観葉植物の中でも人気のあるパキラの育て方を解説しているページです。
パキラは約2m程の背丈になる樹木で室内のインテリアグリーンとしても最適。しかも、初心者の方でも育てやすい観葉植物です。
このページではパキラの育て方について、初心者にもわかりやすいようにまとめています。
パキラの特徴
パキラはもともと中南米原産の植物です。アオイ科パキラ属の植物で比較的成長が早く、耐陰性があり日陰でも日照不足に気を付けさえすれば十分育てられます。
栽培は初心者でも容易であり、太い緑色の幹に薄くて大きい5枚~7枚の葉をつけ、その姿の美しさから観葉植物としてかなり人気があります。
挿し木で増やしたものは幹の成長自体がほとんど起きず、あまり大きく育たないのも人気の理由です。
本来は10Mにもなるものもあり、原産地では雨季には水没してしまいますが、水に浸かっても根が腐ることはありません。
日本では観葉植物としては主にカイエンナッツ種が栽培されており、鉢植えから水耕栽培など幅広く、その形状も数本の幹をみつあみ状にしたものなどもあります。
パキラの基本データ
難易度 | 簡単 |
成長速度 | 比較的早い |
成長期 | 5月~7月 |
花・種 | 白い糸状の花を咲かせる。種はカイエンナッツと呼ばれる |
日照量 | 直射日光が当たらない日当たりの良い場所 |
温度 | 熱帯の植物なので冬でも10度以上保つ必要があります |
湿度 | 熱帯原産のため湿度が高い場所が好ましい |
花言葉 | 快活、勝利 |
パキラの育て方
室内で育てる場合
置き場所は窓辺がおすすめです。日当たりのいい場所の方が丈夫に育ちます。
直射日光が当たりすぎる場所は葉焼けを起こす原因となるので、レースカーテン等で調整をすると良いでしょう。
一方、エアコンの風には弱いので、空調の風が当たらない場所を選んでください。
土の水はけが悪くなると根腐れを起こし枯れる原因となります。水受け皿の水が溜まっていたら捨てましょう。
屋外で育てる場合
パキラは春から秋にかけて屋外で育てる事が可能です。
直射日光が強いと葉焼けを起こしてしまうので、適度に日光が当たる風通しの良い場所に置いてあげてください。
夏場はエアコンの室外機の風が当たらない場所を選び、日当たりが強すぎる場合は寒冷紗で遮光調整します。
パキラは耐寒性は持っていないため、冬は10℃を下回る環境が苦手です。冬場は室内に入れて管理しましょう。
用土
パキラを育てるには、水はけのよい土を使うようにしましょう。水はけの悪い土を使ってしまうと、根腐れを起こす可能性があります。
室内の場合は土の表面にコバエなどが湧くこともあるので、土の表面を赤玉土などの無機質な用土で覆うと効果的です。
土は観葉植物用の土2:赤玉土1:鹿沼土1の割合でブレンドするといいでしょう。ただし、生育環境によっても違ってくるので環境によって微調整してください。
植木鉢の選び方
パキラは普通鉢か深鉢に植えられて販売されている事が多いです。同様に鉢を購入する場合は、普通鉢か深鉢を選ぶと良いでしょう。
成長が早く高さも出てきますので、浅鉢や平鉢は向いていません。
サイズは鉢を徐々に大きくしないと根詰まりを起こしてしまいますし、一気に大きな鉢にしてしまうと水はけが悪い状態が続き根腐れを起こしてしまいます。
植え替えの際は、今の鉢よりも一回り大きめの鉢を選んでください。
パキラの管理方法
水やりと肥料の与え方
成長期の管理方法
パキラは冬の気温が低い時期に成長が止まり、5月から7月にかけて成長していきます。
そして、水やりは毎日する必要はありません。元々乾燥に強い植物なので、成長期のパキラは鉢の土の表面が乾ききってから水やりをします。
肥料は5月から10月までの間は、10日~15日に1回のペースで液体肥料をメーカーごとに指定された水量で薄めて与えてください。
固形の緩行性肥料を使用する場合は、幹のそばではなく鉢の端側におきます。
冬場の管理方法
パキラは冬の気温が低い時期はあまり根から水を吸い上げません。そのため、水やりの頻度は成長期よりも控えめにします。
水やりのタイミングは、鉢の土が乾いてから2日~3日後です。頻繁に水やりをしてしまうと、水はけが悪い状態が続き根腐れを起こしてしまいます。
肥料も同様に根から吸収する能力が落ちてきますので、特に必要ありません。また春の成長しやすい時期に与えましょう。
植え替えるタイミング
パキラは根が弱いので2年~3年おきに植え替えをすると良いです。株に以下の状況があった場合は植え替えのサインになります。
- 鉢が小さく株が大きいバランスの悪い状況
- 2年以上植え替えをしていない
- 水をやっても水が土になかなか吸収していかない
- 鉢の底から根が見える
- パキラの本体、葉の調子や色が良くない
パキラの植え替えタイミングは成長期に当たる4月から7月ぐらいまで。遅くても9月ぐらいまでにしておいた方が良いでしょう。それ以外の時期の植え替えは負担がかかり枯れてしまう可能性があります。
根詰まりを解消させるためにも今、使用している鉢よりも一回り大きいサイズを選んで植え替えをする事をおすすめします。
剪定方法
パキラはどんどん成長して新しい葉や枝を伸ばしていきますので、剪定を行う場合は成長期のはじめに当たる5月ぐらいが適しています。
枯れている枝は生え際のあたりから切り落とし、葉と枝のバランスを見ながら切り戻していきます。日当たりや風通りが良くなり、枝が込み合わない様に切っていくのがポイント。
枝のポコッと出ている部分が新しい枝が出てくる成長点になりますので、枝を切る際は成長点より2㎝程度上を切るとまた新しい枝葉が伸びてきます。
パキラの選び方
パキラを購入するときは、まずダニやアブラムシなどの害虫がついていないかをチェックしましょう。
そのほか、葉の先が枯れかけていたり、黄色っぽくなっているものは避けましょう。
なるべく葉が深い緑色で、元気に生い茂っているものがおすすめです。
パキラの増やし方
パキラは生命力が強く、挿し木をして簡単に株を増やすことができます。
もし根腐れを起して枯れそうになっても、元気な部分を切り取って挿し木にしてあげると再生できます。
挿し木をする時期は5月~7月頃が望ましいです。
もともと暑い地域が原産地であるため、パキラは暖かい気候を好みます。
そのため、パキラは暑い時期が一番生育に適しているので、挿し木をした後の生育を考えて暑くなる前に挿し木をするのです。
また、パキラの挿し木をするときの道具は清潔にしておかないといけません。
もし清潔でなければ、切り口の部分から腐ってしまうこともあるからです。
更に土は新品の土を使い、挿し木専用の土か、栄養成分のないバーミキュライトか鹿沼土を使いましょう。
挿し木に使うのは緑色の葉がついた元気な枝の部分が理想的で、葉は2~3枚ほどが理想です。
パキラの病気や付きやすい害虫
パキラは下記の病気、害虫に気を付けます。
病気 | すす病 |
害虫 | ハダニ、アブラムシ、カイガラムシ、コバエ、アリ、ナメクジ、ダンゴムシ、バッタ |
かかりやすい病気
カイガラムシやアブラムシの糞が原因によるすす病になる可能性があります。すす病はウイルス性の病害で、黒色すす状のカビが葉や枝に発生する病気です。
葉や茎が黒っぽくなってきたという病変があった場合は、病変部を切り、殺菌剤で消毒します。
害虫がつかない様に管理する事も予防ポイントの一つです。
付きやすい害虫
温かくなってくる5月過ぎから害虫に注意してください。パキラは樹液を出している場合、アリがついたり、土の水はけが悪いとコバエが発生する原因になります。
空気の乾燥が続くとハダニも発生しやすいので、見つけたら濡らしたティッシュでふき取ってください。
特に気をつけたいのはすす病の媒介元となりやすいアブラムシとカイガラムシです。
アブラムシは見つけ次第セロテープを使って取り去っていくか、殺虫剤を使用します。
カイガラムシは硬さがあるので、使い古しの歯ブラシでこすり取ってカイガラムシ用の殺虫剤で駆除しましょう。
パキラの種子には毒があるので注意
パキラは葉や幹には特に毒性はありません。
ただし、日本で主に栽培されるカイエンナッツ種の種子には少量ですが、ジャガイモの発芽部分と同じ毒素があることが分かっています。
もっとも挿し木が主流の日本で種を手に入れることはあまりないとは思いますが、もし種を手に入れた場合は子供やペットが口にしないように気を付けましょう。