高級フルーツとしてお馴染みのメロンの育て方を解説しているページです。
メロンと言えば網目模様が入るマスクメロンが有名ですが、様々な品種が存在し高級な物から安価な物、家庭菜園でも育てやすい品種等が存在します。
下記では家庭菜園でメロンを育てる場合の管理方法やポイント等をご紹介しています。
メロンの特徴
メロンはウリ科キュウリ属の一年生草本植物です。
原産地に関してはこれまでに北アフリカや中近東といった説が上がっていましたが、ここ最近では遺伝子研究の結果によりインドが原産地だという裏付けも出てきています。
種類も多く、日本のマクワウリもメロンの仲間です。メロンといえば高級食品のイメージも強く、熟成する事によって香りも良く果汁を楽しむことが出来ます。
種類によって網目が無いメロン、網目が入るメロンもあります。お店では果物のエリアで販売されていますが、スイカと同じつる性の植物で分類上では野菜の仲間です。
プランターでの栽培も可能ではありますが、栽培時に肥料や水やりといった色々なポイントがあるため、栽培はどちらかというと上級者向けになります。
基本データ
難易度 | 難しい |
流通名 | メロン |
成長速度 | 種まきから収穫まで3か月~4か月程度 |
花・種 | 黄色い花を咲かせ、果肉内から白い細長い種がとれます |
日照量 | 日なたを好む |
温度 | 18℃~28℃ |
湿度 | 多湿環境は避ける |
花言葉 | 飽食、豊富、潤沢、裕福、多産 |
メロンが好む環境
日当たりと植えるのに適した場所
メロンは日当たりが良い場所を好みますので、直接地植えをする場合は日当たりがよく水はけのよい場所を選んで植えます。
また、ウリ科の連作障害もあります。
メロンやスイカを以前植えた場所に続けて植えるのは避けてください。出来れば5年~6年は間を空けた方が良いでしょう。スイカ同様に接ぎ木したメロン苗を利用する場合は若干、連作障害が起きにくくなります。
家庭菜園でプランター栽培に挑戦する場合も地植え同様に日当たりが良い場所を選んで植えます。
多湿状態は嫌いますので、湿気がこもる様な場所は避け、風通しが良い場所を選びましょう。
また降雨もあまり苦手なので、雨が当たりにくい場所に植えてください。雨が当たると受粉等、成長する際に影響が出てきます。
温度・湿度
メロンは温度が高めの生育環境を好みます。発芽適温は28℃~30℃程度で、生育適温は18℃~28℃程度。13℃以下になると成長が止まってしまいます。
そのため、栽培を開始するのも気温が15℃以上になるまで上がってからの方が良いでしょう。
種まきをもし3月くらいから行う場合は温室環境か室内環境で育苗をしていく事をおすすめします。
植え付けも5月をすぎたあたりがおすすめです。植える際もマルチシートを張って地熱を上げた方が生育が良くなります。
一方、多湿環境は病虫害の原因ともなります。メロンは湿度が低い環境を好みますので湿気がこもらない場所に植えてください。
用土
メロンを植える前に地植えの場合は土づくりをします。
最初に石灰を土に混ぜ込んでよく耕してから2週間ほど馴染ませます。その後、元肥や堆肥を土に入れ、更によく耕してから畝を作ります。1週間ほど馴染ませておいてから植えましょう。
プランター栽培を行う場合は野菜用の培養土を購入して使用した方が手軽です。植える苗によりますが、もし苗1株を植えるのであれば16L以上の鉢がおすすめです。
大きさで言うと直径30cm程度の鉢になります。もし2株植える場合は、46L以上、長さ73cm以上のプランターを利用してください。
メロンを上手に育てるコツ
水やり
もし種から育てる場合は、芽が出るまでの間、土を乾かさない様に管理します。発芽して本葉が1枚~2枚程度まで育ったら、以降は乾燥しすぎない程度に水やりをしてください。
苗を植えた際は根付くまでは乾燥しない程度に水やりをしてあげると良いでしょう。
根付いてからは種まきの時と同様、乾燥しすぎない程度の水やりを行います。水はけがよくないと苗が弱ってしまいますので注意してください。
水やりのタイミングは朝方に行います。着果し始めてからの水やりは重要です。
水を与える量を減らして糖度を上げる、実を大きくしたい時は水を多くやるといったコツがあります。
着果して10日目程度は水は多めに与えて成長させ、11~18日あたりは若干控えめに、20日~30日あたりは再び水を多めに与え、30日を経過したあたりから、水やりの量を減らしていきましょう。
肥料の与え方
植え付けの前に堆肥や元肥を混ぜ込んで土作りを行いますが、元肥は多くならない様に注意してください。
元肥が多すぎると葉の茂りが良くなるだけで病虫害もおきやすくなりますし、実の付き具合も悪くなる傾向があります。目安としては1平方メートル当たり堆肥200gぐらいにしておくと良いです。
追肥に関しては、実が出来てから10日経過したあたり、卵ぐらいの大きさになったあたりで軽く一握り程度の緩効性化成肥料を与えます。
交配してから20日以上経過してからの追肥は糖度があまり上がらなくなる原因にもなりますので、追肥は控えましょう。
冬越し
メロンは暑さにはある程度強い植物なのですが、寒さには弱いです。
系統や品種にもよりますが、最低でも15℃以上の気温がないとうまく成長しません。14℃以下の気温になると生育がストップしてしまいます。
そのため冬の栽培はうまくいきませんので、収穫を終えてからは特に冬越しを行う必要はありません。
もし、こぼれ種があって芽が出たとしても、冬の気温環境下では充分な育成が出来ないです。また春になって、15℃以上の気温環境になってから新たに苗を植え栽培を行いましょう。
メロンの選び方
メロンの苗は5月あたりから販売されます。苗の選び方は本葉が3枚~4枚はついているものを選びます。
葉の色が濃い緑色で葉の厚みもある程度あるもの、節間もしっかり詰まっている苗がおすすめです。葉に虫や病気と思われるダメージがないものを選びましょう。
また、メロンは連作障害を防ぐために、他のウリ科に接ぎ木した苗も販売されています。この場合、若干高値になりますが、病気にはなりにくいというメリットがあります。
最近では家庭菜園向けにベランダでも作れるような品種も登場しています。
メロンの増やし方
メロンは種まきで増やす事が出来ます。メロンを収穫して種とり用でしばらく熟成させておいた実から種を収穫します。
良く洗い、しっかりと乾燥させてから種まきの時期まで湿気が入らない様にジッパー付きの袋に入れて保管しておきます。
3月あたりから種まきを行いますが、種は一晩水に浸けておきましょう。ただ、発芽適温は28℃~30℃になるので、温室環境がないと難しいです。
苗を購入した方が育成はしやすいです。
また、途中で選定した枝を挿し木する事で根付く場合がありますので、試してみると良いでしょう。うまく根付けばメロンの苗を増やす事が出来ます。
メロンの植え替え
メロンの育苗をしていき、本葉が3枚~4枚程度に成長したら植え替えに適した時期になります。マルチシートを張って地熱を上げておく事をおすすめします。
複数の苗を植える場合は、株間は60cm~80cmは間隔をとる様にしてください。
育苗ポットと同じくらいの穴を掘り、苗はポットごと水に浸けておき充分に吸水させます。地面の高さより若干高くなる程度に植え付けてください。
植えた後は敷きワラをしておくと、雨が降った際の泥の跳ね返り等を防ぐことが出来ます。
病気・害虫
メロンは病虫害に注意してください。
病気では黄色くなって枯れてしまう場合はつる割れ病の可能性があります。
連作の影響が考えられますので、同じ場所で5年以上はウリ科の栽培を避けた方が良いでしょう。早めに見つけ次第株ごと抜き取って処分します。
他にもべと病やうどん粉病にもなりやすいです。いずれもカビの菌が原因となるので、多湿を避け、風通しを良くしてください。
害虫被害では、ハダニとアブラムシはつきやすいです。見つけ次第駆除します。
メロンの病中害は葉に異変で出てきますので、普段から葉の様子に変化はないか、葉の裏も含めて観察しておくと良いでしょう。