イカリソウの育て方

山野草

船の錨に似た花が個性的で美しい、イカリソウの育て方をまとめているページです。

薄紫や白い花が綺麗なので観賞用は勿論、生薬としても利用されていて滋養強壮効果がある山野草として知られています。

書きでは観賞用に自宅でイカリソウを育てる際のポイントについて解説しています。

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イカリソウの特徴

花びらやガクの部分にある筒状の突起を距(きょ)と呼びます。スミレやランを思い浮かべていただけるとわかりやすいと思いますが、イカリソウにもこの距が4本あり、船を固定するイカリに似ていることからこの名がつきました。

漢字で表記すると碇草、または錨草です。サンシクヨウソウという別名もあります。片仮名で書くとわかりづらいのですが、漢字では三枝九葉草と書きます。

葉はみっつに枝分かれした先に三枚ずつつけるため、合計で九枚になることからこう呼ばれるようになりました。

わが国では北海道南部から本州、四国、九州の太平洋岸に自生している多年草で、低い山地の雑木林でよく見かけます。

生薬としては昔からよく知られていて、神経衰弱、健忘症や強壮強精にもよいとされているものの、心臓や胃腸の弱い人は飲まない方がよいといわれています。

基本データ

難易度 易しい
流通名 イカリソウ、サンシクヨウソウ
成長速度 やや早い
花・種 開花時期は4~5月で、花色は普通は赤紫だが、個体差、地域差があり、また近年は人工交配も盛んでピンクや黄も珍しくない。花が終わると実は熟して落ちるから、種を採取したければ袋をかけておく
日照量 日当たりを好むが、明るい日陰でも十分育つ
温度 耐寒性、耐暑性とも強い
湿度 乾燥にはやや弱く、少し湿気のあるところを好む
花言葉 あなたを離さない、君を捕らえる、旅立ち、人生の出発

イカリソウが好む環境

日当たりと植えるのに適した場所

自然の状態では雑木林の下や林の周囲などに自生しています。したがって、午前中はしっかり日光を浴びて午後は木漏れ日の当たる場所というのが理想的です。

といっても、なかなかそのような都合のいいところは一般家庭にはありません。そこで、一日中明るい日陰になる場所を探します。

注意してほしいのは夏の強い日差しです。6~9月は遮光をして葉焼けを防いでください。

土壌は腐葉土の多い肥沃な箇所を好みます。落葉樹は秋~冬は葉がなく日がよく当たり、夏になると木陰になります。

さらに、落ち葉は腐葉土となりますから、落葉樹の下はイカリソウにとって最適といえるでしょう。

温度・湿度

イカリソウは、もともとは落葉性なのですが変異が多く、常緑種や秋に紅葉する種類もあります。原種は落葉するから冬はまったく心配する必要はありません。

しかし、常緑種はそうはいきません。耐寒性、耐暑性が強いから高温・低温には耐えられるものの、冷たい風にさらされると葉がダメージを受けます。

同じく、強い日差しにも弱いため、夏場は遮光してください。乾燥には少し弱いところがありますから、乾燥しすぎないように管理します。

用土

水はけがよければ土質は問いません。市販の草花用の培養土、山野草用培養土でも構いませんが、自分で混合するなら小粒の赤玉土(または鹿沼土や日向土)に腐葉土を3割混ぜます。さらに軽石や桐生砂を加える人もいます。

腐葉土を加えるのは、一般的な植物が腐植質を好むからです。腐植質とは植物が細菌によって分解されたもので、保水性や通気性、排水性が優れています。つまり、植物の生育には非常に都合のいいものといえます。

なお、地植えでは10~20㎝盛り上げて畦を作り、そこに植えつけると水はけはよくなります。

イカリソウを上手に育てるコツ

水やり

乾燥には強い方なので、地植えではよほど日照りが続かない限り水やりする必要はありません。鉢植えでは用土の表面が乾いたら十分水やりするのが基本です。

ただし、新芽が出て開花するまでの期間は少し多めに与えた方がいいでしょう。

冬は地上部がなくなる品種もその時期は乾かさないようにします。

注意してほしいのは種を蒔いたときです。種子を乾燥させると発芽しづらくなるため、イカリソウは採り蒔きするのが基本です。

しかし、5月に採取した種を蒔いても芽が出るのは翌春です。その間、ずっと乾燥させないようにしなければならないのですから、日常管理はたやすくありません。

肥料の与え方

植え替え・植えつけ時に元肥として緩効性の化成肥料を施します。量は5号鉢で三つまみというのが目安です。

それ以外の施肥は春と秋です。春は3~5月、秋は9~10月に、どちらも緩効性の化成肥料を与えます。

花後から夏にかけてお礼肥えとして薄めた液肥を水やり代わりに与えてもいいでしょう。冬場は休眠期ですから肥料は必要ありません。

地植えは年間を通して肥料は必要ないのですが、寒肥として有機肥料、または緩効性の化成肥料を土にすき込むと病虫害に対する抵抗力がつきます。

冬越し

地上部がなくなる品種は冬だからといってなにもすることはありません。

鉢植えでもそのまま放置しておいて大丈夫です。ですが、まるっきり放置して乾燥させてしまうと春の芽出しに影響します。

乾燥気味に管理しますが適度な水やりは忘れないようにしてください。

その一方で、常緑性の品種は乾燥した冷たい風にさらされるとダメージを受けますから、風よけをするか、または腐葉土や雪を被せてカバーします。地植えなら強い霜を避けることにもなります。

イカリソウの選び方

購入時にツボミや葉があれば、より数が多いものを選びます。また、葉は色つやがよく、縮れていないものがベターです。

往々にして、乾燥させると葉はちりちりになります。管理が行き届いていない証拠ですから避けた方が賢明です。

イカリソウの増やし方

イカリソウは多年草です。多年草の最も一般的な増やし方は株分けで、イカリソウも例外ではありません。

植え替え時に芽と根を確認して、それが十分であればハサミやナイフで切り分けます。また、このとき、古い根茎をカットして根伏せするとその部分から根、芽が出てきます。

株を一挙に増やすなら実生がお勧めです。

種子は乾燥に弱いため、採取したらすぐ蒔きます。花が終わると果実が成長し、やがて熟して種が落ちてしまいますから、それを防ぐには袋をかけておきます。

蒔いた種は翌年の春に発芽します。その間は乾燥させないようにしましょう。

イカリソウの植え替え

条件がよければイカリソウは順調に成長し、根はすぐ鉢にいっぱいになります。そのため、植え替えは毎年行うというのが理想です。

時期は初夏と秋

植え替えに適した時期は花後の5~7月上旬、または9~10月です。

芽出し前でもできないことはないのですが、その後の成長に悪影響が出る可能性があります。イカリソウにとって過ごしやすい初夏、または秋に植え替えましょう。

ひと回り大きな鉢に

株分けしない場合はそれまで使っていた鉢よりひと回り大きいものにします。鉢のタイプは中深鉢がお勧めです。もちろん、寄せ植えの場合はその限りではありません。

軽く根をほぐす

植え替え時に根を傷めると悪影響が残ります。掘り起こした株は優しく扱い、丁寧に根をほぐします。いうまでもなく、黒ずんだ根は切り落とします。

病気・害虫

病気の心配はまずないのですが、春~夏はアブラムシが発生しやすく、この点には注意しなくてはなりません。

特に、新芽やツボミは被害に遭いやすく、この時期はこまめに観察して見つけ次第捕殺します。

もっとも、アブラムシは小さくて、指先で捕殺するのは簡単ではありません。歯ブラシやテープを使う方法もありますが、新芽やツボミを傷める可能性があります。

薄めた木酢液や薬剤を散布した方が確実でしょう。

毒性や危険性について

イカリソウは古くから精力剤としてよく知られています。

性ホルモンの分泌を促すイカリインという成分が含まれているためで、栄養ドリンクのユンケルにはこれを含有しています。

しかし、一方では、めまい、鼻血などの副作用があり、また薬剤と同時に摂取するとリスクを伴うといわれています。自己判断での服用は止めておきましょう。

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