アイビー(ヘデラ)は可愛らしい葉っぱのつる性植物で、室内のインテリアやフラワーアレンジメント等に利用される観葉植物です。
このページではアイビーの育て方について解説しています。
アイビーの特徴
アイビーはヨーロッパや西アジアに自生するウコギ科のつる性植物です。
学名の「ヘデラ」や和名である「セイヨウキヅタ」とも呼ばれているアイビーは、多くの品種を持ち、葉の色から形、班の模様、つるの伸び方までバリエーションが豊富です。
可愛らしい葉型と長く伸びるつるが特徴で、お部屋のインテリアにはもちろん、壁面緑化や寄せ植え、フラワーアレンジメントなどにもよく利用される観葉植物です。
アイビーには耐陰性・耐寒性があり非常に丈夫なため、育てやすい観葉植物として広く親しまれています。
本棚や棚の上に置くと星型の葉をつけたアイビーのつるが垂れ下がり、室内を一気におしゃれな印象にします。
水耕栽培が可能なので、異なる模様のアイビーを少量ずつビーカーに水挿ししたり、苔玉に植えて育てたりと、さまざまな飾り方を楽しめるのがアイビーの魅力です。
基本データ
難易度 | 簡単き |
成長速度 | 速い |
花・種 | 開花する品種もありますが限られています |
日照量 | 日光を好みますが耐陰性があるため屋内でも育ちます |
温度 | 寒さには強いものの5℃前後になると成長が緩慢になります |
湿度 | 湿度は苦手なので日本の夏場は室内管理をおすすめします |
花言葉 | 永遠の愛、友情 |
アイビー(ヘデラ)育て方
室内で育てる場合
耐陰性がある植物として紹介されていることが多いアイビーですが、日光を好む植物です。元気に成長させるためにも日当たりの良い場所に置いてあげてください。
葉焼けを起こしてしまう時は置き場所をずらすかカーテンで日の当たり具合を調整してあげましょう。
日当たりが悪く締め切った部屋に置くと株が弱る原因にもなりますので、風通しがよい環境に置きます。
屋外で育てる場合
耐寒性もある植物なので年間を通して屋外栽培が可能です。
ヨーロッパ原産の植物なので、湿度が高く気温が高い日本の夏はやや苦手です。気温が30℃以上になる天候時は日陰や涼しい場所に移動してあげると良いでしょう。
日陰でも充分成長はしますが、ある程度の日当たりがある場所の方が元気に育ちます。
注意点はつる植物なので、地植えにしてしまうと木や壁を伝って成長していく可能性があるので注意してください。アイビーは鉢植えで育てた方が管理しやすくなります。
適した用土
アイビーを植える用土には、水はけと保水性のバランスが取れた弱酸性の土が適しています。
ホームセンターなどで市販されている観葉植物用の土を使用するのが最も簡単です。自作する場合は赤玉土(小粒)6:腐葉土4などの割合でブレンドした土を使いましょう。
アイビーは、土の代わりにハイドロボールやカラーサンドなどの土壌を使用したハイドロカルチャーでの栽培も可能です。
植木鉢の選び方
アイビーを植える際の鉢選びでは普通鉢がおすすめです。
高さがないので平鉢でも可能ですが、根がすぐに成長してしまう可能性があるので短期間で楽しむ際は利用できます。つるの成長を生かしたハンギングタイプの鉢を選ぶのも良いですね。
また、アイビーは結構丈夫な植物なので、底面給水のタイプの鉢やハイドロカルチャー栽培を楽しむ方法もあります。
あまり大きめの鉢を必要としないので初心者でも育てやすいのがアイビーの特徴の一つです。
アイビーの管理方法
水やりと肥料の与え方
成長期の管理方法
4月~9月の期間はアイビーの成長期になります。
土の表面が乾燥したらたっぷりと水やりをしてください。ハイドロカルチャー栽培の場合は、容器の水がなくなってから2~3日後に、ハイドロボールの1/5程度の高さまで給水します。葉水は毎日与えてください。
特に肥料が無くても育ちますが、鉢植え栽培で肥料を与える場合は、2ヶ月おき位のペースで緩効性の固形肥料を与えてください。もしくは10日おきに規定の量に希釈した液体肥料を与えます。
ハイドロカルチャー栽培の場合は1週間おきに希釈した液体肥料を与えましょう。
冬場の管理方法
気温が下がると成長スピードが遅くなり、ほとんど水を必要としなくなるので、土が乾いてから2日~3日したあたりで水やりをします。空気が乾燥しているようなら葉水も与えてください。
冬はほとんど成長しない状態になるので肥料を与える必要はありません。
植え替えるタイミング
アイビーは生育が早い植物なので1年~2年おきに植え替える必要があります。
もし以下の条件に当てはまる場合は植え替えのサインになります。
- 2年以上植え替えていない
- 鉢底から根が出てきている
- 水やりをしても浸透しにくくなった
- 新芽が出ても枯れ落ちてきた
- 以前より葉が枯れてきている
- 1年以上ハイドロカルチャーの土を交換していない
根詰まりを起こしていたり、植え替えをしないままで土の栄養分が足りなくなっている状況かもしれません。
植え替えを行う場合は、成長期にあたる5月~6月あたりに行うのがおすすめです。
剪定方法
つる植物なのでどんどんつるを伸ばして成長していきます。成長具合によっては樹形が乱れるので、切り戻しをして見た目を整えましょう。
混みあっている部分や、栄養が充分に行き届いていないヒョロヒョロと伸びたつるも剪定します。葉がこみあっている部分も光が届きにくくなり貧弱な枝や部分的に枯れやすくなりますので、風通しが良くなる程度に切ります。
剪定を行う場合は成長期の4月~7月あたりが適しています。
木の様に質が変化している枝(木質化)部分を切ると新しい葉枝が出なくなりますので、ご注意ください。剪定した枝は水差しで楽しんだり、10cm程度の長さに切って差し穂としても利用できます。
アイビーの選び方
アイビーを購入する際は害虫が付着していないか必ず確認してください。
害虫がついている株を選んでしまうと、アイビーが弱ってしまったり他の植物へ移ったりする可能性があります。
初心者であれば初めから鉢に植えられた状態のアイビーを購入すると、植え替えの手間を省くことができます。
アイビーの増やし方
アイビーは、挿し木や水挿しで増やすことができます。
挿し木で増やす場合は、丈夫なつるを選び、先端から10cmほどの長さにカットします。下のほうの葉を取り除き、上半分の葉は何枚か残して切り落とします。
切り口を水に1時間ほど浸してから水気を切り、切り口に発根促進剤をつけます。観葉植物用の培養土や挿し木用の土へつるを挿し込み、根が生えるまでこまめに水やりをしながら明るい日陰で管理してください。
アイビーの水挿しは、挿し木で用いた土の代わりに水を使用する方法です。
挿し木と同様につるをカットして葉を取り除いたあと、水を入れたコップに挿し混みます。毎日水を入れ替えながら1週間ほど明るい日陰で管理をし、少しずつ日が当たる場所へ移していきます。
水挿しの場合、暖かい時期あれば発根後もコップや瓶に飾っておくことができます。
アイビーの病気や付きやすい害虫
アイビーは下記の病気、害虫に気を付けます。
病気 | すす病、炭疽病 |
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害虫 | アブラムシ、カイガラムシ |
かかりやすい病気
アイビーの葉枝にすすがついた様に黒い病変が出てくるすす病があります。放置していると葉枝が枯れる原因となるので病変部は全て取り去りましょう。
炭素病も斑点が出来て放置していると葉枝が枯れてくる病気です。
いずれもカビの菌や胞子が原因となりますので、風通しが良くなる置き場所を考えたり剪定をして管理しましょう。
付きやすい害虫
アブラムシとカイガラムシがつくことがあります。
アブラムシは先述したすす病の原因にもなる害虫です。見つけ次第、粘着テープを利用して駆除をするか薬剤で駆除しましょう。
カイガラムシも幼虫の段階であれば薬剤駆除が可能です。成虫になるとやくざいが効かなくなりますので、成虫を見つけた場合は歯ブラシを使ってこすり落とす方法で駆除するとよいでしょう。
アイビーの毒性や危険性について
アイビーの樹液等に含まれるサポニンは、犬や猫などの動物が口にすると中毒症状を引き起こすペットにとっては危険な植物となります。
ペットを飼っている家庭でアイビーを育てる場合、ペットが近寄らないようにし誤食しない環境で育てるようにしましょう。