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ダイモンジソウの育て方

山野草

密集するように咲く切れ込みの深い花が美しい、ダイモンジソウの育て方をまとめているページです。

変種が多く変化に富むので山野草で近年では通販などで様々な品種が販売されています。

下記ではダイモンジソウを上手に育てるポイントについて解説していきます。

ダイモンジソウの特徴

ダイモンジ=大文字とは「大」という文字を表しています。この花が開くと「大」という文字に似ているからこう呼ばれるようになりました。

同属にはジンジソウがあり、こちらの花は「人」という文字に似ています。

ダイモンジソウは北海道から九州まで広く分布しており、主に渓谷の斜面に自生しています。サキシフラガという別名もありますが、サキシとは石、フラガは割るという意味だそうで、ダイモンジソウが岩の割れ目によく見られることからそう呼ばれるようになった言われています。

ユキノシタ科ユキノシタ属に分類されていることからわかるように、ダイモンジソウも食べられます。

ユキノシタの場合は葉に毛があってアクも強いのですが、ダイモンジソウはその点が比較的マイルドで、山菜としては人気のある植物です。

基本データ

難易度 やや易しい
流通名 ダイモンジソウ、サキシフラガ
成長速度 普通
花・種 9~11月に白、赤、ピンク、黄緑色の花を咲かせる。花後はサヤができ、種が成熟するとサヤが開き、種子が落ちる
日照量 日なた、または明るい半日陰で育てる
温度 耐寒性は強いが、耐暑性はやや弱く、冷涼なところを好む
湿度 渓谷の近くによく自生し、乾燥を嫌う
花言葉 自由、情熱、好意

ダイモンジソウが好む環境

日当たりと植えるのに適した場所

ダイモンジソウは半日陰を好みますが、生きていくうえで植物に光合成は欠かせません。そして、光合成に不可欠なのが日光です。

したがって、春~梅雨時期、および秋~春はしっかりと日光に当てた方が成長・開花にはプラスに作用します。同じ半日陰でも一日中暗い条件では花が咲かなくなります。

といっても、真夏の強い日光には絶対に当てないようにします。

普通、ダイモンジソウは鉢植えで育てますが、地植えではシビアな条件をクリアするのが難しいからです。

湿り気を好むとはいえ、自生地は岩の割れ目です。雨水はすぐ流れてしまうところです。水はけが悪いと根腐れしてしまうのです。

温度・湿度

北海道の山中にも自生しているほどですから寒さには比較的強いといえるでしょう。

休眠期に入ると地上部はなくなりますから、葉が雪や霜にダメージを受けることはありません。

問題は夏場ですが、風通しのよい日陰に移動させれば暖地でも夏越しは可能です。湿度を好みますから鉢を乾燥させるのはNGですが、鉢内を過湿にすれば根腐れしてしまいます。

そこで空中湿度を保たせたいところですが、そのためには芝(人工芝や砂でも可)に水を撒き、その上に鉢を置きます。二重鉢という方法もあります。

用土

ダイモンジソウは溜まった水を嫌い、流れていく水を好みます。そのため、用土は水はけのよいことが第一条件です。

小粒の硬質赤玉土、鹿沼土に軽石や桐生砂、それに山ゴケやヤシ殻チップなどを少量混ぜたものを使います。

これとは別に、ダイモンジソウにはもうひとつの仕立て方があります。それが盆栽風の石付きで、ケト土を練って石に塗り、その上に根を広げて貼りつけるという方法があります。

その上にコケを貼って木綿糸でしばりつければやがて固定されます。水はすぐ流れ落ちますから、ダイモンジソウにとってはいい環境といえます。

ダイモンジソウを上手に育てるコツ

水やり

ダイモンジソウは乾燥を嫌いますから常に用土が湿っている状態を維持しないといけません。そのためには、時期によって水やり方法を変える必要があります。

春~秋は成長期ですから1日1回は水やりをします。新鮮な水を与えることで鉢内部の空気も入れ替えるというイメージです。夏は水切れしやすいため特に注意してください。

石付きの場合は水盤に水を張り、そこに乗せます。冬は休眠しますから水やりは控えます。用土の表面が乾いたら水を与えるという程度で十分です。

肥料の与え方

あまり肥料は必要としません。与えすぎると姿形が乱れてしまいます。とはいえ、病虫害に強い丈夫な株に育てるには肥料が欠かせませんから、適当な時期に最低限与えるようにします。

植え替え時の元肥は緩効性の化成肥料をひとつまみ程度混ぜ込みます。春は芽出し前に化成肥料、または液肥を月に2回程度施します。

夏はやはり液肥をかなり薄めて水やり代わりに与えます。花後にもお礼肥えとして化成肥料を与えてください。置き肥はいずれも株からできるだけ離します。

冬越し

品種によっては1月ごろ開花するタイプもあり、その場合はそれなりの対策が必要ですが、一般的には地上部は消滅して休眠に入りますから戸外に放置しても大丈夫です。

ただ、凍るほどの寒冷地では軒下に移動させます。

乾燥気味で管理すればいいのですが、完全に乾かしてしまうのはNGです。用土の表面をよく観察して乾燥しているようなら水やりしてください。

また、春に出てきた芽が冷たい風を受けると傷みやすいので、風の当たらない場所に移動するか風除けをします。

ダイモンジソウの選び方

この植物は変種が多く、人工交配も簡単なためさまざまな品種が開発されています。

そのため、自分が本当にほしいものは株分け、根伏せによって繁殖させたものを購入するようにします。実生苗は往々にして親株の特徴を受け継がず、原種に戻りやすいからです。

ポット苗ではどのように繁殖されたものかを明記されたものを選びましょう。

ダイモンジソウの増やし方

増やし方は二通りあります。

ひとつは株分けで、親株と同じ花を咲かせることができます。植え替えの際に二株、または三株に分けます。細かく分けるとその後の成長が遅れるため避けた方が賢明です。

ふたつ目は種蒔きで、これなら株の数は一挙に増やすことができます。ただし、親株とは異なる花が咲く可能性があり、開花してみないとわからないという問題があります。

種を採取したら採り蒔きするか、または冷蔵庫の野菜室で保管し、翌年の2~3月に蒔きます。

苗床用の用土は赤玉土か鹿沼土の小粒で、湿らせた用土に蒔いて覆土せず、ガラス、またはポリ袋で覆うと乾燥せず、水やりする必要がありません。水は底から吸水させます。

ダイモンジソウの植え替え

ダイモンジソウの株は小さく、根も細いのですが、根張りはよく、毎年植え替えた方がいいでしょう。時期は芽出し前の2~3月が適期です。

鉢のサイズは3号が標準

ダイモンジソウに用いる鉢は3号が標準です。株分けせずに大きくしたい場合はひと回り大きいものにします。

盆栽風に仕立てたい場合は抗火石(こうかせき)や軽石に穴を開けたものを使います。この鉢は保水性が高く、水が蒸発しやすいの鉢内の温度が下がりやすいというメリットがあります。

古い土は落とす

掘り上げたら根をほぐし、絡んでいる土をできるだけ落とします。このとき、傷んでいる根を見つけたら切り落としておきます。

病気・害虫

ダイモンジソウで注意しなければならないのは灰色かび病です。

梅雨時期の高温多湿が原因でかび菌が発生し、灰色の斑点が表れます。見つけたら葉をすぐ除去し、風通しのいい位置に移動させます。

被害の多い害虫としてはヨトウムシがいます。これはヨトウガの幼虫で、葉を食い荒らします。

一晩で株すべての葉を食べ尽くすこともあり、被害に遭った葉を見つけたらその夜は必ずチェックしてください。

ライトを点して見回ると意外に大きく動きの速いヨトウムシを発見することができるでしょうから、即座に捕殺してください。

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