エンレイソウの育て方

山野草

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エンレイソウの特徴

エンレイソウを漢字で表記すると延齢草となります。

「齢が延びる」という意味で、齢(よわい)とは年齢ではなく人の命の長さです。中国では延齢草根と呼ばれており、胃腸薬や催吐(さいと)薬としてこの植物は古くから薬草として利用されていました。根を煎じて飲むと命が延びるというところからこの名が付いたという説がありますが、頷ける話です。

また、熟した果実は食べられるという情報もありますが、有毒植物として認識されているため素人判断で食べたりしない方が良いでしょう。

原種はアジア産と北米産があり、おおむねアジア産は育てにくく、北米産は栽培しやすいという特徴があります。

市販されているのはオオバナノエンレイソウという国産種が多く、これは初心者にとっては難しい品種です。その点、北米産のトリリウム・グランディフローラム「フローレ」プレノは栽培しやすく、こちらがお勧めです。

基本データ

難易度 難しい
流通名 エンレイソウ、タチアオイ
成長速度 普通
花・種 4~6月に小さく目立たない花を付ける。花に花弁はなく、白、茶、ピンクなどの3枚のがく片を持ち、下~横向きに咲く。花が終わると直径1.5㎝の果実が黒く熟す。種は長楕円形
日照量 日陰が基本だが、午前中は日が当たるところが好ましい
温度 耐寒性は強いが、耐暑性はやや弱い
湿度 やや高い条件が適している
花言葉 奥ゆかしい美しさ、叡智、落ち着いた美しさ、熱心

エンレイソウが好む環境

日当たりと植えるのに適した場所

基本的には涼しい環境が好みなのですが、品種によって暖かいエリアでも育てることは可能で、事実、わが国では北海道、本州、四国、九州に分布しています。自生地は低地、および少し高い山林や谷間の落葉樹林の下で、やや湿った場所に生えています。

春に芽を出しますのでそれまで日なたで育て、その後は涼しい日陰に移動させましょう。秋には葉を落として休眠期に入ります。地植えではやはり落葉樹の下に植え、周囲には似たような環境が好きな植物(シダなど)を植え、空中湿度が保たれるようにします。望むような遮光が得られなければよしずやネットを利用する必要があります。

温度・湿度

品種によって耐暑性はあるものの、基本的には涼しい地域で生まれた植物です。そのため、気温の上がってない春に花を咲かせるのです。したがって、夏場は風通しのよい木陰で過ごさせます。

それに対して低温には強く、休眠期は地上部がないのもあって雪の下でも平気で春の準備を進めています。ただ、強い乾燥に弱く、空中湿度がある程度高い場所が適していますが、高温多湿は苦手です。この湿度を保つ環境は休眠期も維持してください。

用土

湿気を好むため水持ちのいい用土が望ましいのですが、同時に水はけもよくなければなりません。

そこで鹿沼土、赤玉土(いずれも硬質)、それに軽石、腐葉土を混ぜたものをお勧めします。日向土や桐生砂、ヤシ殻チップを使ってもいいでしょう。鉢底には軽石を敷いてておけば水はけのよさは確保できます。

もっとも、蒸発しやすい山野草用の鉢に植えると乾きやすくなります。その場合は軽石を減らすか、または赤玉土を増やします。そうすれば水持ちがよくなるのです。

エンレイソウを上手に育てるコツ

水やり

用土の表面が乾いたらたっぷり水やりをするというのは大半の植物の基本です。特に、地上部が生育している間のエンレイソウは決して乾燥させてはいけません。

そこで、二重鉢にしたり、底面吸水にしたりして水分を確保しましょう。環境が許せば庭に埋めても構いません。その場合、できれば砂地が適しています。

休眠中も土の中に埋めておいて7~10日に1度は水やりします。地植えではよほど日照りが続き、葉がしおれてない限り水やりは不要です。休眠中はほとんど必要ありません。

肥料の与え方

一般的に、野草は少量の肥料で十分なのですが、エンレイソウは例外です。適度に施肥すれば株が充実し、次の年は花芽がたくさん付くことになります。

生育期間は花後から落葉するまでの4~5か月間しかなく、その間に固形、または液肥を与えます(真夏は除きます)。さらに、液肥を葉に霧吹きする葉面散布も効果があります。液肥の場合は通常より2倍以上薄めてください。

休眠中の施肥は控えるべきだという意見と、緩効性の固形肥料を少量置き肥した方がよいという意見があります。芽出しに備えて少量施肥するのは寒肥という考え方ですから悪くはないはずです。

冬越し

エンレイソウの葉は傷みやすいという特徴があり、冷たく強い風に晒すのは禁物です。

とはいえ、冬は地上部がありませんから心配する必要はないのですが、株によっては芽が早めに地上へ出てくることがあります。これを放置していると寒風のため傷みますから、なんらかの処置が欠かせません。

具体的には防寒シートを被せたり、腐葉土やヤシ殻チップなどで覆います。また、用土が凍結すると根が傷みます。できれば棚の下、軒下などに移動した方が賢明です。

エンレイソウの選び方

時期によっては地上部がない状態で販売されているためチェックのしようがありませんが、おおむね前年開花したものが販売されています。葉があれば色が濃く、病気や害虫の被害がないものを選びましょう。

ポット苗の価格は500~2000円と幅が広く、安価に株は花色が地味で高価なものはよく目立ち、大きい花が咲くと思っていいでしょう。

エンレイソウの増やし方

宿根草は株分けで増やすのが確実で、ほとんどの種類は翌年には開花します。しかし、エンレイソウの場合、それも国産種は株が大きくならず、株分けはまず期待できません(北米産種なら可能です)。

その点、実生なら、開花するまで5~8年かかるという難点はあるものの株の数が一気に増えるというメリットがあります。花が終わると果実が実りね軟らかくなったらすぐに種を取り出し、苗床に取り蒔きします。乾燥すると発芽する確率が極端に下がりますから保存はできないと思ってください。

芽が出るのは次の年の春、または翌々年の春ですからそれまで乾かさないように管理します。新芽は葉が1枚しかありませんからこれはエンレイソウではないと判断して抜いたりしないでください。

北米産種のうち、大株になる品種、または根茎が長く伸びるものは株分けできます。

エンレイソウの植え替え

エンレイソウの根茎は横に長く伸びます。放置しておくと鉢に当たり順調な生育が期待できませんから、2~3年に1回は植え替えをします。

時期は9~11月

植え替えの適期は休眠に入ってすぐの9~10月がベターです。株に負担がかからず、新しい鉢での根付きがよくなります。11~12月でもまずくはないのですが、真冬は避けてください。

ひと回り大きな深鉢を

株分けしないのなら鉢はひと回り大きくします。販売されている苗は9㎝ポットが標準で、その後は成長に合わせて大きくします。同じ大きさでは根詰まりする可能性が高くなります。

作業は手早く

掘り上げた株は変色した根を切り落とします。小さな芽が見つかれば、それが2~2.5㎝の深さになるように埋めます。その間、根が極力乾燥しないように手早く進めてください。埋め終わったら葉が倒れないように支柱を立てます。

病気・害虫

植物と昆虫の一種に寄生するバクテリアが原因のマイコプラズマ病が春に発生します。株が変形・変色し、やがて枯れますから廃棄処分してください。治癒は不可能です。刃物を使う際は必ず熱湯、または炎で消毒します。

害虫はやはり春にアブラムシが繁殖します。新芽や蕾をよく観察し、見つけたらすぐ捕殺してください。見逃すとあっという間に増殖します。

毒性や危険性について

根や茎の根元にはサポニンという毒性が含まれています。葉は食べられるという情報もありますが、有毒植物をわざわざ食べなくてもと思います。

エンレイソウは成長に時間もかかるので観賞して楽しみましょう。

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