PR

ムラサキシキブの育て方

山野草

紫色の綺麗な実を楽しむ観賞用植物、ムラサキシキブの育て方をまとめているページです。

植物の実の色と言えば赤や黄色が一般的ですが、名前の通り紫色の実が成るのが特徴で葡萄状に密集する実はとても色鮮やかで綺麗です。

下記ではムラサキシキブを育てる際のポイントについて解説しています。

ムラサキシキブの特徴

ムラサキシキブ(紫式部)はシソ科の落葉低木です。

木の実に圧倒的に赤い色が多いのは、鳥に食べてもらって広い範囲に子孫を増やすためだといわれています。その中で、ムラサキシキブという植物は光沢のある紫色の実をつけます。

自然界では珍しい色で、わが国では紫色は昔から高貴な色としてあがめられてきました。

日本や朝鮮半島、台湾では古くから自生し、もともとはタマムラサキと呼ばれたそうです。

直径3~4㎜の紫色の果実が玉のように群がっていることから名付けられたもので、それがムラサキシキミ(ムラサキ重実)に転じ、かの有名な紫式部と重なって現在の名称になったと伝えられます。

樹高2~3mの低木で、育てるのが簡単なのもあり、現在では庭木や鉢植えとして各地で育てられています。

基本データ

難易度 普通
流通名 ムラサキシキブ、ムラサキシキミ、コムラサキ(近似種、混同される場合がある)
成長速度 やや早い
花・種 6月頃、ピンクに近い淡い紫色の小さな花を咲かせる。9~11月には紫色の実が成り、葉が落葉したあともしばらくは残る
日照量 日当たりがいいに越したことはないが、葉焼けに注意
温度 普通
湿度 やや湿気を好み、乾燥を嫌う
花言葉 愛され上手、上品、聡明、上品

ムラサキシキブが好む環境

日当たりと植えるのに適した場所

ムラサキシキブはき日光が大好きな植物です。日照量が少ないと花数が減り、その分実も少なくなります。

その一方で、強い直射日光を浴びると葉焼けをしてしまいます。したがって、理想的なのは半日陰状態です。地植えにする場合は午前中だけ日光が当たるか、または大きな木の下で木漏れ日が当たるところを選んでください。

鉢植えなら遮光したり置き場所を移動させることで調整できます。

同時に、乾燥を嫌いますから、植え付ける際はやや湿った土を選んでください。地植えでも土が乾けば水やりをします。でないと葉が枯れ落ちてしまいます。

温度・湿度

日本の気候に合っているので耐寒性、耐暑性とも強く、夏だから、冬だからという理由で特別な処置は必要ありません。ただ、強い日差しにだけは注意してください。

特に、極端に西日が当たると乾燥しやすく、それが原因で葉が枯れ落ちてしまいます。

地植えの場所や鉢の置き場は、夏期にどれだけ日が当たるか(当たらないか)を優先して決めましょう。

乾燥は嫌うので湿気は高い方がいいのはいうまでもありません。しかし、用土は水はけがよくないと根腐れしてしまいます。

用土

ムラサキシキブは湿気を好みますから、水はけがよくてそれでいて保水性のある用土が理想的です。水はけがよすぎても、逆に保水性が高すぎる土も適していません。

といっても、市販の花・野菜用の培養土でも十分育ちますから、それほど神経質になる必要はないでしょう。

自分でミックスするなら小粒の赤玉土に腐葉土を6対4の割合で混ぜます。

地植えにするときは腐葉土を加えます。植栽するために掘り上げた土に20~30%混ぜます。

ムラサキシキブを上手に育てるコツ

水やり

湿気が好きなので、水切れすると株が弱ります。特に鉢植えは注意が必要で、用土の表面が乾いたらたっぷり水やりをします。

といって、無条件に水やりするのは禁物です。機械的に毎日水やりするのではなく、あくまでも土の乾燥の度合いに応じて水を注ぎます。表面が湿った状態を保つことが目的だと思ってください。

一方、地植えでは根付いてしまえば基本的に水やりはしなくていいのですが、ひどく乾いた場合はやはり水を与えましょう。

肥料の与え方

ムラサキシキブは丈夫で育てやすい植物ですから特に肥料などなくても元気に育ちます。しかし、寒肥えと花後のお礼肥えを与えると株が充実し、花つきがよくなってたくさん実るようになります。

鉢植えでは固形の油かすを少量与えます。多すぎるとマイナスですから、極力少なめを心がけてください。地植えでも寒肥えを与えると元気がよくなります。

有機肥料がおすすめで、油かすや魚粉を使います。根の先端を予想し、その位置に上から施肥します。

冬越し

ムラサキシキブは耐寒性が強く、冬だからといって特別な処置は必要ありません。

ただ、この時期はぜひ剪定してください。そうすることで次のシーズンの花つきがよくなるし、全体の姿が整います。

ポイントは伸びすぎた枝、込み合った枝、真上や真下に伸びた枝などを付け根から切り落とします。短い枝はできるだけ残しましょう。

株の元気がよければ春からまた枝を伸ばします。ただ、切りすぎると貧弱な枝が伸びる可能性がありますから、その点には注意してください。

ムラサキシキブの選び方

ムラサキシキブの特徴は紫色の実ともうひとつ、美しい葉の色にあります。緑色が鮮やかで虫食いのない健康な株を選んでください。

日当たりや風通しが悪いとうどん粉病が発生しますから、その兆候がないことにも注意します。

ムラサキシキブの増やし方

種蒔きと挿し木というふたつの方法があります。

種は紫色の実の中にあり、秋に採取したらすぐ蒔きます。乾燥させると発芽しませんから保存はできません。

種はきれいに水洗いして周囲の果肉を取り除いておくと芽出ししやすくなります。種子は非常に小さいため、ピンセットを使うと作業しやすいでしょう。

挿し木は前年に伸びた太い枝を10~15cmの長さに切って用土に挿します。

用土は赤玉土、または鹿沼土にピートモスを少量混ぜたものを使います。時期は春が適期です。

ムラサキシキブの植え替え

ムラサキシキブは成長が早く、鉢植えだとすぐ根詰まりします。できれば毎年植え替えしてください。

遅くとも2~3年に一度は植え替えないと正常な生育ができなくなります。

時期は9~12月

ムラサキシキブは秋に葉を落とします。再び芽が出るまでの間が植え替え時期ですが、1~2月は厳寒期で、その時期に植え替えをすると根が傷む可能性があります。

できれば9~12月に植え替えた方が賢明です。

根鉢を1/3崩す

株を掘り上げたら根についた土を落とします。根が傷んでいたら切り落とします。

根が硬く回っていればハサミやナイフで切れ目を入れ、1/3崩します。そしてひと回り大きな鉢に植え付けます。

病気・害虫

日当たりが悪く、風通しの悪いところで育てるとうどんこ病にかかりやすくなります。

株全体がうどん粉をまぶしたような状態になり、だんだん弱っていきます。発見したら病変箇所を切り取り、薬剤を散布します。

害虫としてはカイガラムシに注意します。

表面は硬い殻で覆われていますから薬剤の効果はあまりありません。見つけ次第こすり落とします。

タイトルとURLをコピーしました