サギソウの育て方

山野草

鳥が羽ばたくような花が可憐なサギソウの育て方をまとめているページです。

サギソウは気難しい植物ながらもその花は観賞が高いです。特に密集して花を咲かせると見事で目を引きます。

下記ではサギソウを育てる際のポイントについて解説していきます。

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サギソウの特徴

サギソウ(鷺草)は湿地を好む、ラン科サギソウ属の多年草です。

シラサギのような花を咲かせるところからサギソウと呼ばれるようになったこの植物は可憐で清涼感にあふれ、いかにも日本人好みといえます。

事実、江戸時代から栽培されているほど人気が高く、これまで数々の園芸品種が開発されてきました。

自生地は本州から四国、九州の湿地ですが、近年は湿地が開発されて自生地が激減し、準絶滅危惧種に指定されています。

茎の高さは15~50㎝で、その先端に1~3輪の花を咲かせるものの、子孫を増やすのは種子ではありません。根のようなランナー(地下茎)を伸ばしてその先に新しい球根をつけるのです。

冬になると地上部は消滅して、次の年はその球根から新芽を出し、さらにランナーを伸ばすという繁殖方法をとっています。

基本データ

難易度 やや難しい
流通名 サギソウ、サギラン
成長速度 普通
花・種 7~8月に白い花を咲かせる。花がらを残していると結実して種子を作るものの、ラン科の常としてそのまま蒔いても芽を出すことはない
日照量 日なたを好むが、半日陰でも十分成長する。夏はすだれや寒冷紗などで20~30%遮光しないと葉焼けする
温度 耐寒性、耐暑性とも強い
湿度 湿地性の植物なので乾燥を嫌い、常に湿度の高い状態で管理する
花言葉 無垢、清純、繊細、神秘的な愛、夢でもあなたを想う、芯の強さ

サギソウが好む環境

羽ばたく白鷺のようなサギソウの花
羽ばたく白鷺のようなサギソウの花

日当たりと植えるのに適した場所

休眠中は日光が不要ですが、4月末頃から発芽したら日当たりのいい場所に移動します。

芽出し直後は一番成長速度が早い時期で、このとき日照条件が悪いと徒長して倒れやすくなります。このとき、単に日当たりがいいだけではなく、風通しがいいという条件も必要です。

一方、夏になると遮光する必要があり、同時に湿気を好みますから乾燥するのを防がなければなりません。

このように、時期に応じて環境を変えてやらなければならず、地植えではなかなかサギソウが満足するすべての条件を叶えるのは難しいというのが実情です。

鉢植え、またはプランターで栽培することをお勧めします。

温度・湿度

葉焼けは避けなければならないもののサギソウは高温に強く、湿気も大好きなのですが、困ったことに蒸れには嫌いです。

したがって、鉢の内部が高温になるのを避けなければなりません。鉢が小さいと内部温度がすぐ上がったり下がったりしますから、できるだけ大きい方が望ましいとはいえ物事には限度があります。

二回り大きな鉢の中に入れたり、発泡スチロールの中に入れて二重鉢にすることで対処すればいいでしょう。

寒さには強いのですが、凍らせると枯れてしまいます。

用土

湿気を好みますから保湿性の高いものというのが基本です。

多くのポット苗は水ゴケで培養されており、手に入りやすくて扱いが楽な点で水ゴケに勝るものはありません。ただし、水ゴケはあまり耐久性がありません。

一年中水分を含ませていると腐ってきますから、毎年植え替える必要が出てきます。

その点、小粒の赤玉土や鹿沼土に50%ほどの水ゴケを混ぜたものは数年持ちますから、毎年植え替えなくてもいいでしょう。

このとき、水ゴケは小さく刻んでから混ぜるようにします。

サギソウを上手に育てるコツ

水やり

生育期は決して乾燥させてはいけません。芽が出てからは用土の乾燥に関係なく毎日たっぷり水を与えます。

とはいえ、蒸れるのは避けたいから、気温が上がる5月以降は早朝に水やりをします。そして、7月後半の梅雨明けからは朝夕の二回水を与えます。

また、1㎝ほどの浅い受け皿に入れて腰水をすると手間がかかりません。

とはいえ、常時水に浸かっていると根が呼吸できず、根腐れしてしまいます。夕方になると受け皿の内部は乾燥している状態が理想です。

秋になって気温が下がると水やりを少なくします。また、冬も用土が湿っているようにします。

肥料の与え方

わが国の湿地に自生しているランなので肥料がなくても開花するし、球根も増えます。

しかし、時期に応じて適度の肥料を施すと花つきがよくなります。球根もよく増えます。

注意しなければならないのは、強い肥料は嫌うということです。2,000倍に薄くした液肥を水やり代わりに月に3~4回というのが標準で、開花前の5~6月からスタートさせます。

球根が充実するのは花が終わってからです。お礼肥えを9月まで継続してください。

冬越し

サギソウの地上部は秋が終わると枯れ始め、やがて休眠します。そうなれば雨のかからないところに移動します。

休眠中でも用土が乾燥しすぎると球根がしなびてしまい、春になっても芽が出ません。常に湿り気を帯びた状態で保存します。

湿り気を持たせたいのに雨が当たらないところに置くのは、適切な管理ができないからです。水気が多すぎるのもよくないのです。

寒冷地では凍らせないように室内に移動します。暖かすぎると球根が傷んでしまいます。

サギソウの選び方

ポット苗の大半は水ゴケで培養されています。

その水ゴケがしっかりと締まっていれば根張りもしっかりしています。

水ゴケがフワフワしていると根は伸びやすいものの、それだけ軟弱になりやすく、地上部に悪い影響を及ぼします。

サギソウの増やし方

サギソウの一般的な増やし方は分球です。

ひとつの株から伸びたランナーの先に3~4個の新しい球根が生まれますから、それを掘り出して植え付けることで株は増えていきます。

球根の充実度によって新しく生まれる球根の数は変わりますから、日当たりや水やり、施肥などの管理次第といえます。

花がらを放置していると結実し、種子ができますが、ラン科の植物は種子に胚乳がなく、土に蒔いても芽は出ません。

特殊な設備があると発芽するそうですが、一般的ではありません。

サギソウの植え替え

植え替えは休眠中の1~3月がいいでしょう。遅れると芽が出ます。

芽が出ても問題はないのですが、植え替えの作業中に芽が折れる可能性がありますから、そういう事態は避けた方が賢明です。

素焼きの平鉢でサイズは4~5号

サギソウの根は横に広がります。深い鉢に植えても意味はないので平鉢を使います。

サイズは4~5号(直径12~15㎝)で、球根を6~8個、2~3㎝間隔で並べます。

深さは水ゴケなら4~5㎝、土の場合は1㎝

サギソウの球根は上下が分かりづらい形をしています。はっきりしなければ横にして植え付けます。

土を用土にする場合は厚さ1㎝で覆います。水ゴケなら4~5㎝と厚めにします。水ゴケはある程度詰めて弾力が残る程度にします。

フワフワの状態では根張りがしっかりせず、株が安定しません。

植え替え後は日当たりのよい場所に

休眠期は日陰で雨の当たらないところに置きますが、植え替えたら日当たりのいい場所に移動します。同時に、乾かさないようにします。

病気・害虫

条件が整っていない環境で育ったサギソウは軟弱で、病気にかかりやすくなります。

サギソウによく見られる病気のひとつに枯葉病があります。湿度も気温も高い梅雨時期に多く、葉の付け根付近から枯れていく病気です。

蔓延するとすべての株が半枯れ状態になります。

また、ウイルス病の可能性もあり、これは他の株に伝染しますからすぐに処分してください。

害虫としてはアブラムシ、ナメクジ、アザミウマなどがいます。殺虫剤や捕殺に努めましょう。

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