苦味が美味しいゴーヤチャンプルの食材としてお馴染み、ゴーヤの育て方をまとめているページです。
ゴーヤは沖縄などでよく食べられている野菜ですが、近年は全国に広く流通し一般的な野菜として認識されています。また、夏場の強い日差しを防ぐための緑のカーテンとして植えられる事も多いです。
下記では家庭菜園でゴーヤを育てる際のポイントについて解説していきます。
ゴーヤの特徴
私達が認知している呼び名はゴーヤですがこれは沖縄等で呼ばれている地方名で、標準和名ではツルレイシ、生物学ではニガウリと呼ばれることがあります。東インドの熱帯アジアが原産で、ウリ科ツルレイシ属の植物です。
病気にもなりにくい丈夫な特性もありますので、初心者でも育てやすい夏野菜です。
つる植物の特性を生かしてどんどん成長していき、夏場の日よけ対策や室温低下を兼ねたグリーンカーテンを作るのに適しています。
ゴーヤを食べた際に感じる苦みにはモモルデシンという成分が含まれており、食欲増進効果が期待できます。ビタミンCも多いという特徴もある事から、夏バテ対策にも利用できる野菜です。
収穫するゴーヤは緑色の種類が多いですが、小さい種類や白いゴーヤの種類も近年、流通する様になりました。
基本データ
難易度 | 易しい |
流通名 | ツルレイシ、ゴーヤ、ニガウリ |
成長速度 | 速い |
花・種 | ヘチマやキュウリに似た黄色い花を咲かせ、白い平らな形の種ができます |
日照量 | 日なたを好む |
温度 | 20℃~30℃ |
湿度 | 多湿はあまり好みません |
花言葉 | 強壮 |
ゴーヤが好む環境
日当たりと植えるのに適した場所
ゴーヤは夏野菜の代表ともいえる野菜。日光が大好きです。日照が良い環境だと実の肥大も期待できます。
畑や庭の屋外で栽培する場合は日当たりが良い場所を選んで植えてください。
また、ゴーヤは連絡障害が出てくるので、同じ場所に植えるのは2~3年ぐらい間隔をあける様にしてください。
ベランダでグリーンカーテンも兼ねて栽培する場合も、日当たりが良い場所を選びましょう。プランターを利用して、日あたりが良い場所に置きます。
注意点としては、エアコンの室外機のそばだと高温で強い風が当たるようになるのでおすすめしません。
ただでさえ土の乾燥は避けたいのですが、室外機の風で乾燥しやすい状況になってしまいます。
温度・湿度
ゴーヤは日光を好んで成長し、耐暑性がある植物といわれているのですが、30℃以上の高温環境だと雄花のつく数自体が少なくなる傾向があります。
高温すぎても実の出来具合が少なくなる可能性があるので注意しましょう。
低温は苦手で、10度以下になると枯れてしまいます。朝方の低温、遅霜の被害に遭わない環境で育てるようにしてください。
湿度はあまり多湿状態だと風通しが悪い部分に病虫害のリスクも出ますので、ある程度風通しが良い環境で育てるようにしてください。
用土
ゴーヤを屋外で植える場合は、植える予定の2週間ほど前から石灰を混ぜておき、1週間前には堆肥と化成肥料等の元肥を混ぜて耕し、畝を作って準備しておきましょう。
マルチシートをかけておくと地熱温度を上げる事ができます。
ベランダ栽培の場合、市販されている野菜用の培養土を使うと便利です。
ゴーヤは根を張り成長していくのでプランターをおすすめします。50㎝ぐらいの大きさで深さも30㎝ある大きさの大きめのプランターが良いでしょう。
プランターで栽培する場合は水はけがよくなる様に底部分に鉢底石を敷くと良いです。
ゴーヤを上手に育てるコツ
水やり
ゴーヤの栽培時、最初の方はそれほど頻繁に水やりをしなくても大丈夫です。土が乾燥している時に与えます。
夏至を過ぎて日照時間が短くなってくるとだんだん実が付く様になるので、収穫期には多めの水分が必要です。土が乾燥すると実の付き具合が悪くなってしまいますので、直植えの場合は土の乾燥が見られたら水やりをします。
ベランダ栽培の場合は、土の量も少なく乾燥しやすいです。朝晩と水やりをして土が乾燥を防ぎ、実の付きが良くなる様に管理しましょう。
肥料の与え方
ゴーヤを植える前に元肥を入れてありますが、追肥は実ができる収穫期になったら入れます。追肥の目安は2週間おきぐらいです。
下の方の葉が黄色くなる様であれば、栄養が足りていない可能性があるので、様子を見つつ肥料を追加してあげましょう。肥料は化学肥料や野菜用の液肥がおすすめです。
肥料をやりすぎると今度は葉やつるばかりが出てくるため、茂った状態になります。実が付きにくくなりますので、肥料のやりすぎには注意しましょう。
冬越し
ゴーヤは元々多年草なのですが、日本の場合、成長に適した温度以下になるほど気温が下がるため、冬は枯れてしまい、一年草として扱われています。
特に冬超しのための対策とかはありません。
プランター栽培で室内に持ち込み窓辺で栽培すると、ある程度極端な気温低下は避けられるので枯れるタイミングを延長させる事も可能です。
ゴーヤは種やポット苗から植え付けても成長は早いので、春になり温かくなってから新しく栽培する方法をおすすめします。
ゴーヤの選び方
ゴーヤは5月過ぎからポット苗が販売されます。
子葉がついていて、本葉は4~5枚ほどついている苗を選びましょう。茎の節間が間延びしておらず、間隔が短い苗を選ぶと良いです。
見た目で葉の色が薄い苗よりは、濃い色の葉のものを選びます。葉の色が薄い苗は、ハダニがついている可能性があるからです。
ゴーヤの増やし方
ゴーヤを増やす場合は種からの方法をおすすめします。
実をそのまま放置しておき、実が黄色くなり種の周辺が赤いゼリー状になるまで熟成させます。種周辺の赤いゼリー部分はスポンジを使って水洗いをしてください。
乾燥させて、ジッパー付き袋に入れた上で冷蔵庫での保管をおすすめします。
種はそのまま植えるよりも、前日ぐらいに種のとがった部分をちょっと切って水につけておくと発芽率が良くなります。種は1㎝の深さに2~3粒植えて軽く土をかぶせてください。
差し芽はあまりうまくいかない場合が多いので、おすすめしません。
ゴーヤの植え替え
ゴーヤの種を植えてから、芽が出てきて本葉が1~2枚程度になったら丈夫に育ってきている1本を残して抜き、1本立ちにします。
本葉が5枚ほどになるまで育ったら植え替えに適しています。
植える間隔ですが、ゴーヤは根を張る植物なので、50㎝程度の間隔をあけた方が良いでしょう。ポット苗がしっかり入るぐらいの穴を掘り、ポット苗は植え替える前に水につけておくと良いです。
苗はポット苗の土がついたまま植え替え、株もとあたりは手で押さえ安定させます。支柱を立て、麻ひもで誘引しておくと良いでしょう。植え替えた後は充分に水を与えます。
病気・害虫
ゴーヤは元々丈夫な植物で病虫害の被害は少ない植物ですが、葉に薄い色のシミ状ものが目立つようになってきたらうどんこ病の可能性があります。
葉が多く日当たりが悪い場所におきやすく、肥料のやりすぎでも葉が茂りやすくなるので、追肥量も調整しつつ、風通しが良い状況にします。病変した葉を摘み取ったほうが良いでしょう。
他にも土にいるカビが原因で、立ち枯れ病が発生する可能性もあります。病変部を見つけたら株は諦めて抜き、周辺の土も一緒に取り除きます。
土は薬剤を撒くか、土を日光に当てて充分に消毒してください。