初心者でも育てやすく見た目もスタイリッシュな観葉植物、オリヅルランの育て方をまとめているページです。
オリヅルランは葉の中心部分に白い斑が入る「ナカフオリヅルラン」や、その逆で外側に白い斑が入る「ソトフオリヅルラン」、先祖返りして斑が消えた原種タイプのものなど種類も割りと多いです。
このページではオリヅルランを上手に育てるポイントについて解説しています。
オリヅルランの特徴
南アフリカ原産のオリヅルランは、キジカクシ科オリヅルラン属で多年草植物であり、「ラン」とつく割にはランの仲間ではなく、どちらかといえばユリの仲間になります。
葉は緑のものや斑が入ったものなどがあります。
世界中では150~200種類ほどある中で、日本で主に栽培されているのは葉のふちに斑が入るソフトオリヅルランと中央に斑が入るナカオリヅルラン、そのほか葉の先がカールするボニーと呼ばれるものです。
漢字では折鶴蘭と書き、ランナーと呼ばれる花柄が蜘蛛のように伸びることから別名スパイダープラントともよばれている植物です。
根は太く水分を蓄えているのでたとえ葉が全て枯れるほどに乾燥しても水を与えると新しく芽を出すことができるほど乾燥に強く、逆に水を与えすぎたとしても根腐れが起きにくい程に多湿にも強いです。
オリヅルランは空気中のホルムアルデヒドを吸着する能力が高いことが証明され、空気清浄能力が高いことが分かっています。
花言葉に子孫繁栄とつけられるくらい繁殖能力が高く成長速度も速い植物で、ランナーをのばしどんどん増える上にとても丈夫でもあります。
また写真のような白い花が咲きます。
葉の色で栄養状態が分かり、葉が白くなってしまうと栄養不足、逆に葉が黄色くなってくると栄養過多となります。
基本データ
難易度 | 簡単 |
成長速度 | 早い |
成長期 | 4月~10月 |
花・種 | 白い小さな花が咲きます |
日照量 | 日光を好む |
温度 | 高温に強い |
湿度 | 乾燥に強い |
花言葉 | 集う幸福、子孫繁栄、祝賀、守り抜く愛 |
オリヅルランの育て方
室内で育てる場合
オリヅルランを室内で育てる場合は、直射日光が当たらない明るい場所に置きましょう。
耐陰性はありますが、日光にある程度当たっていた方が元気に育ちます。いきなり直射日光にあたると葉焼けを起こしてしまいますので、日当たりが強い時はレースのカーテン等で調整してあげましょう。
徐々に日光に当てていくと慣れていきますが、班入りのタイプは葉焼けしやすいので注意してください。葉を傷めてしまうので、エアコンの風が直接当たらない場所に置くと良いです。
屋外で育てる場合
春から秋にかけてはオリヅルランを屋外で育てる事も可能です。
明るめの日陰だとちょうどよいですが、夏の高温時期には日陰に移動してあげてください。葉焼けする場合は移動するか遮光ネットを使って調整してください。
耐寒性はあまりない方で、霜や寒風にさらされると枯れてしまうこともあります。冬は室内に移動してあげた方が良いでしょう。
霜が降りない地域、寒風が当たりにくい場所だと地植えで越冬しているケースもあります。しかし、徐々に慣らすかその場所に適応出来た株じゃないと冬越しは難しいので、耐寒性にはあまり期待しない方が良いでしょう。
適した用土
水はけの悪い土を使ってしまうと根腐れを起してしまうので、水はけの良い土でオリヅルランを育てます。
市販されている観葉植物用の土を使うのが簡単でおすすめですが、自分でブレンドする場合には観葉植物用の土に赤玉土を半分程度混ぜるか、腐葉土と赤玉土をブレンドすると良いでしょう。
腐葉土を使うとコバエが発生しやすくなりますが、鉢の上の部分を鹿沼土などの無機質な用土で覆うとコバエの発生を予防する事が可能です。
植木鉢の選び方
オリヅルランは普通鉢や深鉢に植えるとが根が安定しやすいです。
オリヅルランはランナーを伸ばすので、吊るすタイプの鉢や鉢スタンドを利用する例も多く見かけます。根腐れを防ぐためにも水はけのよい土環境にしたいので、再度にスリットが入っているスリット鉢を利用するのもおすすめです。
鉢のサイズは今植えてある鉢よりも一回り大きめの鉢を選ぶと水はけが悪くなることもありませんし、根腐れも起きにくくなります。
オリヅルランの管理方法
水やりと肥料の与え方
成長期の管理方法
4月~10月は成長期にあたるので、水やりのタイミングは土が乾いた時点でたっぷりと与えます。
水が足りていないと葉先が枯れてくるので枯れない程度に調整してください。夏場は水が足りない時もありますが、逆に水の与えすぎで根腐れを起こすケースもありますので注意してください。その場合は葉水を与えましょう。
肥料は薄めた液体肥料を水やりの代わりに10日に1回あたえるか、2か月おきに固形の緩効性肥料を与えます。
冬場の管理方法
寒くなってくると成長スピードが遅くなりますので水やりの頻度は減らしてください。土が乾いてから3~4日したあたりで水やりをします。冬場でも葉水は与えても良いです。
冬は肥料を必要としないので与えないでください。冬に肥料を与えて肥料やけを起こすケースもあります。
植え替えるタイミング
オリヅルランは成長が早い植物なので1年~2年に1回は植え替えた方が良いです。
以下の条件に当てはまる場合は植え替えのサインになります。
- 2年以上植え替えていない
- 鉢底から根が出てきた
- 水やりをしても水がすぐに浸透していかない
- 水やりしているのにすぐに土が乾燥する
- 園芸店から買ってきて特に植え替えをしていない
- 成長期の時期に葉が出てこない
- 成長期に子株(ランナー)が出てこない
- 葉先が枯れてきている
植え替えはオリヅルランが成長期に入る、5月~6月あたりが適しています。
根がこぶ状になっており、根詰まりを起こすと抜いた時に鉢の中に根しか入っていない状態になっていてびっくりする例もあります。
植え替え時に根を傷めてしまう場合もありますので、植え替え前から水やりを控えて乾燥した状態で植え替えます。植え替え後も水やりを控えた方が良いです。
この段階で水やりをして根腐れを起こすケースがありますのでご注意ください。
剪定方法
オリヅルランは成長しても形が大きく乱れる事もありませんので、特に剪定は必要ありません。
子株が付いたランナーも垂らしておくと見栄えも良く、枯れている葉があった時に取り除く程度です。もし増やしたいという場合は子株を切って植え付ける方法で簡単に増やせます。
オリヅルランの選び方
オリヅルランを選ぶときには病気や害虫がついていないことを確認しましょう。
葉先の状態で栄養状態が分かるので、葉先が白くなっているものや茶色っぽくなっているもの、黄色くなっているものはやめましょう。
オリヅルランの増やし方
オリヅルランはランナーから出る子株を切り離して植えるだけで、簡単にどんどん増えていきます。また、株分けで増やすことも出来ます。
オリヅルランは土の上に置いておくだけでも根が張り育つことができるほど丈夫な植物なので、子株のついたランナーを切り離して用土にさっと植えるだけで大丈夫です。
用土は観葉植物用の土など栄養豊富で水はけのよい土を使うといいでしょう。
更にオリヅルランは花のつく観葉植物ですので、花から種を取ることができ、その種を蒔いて増やすことも出来ます。
オリヅルランの病気や付きやすい害虫
オリヅルランは下記の病気、害虫に気を付けます。
病気 | 炭そ病 |
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害虫 | ナメクジ、ダンゴムシ、バッタ、カイガラムシ、ハダニ、アブラムシ |
かかりやすい病気
オリヅルランの葉に黒い斑点ができ、変色し枯れていく症状が出てきます。高温多湿環境で発生する病気です。
放置していると範囲が拡大していくので、病変部は見つけ次第取り去ります。見つけたらすぐに薬剤を散布する方法も有効です。
付きやすい害虫
屋外に置いている時に、ナメクジ、ダンゴムシ、バッタの食害に遭うことがあります。見つけ次第駆除してください。
アブラムシはスス病等のウイルス性の病気媒介の原因となります。薬剤による駆除の他、粘着テープで駆除すると簡単です。
ハダニは水が苦手なので水で洗い流して駆除できます。
カイガラムシが幼虫の場合は各剤散布が有効です。成虫は薬剤でも効きませんので、見つけたらハブラシでこすり落とす方法で駆除しましょう。
オリヅルランの毒性や危険性について
オリヅルランは猫には毒性のあるといわれるユリ科にも分類される植物です。
ペットを飼っている場合には誤って口にしないように気を付けましょう。