家庭で育てやすい果樹として人気のブルーベリーの育て方を解説しているページです。
ブルーベリーは初心者でも栽培出来て実がとても美味しい事から好んで植えられています。ブルーベリーはそのまま生食したり、お菓子の材料やジャム等にも使えるので便利なフルーツです。
このページでは自宅でブルーベリーを育てる際のポイントについてご紹介しています。
ブルーベリーの特徴
ブルーベリーは北アメリカ原産、ツツジ科スノキ属の落葉低木果樹です。
暑さにも強く耐陰性もあるだけでなく害虫も付きにくいです。無農薬栽培も可能なため、初心者でも育てやすい果樹と言えるでしょう。
ローブッシュ、ハイブッシュ系、ラビッドアイと種類がありますが、ハイブッシュ系を選ばなければ2m程度の高さです。ベランダでも育てやすいといった特徴があります。
ジャム等でなじみ深い果実ですがベリーの王様とも呼ばれ、ビタミンAの仲間でもあるアントシアニンも豊富に含まれています。
少量の収穫でも構わないという場合は1本だけ栽培する方法もありますが、出来るだけ多く収穫したいという場合は同じ系統の種類を2本は植える様にすると良いでしょう。
基本データ
難易度 | 簡単 |
流通名 | ブルーベリー |
成長速度 | やや遅い |
花・種 | 白色やピンクの花を咲かせ、果実の中から小さな赤い種がとれます |
日照量 | 日なたを好む |
温度 | 種類によって寒さ暑さに強い、弱いといった違いがある |
湿度 | 種類によっては蒸し暑さに強い、弱いという違いが出る |
花言葉 | 実りある人生、有意義な人生、好意、知性、知恵 |
ブルーベリーが好む環境
日当たりと植えるのに適した場所
ブルーベリーは耐陰性のある果樹ですが、日陰に植えると花実の付きが悪くなります。地植えでの栽培で果実をたくさん収穫させたいと考えているのであれば、日当たりが良い場所を選んで植えます。
ベランダで鉢植え栽培を行う場合も同様に日当たりが良く風通しが良い場所を選んで置き場所を決めてください。乾燥には弱いので、エアコンの室外機の風が当たる場所は避けた方が良いでしょう。
また、お住まいの場所によって適した種類に違いがあります。
ローブッシュ系は日本では栽培しにくいのでおすすめしません。
北関東より北にお住まいの方は寒さに強いノーザンハイブッシュ系を。南関東より南にお住いの方は蒸し暑さに強いサザンハイブッシュ系やラビットアイ系がおすすめです。
温度・湿度
ブルーベリーには色々な種類がある中でもローブッシュ、ハイブッシュ系、ラビッドアイといった種類に大まかに分けることが出来、これらの種類によって対応できる温度や湿度に違いがあります。
ローブッシュ系は背丈が40㎝程度なのですが、暑さに弱いという傾向があり、日本の気候では育てにくいです。
ハイブッシュ系にはノーザンハイブッシュ系とサザンハイブッシュ系の2種に分かれます。
ノーザンハイブッシュ系は涼しい気候を好み蒸し暑い環境を嫌う種類。一方、サザンハイブッシュ系は暑さに強く、ある程度の湿度にも耐えられるのですが寒さに弱い種類です。
もう一つのラビットアイ系は暑さ、寒さ、湿度にもある程度耐えられる種類なので育てやすいです。
たくさんの果実を収穫するためにも、どの系列の種類かを購入する際に確認をしたほうが良いでしょう。
用土
ブルーベリーを育てる時に間違が起きやすいのが土作りです。ブルーベリーは酸性が強い土壌を好みます。
通常の果樹栽培で行う土作りや野菜用の培養土だと酸性が弱いので、あまり生育しない事もあるのです。強酸性土壌にするのがポイントとなります。そこで用意しておきたいのがピートモスです。
ピートモスは酸性が強い土なので、ブルーベリーを植えるのに最適。ピートモスにもみ殻を若干混ぜた土を準備します。
もしくはブルーベリー用の土が販売されている場合はそちらを購入しても良いでしょう。
ピートモスの量は多い方が安定します。植える予定の鉢、もしくは地植えで掘った穴の中の土が全てピートモスで埋まる様に植えてください。
ブルーベリーを上手に育てるコツ
水やり
ブルーベリーを地植で育てている場合は、特に水やりの必要はありません。ただ、雨の日が少なく土が極端に乾燥している場合は水やりをしてください。
鉢植えでの栽培の場合は乾燥させない様に水やりをします。目安は土の表面が乾いてきたなという時にたっぷり与えてください。
朝方に水やりをするのがおすすめですが、夏場で乾燥しやすい状況では日中にかなり土が乾燥してくる場合もあります。その時は夕方にも水やりをする等、乾燥させない様に注意してください。
肥料の与え方
チッ素、リン酸、カリウムが同量割合で配合されている緩効性肥料を植え付けの際に元肥として指定されている量与えます。ブルーベリーは果樹栽培の中でもあまり肥料を必要としない種類です。
植え付け後の追肥は3月以降の春時期に花が咲くあたりと、花実の付きを良くする目的で5月と8月あたりに緩効性肥料を与えます。
追肥は化学肥料でも構いませんが、堆肥の有機物を施す方法も生育が良くなります。以降、毎年3月、5月、8月のタイミングでそれぞれ追肥を行いながら管理していきます。
冬越し
ブルーベリーは特に冬超しの準備の必要が無いので管理も楽です。特に雪が降る事が無い地域ではそのまま育てていきます。
雪が降る地域での栽培の場合は積雪の重みで枝が折れてしまう心配があります。積雪対策としてそれぞれ違いがありますが、添え木をしたり、雪囲いをして対応している例もあります。
他にも鉢植えで栽培している場合は、積雪の時期にあらかじめ木を横に倒す状態にしておき、積雪による枝折れを防ぐ対策をしているという例もあります。
ブルーベリーの選び方
ブルーベリーは枝が太く葉が元気な苗を選びます。また、お住まいの地域によって生育に適した種類に違いがあります。
- 関東より北の地域 → ノーザンハイブッシュ系
- 関東より南の地域 → サザンハイブッシュ系、ラビットアイ系
もしお住まいの地域が北海道の場合はローブッシュ系も育てる事が可能です。
実を多く収穫したいのであれば、同じ系統の木を2種購入して近くに植える事。苗を選ぶ際は最初にどの系統の苗なのかを確認するのがポイントです。
関東より北の地域ならノーザンハイブッシュ系
関東より南の地域ならラビットアイ系
ブルーベリーの増やし方
ブルーベリーは挿し木で増やすことが出来ます。冬の休眠期に剪定した枝を利用して挿し木する事を考えると、おすすめ時期は2月~3月頃です。
- 挿し木にする枝は15㎝程度の長さにします
- 挿す部分は斜めにカットしましょう
- 数時間水につけてから土に挿すのですが、ピートモスを混ぜた土がおすすめです
- 挿し木は半日陰で根付くまで管理しますが、根が出る目安は2か月程度を見ておきましょう
その他、種から発芽させる、接ぎ木をするという方法がありますが、挿し木が一番手軽な方法になります。
ブルーベリーの植え替え
ブルーベリーは種類の選択、そして植える際の土作りさえポイントをおさえれば放任栽培でもある程度果実の収穫が出来ます。地植えの場合は特に植え替えの必要はありません。
鉢で栽培している場合は、2年か3年に一度、11月から3月の時期に植え替えてあげましょう。
その際に気を付けたいのはやはり土です。ピートモスにチップを混ぜ込んだ土、もしくはブルーベリー用の用土を使い植え替えます。
苗を購入して地植えをする場合も植えるために掘った穴の中に入れる土はピートモスが入る様に、根の周辺がピートモスに覆われている状態になる様に植え替えてください。
病気・害虫
ブルーベリーはある程度病気には強く育てやすいのですが、害虫被害に関しては、アブラムシ、毛虫、ハダニ、葉巻虫、カイガラムシがつく事もあります。
見つけ次第駆除してください。大量発生の場合は薬剤散布した方が良い場合もあります。
さび病やすす病等、病気が見られた場合は薬剤散布を行い対処します。病気予防として葉の通気を良くなる管理をしましょう。
また、ブルーベリーは丈夫だからと放置しているうちに病虫害が発生する場合もありますので、普段から枝や葉に変わった部分はないか、確認する事もポイントです。