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シャコバサボテンの育て方

サボテン

シャコバサボテンは色鮮やかな花を楽しむ観賞用のサボテンです。

シャコバサボテンに綺麗な花を咲かせるための管理方法や育てるポイントをこのページで解説しています。

シャコバサボテンの特徴

シャコバサボテンはブラジル南東部を原産とするサボテン科カニバサボテン属(シュルムベルゲラ属)に分類されるサボテンです。

サボテンというと砂漠などの乾燥地に生息しているイメージがありますが、シャコバサボテンはリオデジャネイロ州の森林に自生し、樹木の上に着生しています。

縁がギザギザとした多肉質の葉のように見える茎(茎節)を持つのが特徴で、海に棲んでいるシャコに形が似ていることからシャコバサボテンと名付けられています。

尖った茎節の先に大ぶりで透明感のある花を咲かせる姿が美しく、インテリアプランツとして人気があります。花の色は赤や黄、白、ピンクなど品種によってさまざまです。

シャコバサボテンをバランスのよい株に仕立てるため、また花をきれいに咲かせるためは、春と秋に茎節を摘み取る「葉摘み」と呼ばれる作業が必要です。

基本データ

難易度 やや易しい
流通名 シャコバサボテン、クリスマスカクタス、デンマークカクタス
成長速度 やや速い
花・種 11~3月に白・黄・ピンクなどの花が咲きます
日照量 日当たりを好みますが夏の直射日光は避けます
温度 寒さにはやや弱いので冬は5℃以上を保ちます
湿度 高温多湿を嫌うので真夏は水やりの回数を減らします
花言葉 一時の美、美しい眺め

シャコバサボテンが好む環境

日当たりと置き場所

シャコバサボテンは日光を好みますが、葉焼けを防止するため真夏の直射日光は避けましょう。

屋内で育てる場合

シャコバサボテンは屋内で育てることもできますが、日光によく当てたほうが締まった株に育つため明るい場所に置いて管理します。

日当たりと風通しのよい窓辺で栽培するのがおすすめです。ただし真夏の直射日光に当てると葉焼けを起こすことがあるのでレースのカーテン越し程度の光を当てましょう。

シャコバサボテンは日光が当たる時間が短くなることで花を咲かせる短日植物です。照明の当たる部屋に置いている場合、10月に入ってから1か月程度はダンボールを被せるなどして光を遮ってください。

屋外で育てる場合

シャコバサボテンは日光を好む植物なので、春から秋にかけては風通しのよい日向で管理してください。

ただし、梅雨明けから9月上旬までは葉焼けを防止するため直射日光を当てないようにします。半日陰に移すか、60%程度の遮光をしましょう。

寒さに弱く株が凍ると枯れてしまうため、冬場は室内の明るい場所に移して管理します。

温度・湿度

シャコバサボテンは寒さにやや弱く、耐暑性も強いとはいえません。

春から秋にかけては日光によく当てたほうが元気な株に育ちますが、高温になる真夏の時期は直射日光を避けて風通しのよい半日陰に移しましょう。

耐寒気温は5℃前後なので、屋外管理の場合は寒くなってきたら室内へ取り込みます。早いうちから暖かい部屋へ移すと花付きが悪くなることがあるので注意します。

シャコバサボテンは多湿に弱い植物ですが、生育期には土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えてください。夏と冬の時期は生育がゆるやかになるため水やりは控え目にします。

用土

シャコバサボテンは多湿を苦手とする植物です。土の過湿によって根腐れを起こすことがあるため、用土には通気性と水はけのよい土を使用してください。

園芸店などに売られているシャコバサボテン用の培養土を使用するのが最も簡単な方法です。サボテン専用の土を使ってもよいでしょう。

自分でブレンドする場合は、赤玉土(小~中粒)1:腐葉土1:軽石1などの割合で混ぜたものを使用します。保水性と通気性を高めるためにバーミキュライトやパーライトを混ぜるのもおすすめです。

シャコバサボテンを上手に育てるコツ

水やり

シャコバサボテンの水やりは季節によって量やタイミングが異なります。

生育期である春から秋にかけては土の表面が乾いたら水をたっぷりと与えます。鉢底から水が流れ出るくらいの量が目安です。受け皿に溜まった水はすぐに捨てましょう。

高温になる真夏と休眠期に入る冬場はシャコバサボテンの生育がゆるやかになるため水やりの回数を減らします。

夏場は土の表面が乾いて2~3日経ってから、冬場はほとんど成長しないため月に1~2回の水やりで十分です。

春と秋の葉摘みから2週間程度は水を一切与えないようにします。秋の葉摘み後は花芽を確認したら水を切らさないようにたっぷりと与えましょう。

葉水

シャコバサボテンを始めとするサボテン科の植物は葉や茎に水分を貯めているため、定期的な葉水は必要ありません。

ただし、水をあまり必要としない夏と冬の時期や、室内の冷暖房による葉の乾燥が気になった時には霧吹きなどで水を吹きかけるとよいでしょう。

シャコバサボテンは多湿が苦手なので、暑い時期の葉水は蒸れを防ぐためにも涼しい時間帯に与えます。また、葉水には害虫やホコリの付着を予防する効果もあります。

肥料の与え方

肥料はシャコバサボテンが生育を始める3~4月から梅雨が明ける6~7月にかけて与えます。

緩効性の固形肥料を与える場合は4月から6月にかけて月に1度のペースで置き肥料します。液体肥料であれば規定の濃度に希釈したものを3~6月に2週間に1度、水やりの代わりに施してください。肥料を与える際は、株元から離れたところに施します。

梅雨明け以降は花芽を付けない新芽の成長を抑えるため、肥料は与えないようにします。花芽が付き始める9月上旬には肥料が切れている状態が好ましいです。

冬越し

シャコバサボテンは寒さに弱いため気温が低くなる冬場は室内へ取り込み、日当たりと風通しのよい場所に置きましょう。

寒さで株が凍ると枯れてしまうため、室温は5℃を切らないようにしてください。しかし、暖房の効いた暖かい部屋に置いていると花が落ちやすくなります。葉の乾燥を防ぐためにも暖房の風には当てないようにします。

冬場はシャコバサボテンの生育が緩慢になるため水をあまり必要としません。水やりは月1~2回のペースに抑えて乾燥気味に管理しましょう。

シャコバサボテンの選び方

シャコバサボテンを購入する際には害虫が付いていないか必ず確認してください。害虫が付着したものを買ってしまうと株が弱ってしまったり他の植物に被害が及んだりする可能性があります。

茎節が濃緑色で艶があり、黄ばみや赤み、しわがないものを選びましょう。

シャコバサボテンの増やし方

シャコバサボテンは挿し木によって増やすことができます。

木質化していない茎節を先端から2~3節のところで切り取り、挿し穂として使用します。挿し穂は1枚だけでなく2~3枚使用したほうがよく成長します。

新しい土を入れた鉢に、摘み取った茎節を1/3ほど埋め込みましょう。茎節の切り口から菌が入り込んで腐ってしまうのを防ぐため、挿し木してから1週間は水を与えないようにします。

春の葉摘みの際に摘み取った茎節を挿し木に利用することもできます。挿し穂を植え付ける用土は、市販の挿し木用の土または赤玉土にバーミキュライトを混ぜたものを使用します。

挿し木後も同じ鉢で育てるため、円形なるように挿し込むと自然にまとまった草姿になるでしょう。

シャコバサボテンの挿し木は4月~7月が適期です。

シャコバサボテンの植え替え

大きくなったシャコバサボテンを同じ鉢で育てていると、鉢に根が回って根詰まりを起こします。根詰まりは根腐れの原因となるため、1~3年に1度は一回り大きな鉢へ植え替えましょう。

茎節が赤くなって継ぎ目から根が出ている状態担っていたら、根腐れを起こしている可能性があります。この場合も植え替えのタイミングです。

シャコバサボテンの植え替えは以下の手順でおこないます。

  1. 1回り大きな鉢に鉢底ネットと鉢底石を敷く
  2. 清潔な土を鉢の1/3程度まで入れる
  3. 鉢から株を抜き出し、根についた土を揉み落とす
  4. 鉢の中央へ株を置いて周りに土を入れる
  5. 半日陰で管理し1週間~10日後に水を与える

株を鉢から抜いた際、傷んだり腐ったりしている根があれば取り除いてください。

シャコバサボテンの植え替えの適期は4月下旬頃、春の葉摘みと同時におこなうとよいでしょう。

病気・害虫

シャコバサボテンは病気にかかりにくい植物ですが、まれに「炭疽病」や「すす病」にかかることがあります。

黒褐色の斑点ができて亀裂を生じる炭疽病や、葉に黒いカビが付着するすす病は、風通しが悪く湿気が多い環境で発生しやすい病気です。

症状を発見したら被害箇所を早めに切除し、焼却処分するのが望ましいです。

シャコバサボテンには害虫の被害もあまり見られませんが、梅雨などのじめじめした時期にナメクジや毛虫が発生することがあります。

いずれの害虫も新芽を食べて株を弱らせるため、見つけたらすぐに取り除きましょう。薬剤を使って駆除するか、ナメクジの場合はビールを入れた容器を鉢の近くに置くのも効果的です。

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