況であればハモグリバエの影響が考えられます。葉ごと取りましょう。