セレウス・サボテン(セレウスベルヴィアヌス)は小型の柱サボテンです。電磁波を吸収してくれるという謳い文句で売り出されている事もあるサボテンです。
このページではセレウス・サボテンの特徴や育て方を解説しています。
セレウス・サボテンの特徴
セレウス・サボテンは北米南部〜南米を原産とするサボテン科セレウス属に分類される植物です。
多肉質の細長い茎の脇から色合いのよい新芽が出て、上の方へ伸びていきます。サボテンの特徴であるトゲもつけますが、毛のように柔らかいため触っても痛くありません。
細長くサボテンらしい草姿をした「セレウス・ペルヴィアヌス」や、小さな岩のようにごつごつとした「セレウス・ペルヴィアヌス・モンストローサ」、螺旋状にねじれた茎が印象てきな「セレウス・ペルヴィアヌス・スピラリス」などが代表的な品種です。
セレウス・サボテンは、パソコンやテレビの近くに置くと電磁波を吸収して目や頭が疲れにくくなるという研究があり、「電磁波吸収サボテン」として知られています。ただし、化学的根拠ははっきりしていないようです。
基本データ
難易度 | 易しい |
流通名 | セレウス・サボテン、電磁波吸収サボテン |
成長速度 | やや速い |
花・種 | 大きく成長すると花をつけますがまれです |
日照量 | 日光を好みますが真夏の直射日光は避けましょう |
温度 | 寒さにはやや弱いため冬は5℃以上を保ちます |
湿度 | 多湿を嫌うため長雨に当てないようにします |
花言葉 | 偉大、枯れない愛、燃える心、暖かい心 |
セレウス・サボテンが好む環境
日当たりと置き場所
セレウス・サボテンは日光を好ますが、葉焼けを防ぐため真夏の直射日光は避けるようにします。
屋内で育てる場合
セレウス・サボテンは日光によく当てた方が健康な株に育つので、屋内で管理する場合は日当たりのよい窓辺などに置くようにしましょう。
ただし、日差しが強くなる真夏の葉焼けを防止するため直射日光は避け、レースのカーテン越し程度のやわらかい光を当ててください。寒さにはあまり強くないため、冬の室温は5℃以上を保つようにします。
屋外で育てる場合
セレウス・サボテンは明るい場所を好むので、基本的には年間を通して風通しのよい日なたに置いて管理してください。
耐暑性はありますが、日本の暑の日差しは強すぎることがあるので、軒下や木漏れ日が当たるような半日陰に移します。乾燥に強く湿度の高い環境を嫌うので長雨が当たる場所には置かないようにします。梅雨の時期は特に注意してください。
冬に霜や雪が当たると枯れることがあるため、5℃を下回る場合は室内へ移しましょう。
温度・湿度
セレウス・サボテンは寒さにやや弱いものの暑さには強い植物です。
ただし、日本の夏は日が落ちても気温が高いことが多いため、1年中日なたに置いていると株が弱ってしまいます。真夏は風通しのよい明るい日陰に移動させてください。
耐寒気温は5℃前後なので、外気が5℃を下回り始めたら暖かい室内へ移します。霜や雪が当たって株が凍ると腐ったように枯れてしまうので気をつけましょう。
また、乾燥に強く多湿を嫌う性質があるので、水の与えすぎには注意します。根腐れを防止するためにも土の水はけは常によい状態にしておきます。
用土
セレウス・サボテンは湿度の高い環境を苦手とする植物です。土の過湿は根腐れを引き起こし、茎が変色したりぶよぶよしたりする原因となります。用土には水はけのよい土を使用しましょう。
自分でブレンドする場合は、赤玉土(小粒)6:鹿沼土2:日向ボラ土2、もしくは赤玉土(小粒)6:腐葉土2:川砂2などの割合で混ぜた土がおすすめです。初心者であれば園芸店などで売られているサボテン専用の土を使用するのが最も簡単です。
セレウス・サボテンを上手に育てるコツ
水やり
セレウス・サボテンは多湿を嫌うので、土の過湿には特に注意します。株が弱る原因としては、水不足よりも水の与えすぎである場合がほとんどです。
春から秋にかけての生育期には月に2~3回、土が乾いてから数日後にたっぷりと水を与えましょう。鉢底から水が流れ出るくらいの量が目安です。
冬はセレウス・サボテンの生育がゆるやかになるため水やりの回数を減らします。月1回程度の頻度にとどめ、乾燥気味の状態を保ちましょう。
葉水
セレウス・サボテンを始めとするサボテン科の植物は葉や茎に水分を溜めているため、定期的な葉水は必要ありません。
ただし、水やりの回数を減らす冬の時期や、部屋の冷暖房による風で株の乾燥が気になった時は、霧吹きで水を吹きかけてもよいでしょう。
葉水を与えても茎がしわしわになっている状態が改善しない場合、水不足が原因ではなく根腐れを起こしている可能性が高いです。根腐れを起こした株は、傷んだ根を取り除いて植え替えをおこなう必要があります。
肥料の与え方
セレウス・サボテンは基本的に肥料がなくても育ちますが、より元気な株にしたい場合は少量の肥料を与えてもかまいません。
施肥する際は、生育が盛んな5~6月頃と9月頃に、規定の濃度に薄めた液体肥料を月1~2度のペースで与えてください。緩効性の固形肥料を使用してもよいですが、置き肥は根を傷めることもあるので注意しましょう。
高温になる真夏の時期や生育がゆるやかになる冬の時期は、根の吸収力が弱まっているので肥料は与えません。
冬越し
セレウス・サボテンは寒さにあまり強くない植物です。霜や雪に当たって凍ると赤く変色し、ふにゃふにゃになって枯れてしまうので、低温になる冬は室内へ取り込んでください。
日照不足になると徒長したり葉色が悪くなったりするため、窓辺などの日当たりのよい場所に置きます。室温は5℃以上を保ちましょう。
冬は寒さで休眠するので水をほとんど必要としません。水やりは月1度くらいに回数を減らして乾燥気味に管理すると上手に冬を越せます。
セレウス・サボテンの選び方
セレウス・サボテンを購入する際には害虫が付いていないか必ず確認してください。
害虫が付着したものを買ってしまうと株が弱ってしまったり他の植物に被害が及んだりする可能性があります。しっかりと根を張っていて、葉がしわしわになっていないもの選びましょう。
セレウス・サボテンの増やし方
セレウス・サボテンは株分けや挿し木によって数を増やすことができます。
株分けで増やす場合、まずは親株から子株を切り離します。株が少し大きくなると株元に子株ができるので、ナイフなどを使ってカットしましょう。
切り分けた子株はすぐに植え付、風通しのよい日陰に置いて切り口を乾燥させます。切り口が完全に乾いたら新しい用土へ植え付けます。子株を植え付けた後はすぐに水を与えず、1週間から10日ほど経ってから水やりをしてください。
セレウス・サボテンの挿し木は、健康な子株を切り取って土に挿し込み発根させます。子株を切り取ったら根元が完全に乾くまで日陰に数日~1週間ほど置いてください。
切り口が乾燥したら、多肉植物用の土や川砂といった水はけのよい土の上に軽く載せるように挿し込みます。発根をして株が安定してきたら新しい鉢へ植え替えましょう。
セレウス・サボテンの挿し木は生育期に入る4月から5月頃が適しています。
セレウス・サボテンの植え替え
大きく育ったセレウス・サボテンを同じ鉢で育てていると、根が鉢内に広がって根詰まりを起こします。根詰まりは根腐れの原因となるので、1~2年に1度を目安に植え替えをおこないます。
水を与えても葉のしわしわが治らない場合も、根が詰まって根腐れを起こしている可能性があります。根の状態を確認するためにも定期的な植え替えがおすすめです。
セレウス・サボテンの植え替えの手順は以下の通りです。
- 数日前から水を控えて土を乾燥させておく
- 回り大きな鉢に鉢底ネットと鉢底石を敷く
- 清潔な土を鉢の1/3程度まで入れる
- 鉢から株を抜き出し、根についた土を揉み落とす
- 半日陰に1週間ほど置いて株を根ごと乾燥させる
- 新しい土に植え付け、1週間後から水やりを開始する
セレウス・サボテンの植え替えは春または秋が適期です。
病気・害虫
セレウス・サボテンは「立ち枯れ病」や「灰色カビ病」にかかることがあります。
立ち枯れ病は、葉や茎に病班が現れ、進行すると植物全体に広がり、立ち枯れの状態になる病気です。灰色カビ病は、曇りや雨が続くような低温多湿の環境下で発生しやすく、発症すると茎や葉にカビが生えてしまいます。
いずれもカビ菌による伝染性の病気なので、症状が見られたら被害箇所を早めに切除しましょう。病気が広がっている場合は薬剤を吹きかけて殺菌します。
セレウス・サボテンにつきやすい害虫にはカイガラムシやワタムシなどがいます。
これらの害虫は茎に付着して養分を吸い取り、株を弱らせます。見つけ次第、粘着テープなどで取り除くか、殺虫剤を使って駆除してください。
ただし、カイガラムシの成虫には薬剤が効きにくいため歯ブラシなどでこすり落とします。