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イタリアンパセリの育て方

ハーブ

イタリア料理で香味野菜として利用されるイタリアンパセリの育て方をまとめているページです。

イタリアンパセリは一般的なパセリと比べ苦味が少なく柔らかいのが特徴的なハーブの一種です。

下記では家庭でイタリアンパセリを育てる時のポイントについてご紹介しています。

イタリアンパセリの特徴

イタリアンパセリは地中海沿岸を原産とするセリ科オランダゼリ属(ペトロセリウム属)に分類されるハーブです。春や秋に種をまくと、越冬して翌年の初夏に花を咲かせる二年草です。

洋風料理によく利用される香味野菜で、古代ギリシャ・古代ローマの時代から、料理の付け合わせとして広く親しまれてきました。

パセリには2種類あり、日本でもおなじみの葉が小さく縮れたタイプはモスカレードパセリといい、縮葉種に分類されます。一方、イタリアンパセリは葉が縮れていない平葉種です。

イタリアンパセリは縮葉種のパセリに比べて苦味が少なく甘みがあり、香りもマイルドなので、最近はキッチンガーデンとして人気があります。

花が咲くと葉が硬くなってしまうので、収穫を続ける場合は蕾のうちに摘み取りましょう。

基本データ

難易度 やや易しい
流通名 イタリアンパセリ
成長速度 普通
花・種 初夏に開花しますが葉を収穫する時は摘心します
日照量 日光を好みますが直射日光は避けてください
温度 暑さ・寒さともに比較的強い植物です
湿度 乾燥を嫌うので土が乾いたらたっぷり水を与えます
花言葉 勝利、祝祭、愉快

イタリアンパセリが好む環境

日当たりと植えるのに適した場所

イタリアンパセリは日当たりを好む植物ですが、強い日差しが当たると葉焼けを起こします。基本的には日なたで管理し、高温になる夏は直射日光を避けられる半日陰に移しましょう。

日照不足になると徒長や生育不良を起こすため、気温が穏やかな春と秋はできるだけ日光に当てるようにしてください。

耐暑性・耐寒性ともに比較的優れていますが、極端な暑さになる日本の夏は苦手とします。氷点下が続くような寒冷地の寒さにも弱いので、夏や冬は室内で管理してもかまいません。室内で栽培する場合は、窓際などの日当たりと風通しのよい場所に置くようにします。

乾燥すると葉が硬くなり黄色く変色することがあるので、土が乾いたらたっぷりと水を与えてください。冬の乾燥した寒風にも当てないようにします。

ただし、土が過湿状態になると根腐れを起こします。こまめに土の状態を確認しながらメリハリのある水やりを心がけましょう。

温度・湿度

イタリアンパセリの生育適温は15~20℃です。25℃を超えると生育が悪くなり、葉が硬くなるので注意します。

暑さ・寒さともに比較的強い植物ですが、高温になる日本の夏は苦手です。夏場は直射日光を避けられる半日陰に移して管理しましょう。

基本的には戸外での冬越しも可能ですが、霜が降りるような寒冷地ではマルチングなどの防寒対策を施すか、室内に取り込むのが安心です。

葉が乾燥すると黄色く変色することがあります。夏の強い日差しや冬の寒風は葉が乾く原因となるので、避けるようにしてください。

用土

イタリアンパセリには水はけがよく有機質に富んだ土が適しています。水はけが悪いと根腐れが起きやすくなるので気を付けてください。

自作する場合は、赤玉土(小粒)7:腐葉土3の割合で混ぜた土、もしくはホームセンターなどで販売されている野菜用かハーブ用の培養土を使用します。

弱酸性の土を好むため、地植えの場合はあらかじめ苦土石灰を加えて土壌の酸度を調整しておきます。

イタリアンパセリの根は地中に深く伸びるので、庭土はしっかり耕しましょう。

イタリアンパセリを上手に育てるコツ

水やり

イタリアンパセリには、土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えます。水切れを起こすと風味が落ちてしまいます。鉢底から水が流れ出るくらいの量が目安です。

ただし、根腐れを防ぐため鉢の受け皿に溜まった水はすぐに捨ててください。

冬は株の生育がゆるやかになるため水やりの頻度を減らします。他の季節よりも乾燥気味に管理することで耐寒性を高めることができます。

地植えの場合は、植え付け後に水やりをした後は降雨に任せます。

肥料の与え方

鉢植え・地植えともに、種や苗を植え付ける際に元肥として緩効性化成肥料を施します。

さらに追肥として、春と秋の生育期に3~4か月に1度のペースで同じく緩効性の肥料を与えましょう。液体肥料を使う場合は、規定の濃度に薄めてから2週間に1度の頻度で水やりの代わりに与えます。

葉の成長を促すには、発酵油かすなどの窒素分を多く含む肥料を施します。栄養分が不足すると葉が黄色っぽくなるので、よく観察しましょう。

冬越し

イタリアンパセリは寒さにも比較的強い植物なので、基本的には戸外でも冬を越すことができます。ただし、氷点下が続くような寒冷地では凍結の恐れがあるため、マルチングを施すか室内へ移して管理するのが安心です。

室内へ移す場合は、日当たりと風通しのよい窓際などに起きましょう。日照不足になると生育が悪くなるので注意します。

冬はイタリアンパセリの生育が緩慢になるため水やりの頻度を減らしましょう。葉が乾燥すると硬くなってしまうので、寒風に当てないようにしてください。

イタリアンパセリの選び方

イタリアンパセリの苗を購入する際は、葉がきれいな緑色をしていて、株全体が締まっているものを選びます。

害虫の付いた苗を買ってしまうと後になって株が弱ってしまうので、購入時には葉の裏までチェックしてください。

イタリアンパセリの増やし方

イタリアンパセリは種まきと挿し木によって増やすことができます。

種の収穫は花が咲き終わった後、夏から秋にかけておこないます。葉を収穫したい時は蕾を摘んでしまいますが、種を採取する場合は花を咲かせてください。

花が咲き終わると緑色の果実ができるので、茶色く熟すまで待ちましょう。種が熟したら水やりをストップし、しばらくしてから採取します。

日陰で乾燥させて春まで保存し、種をまきます。移植を苦手とするセリ科の植物なので、庭やプランター、鉢などに直まきします。

湿らせた用土に15cm感覚で1cmほどの穴を開け、4粒ずつまきましょう。風で飛ばない程度に覆土し、霧吹きなどで水分を与えます。発芽するまでは、乾燥させないよう水やりを続けてください。

挿し木で増やす場合は、葉を付けた茎を切り取り、清潔な水を入れたコップに挿して置くだけで発根します。コップの水は毎日入れ替えましょう。

イタリアンパセリの植え替え

イタリアンパセリは冬になると1~2年で枯れてしまう二年草なので、基本的に植え替えの必要はありません。また、太い根を地中深くにまっすぐ伸ばす性質を持つため、根にダメージを受けやすい移植を嫌います。

種から育てる場合は、できるだけ育苗ポットではなくプランターや鉢、庭などに直まきしてください。ポットで苗を育ててから定植する場合や、苗を購入した時は、なるべく小さいうちに植え替えるようにします。

苗を植え付ける際は、根を傷つけないよう慎重に作業します。庭やプランターの場合は15cmほどの間隔を空けて植え付けます。

土を周りに埋めて株を安定させたらたっぷりと水を与えましょう。根が活着するまでは、乾燥させないよう水やりを続けてください。

病気・害虫

イタリアンパセリにかかりやすい病気には「うどんこ病」があります。

うどんこ病は、葉に白い斑点のようなカビが発生する病気です。カビに覆われると光合成ができなくなり葉が枯れてしまうので、被害を受けた箇所はすぐに切除してください。

薄めた酢や重曹水を吹きかけることで繁殖の治療・防止になります。

イタリアンパセリにつきやすい害虫にはアブラムシやアゲハの幼虫がいます。

アブラムシは新芽などの柔らかい箇所に発生し、植物の養分を吸い取って株を弱らせます。発見次第、霧吹きや粘着力の弱いテープなどで取り除きます。

被害が広がった時は殺虫剤を使って駆除しますが、食用のハーブなので、薬剤を使わずに済むよう日頃から観察しましょう。

アゲハの幼虫は葉を食害に遭わせるため、見つけたらすぐに捕殺してください。

イタリアンパセリの効能や使い方

イタリアンパセリは、ビタミンBやビタミンC、鉄分、βカロテン、カルシウムなどが豊富に含まれます。野菜の中でも栄養価が高く、さまざまな料理に利用されます。

効能としては、疲労や倦怠感などの体調不良を改善する効果や、デトックス効果、生活習慣病を予防する抗酸化作用、殺菌作用などが期待できます。

収穫した葉をそのままサラダや付け合わせなどに利用したり、乾燥させたイタリアンパセリをスープのトッピングやソースの香りづけとして使ったりするのが一般的です。

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