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パクチー(コリアンダー)の育て方

ハーブ

タイ料理のトムヤムクンに欠かせないハーブ、パクチー(コリアンダー)の育て方をご紹介しているページです。

パクチーは独自の強い香りがするハーブのため好き嫌いがはっきり分かれます。トムヤムクンやシンガポールのチキンライスの薬味として利用しますが、香りが好きな人はサラダなどにして食べたりするそうです。

このページでは家庭でパクチーを育てる際のポイントについて解説しています。

パクチーの特徴

パクチーは、地中海沿岸や中東を原産とするセリ科コエンドロ属に分類される一年草のハーブです。種をまいてから2か月ほどで収穫できます。

葉や茎にはエスニックな独特の香りがあり、タイ料理やベトナム料理、中華料理などに欠かせないハーブとして親しまれています。

葉や茎以外にも、乾燥させるとオレンジのような風味を持つ種がカレーなどの料理に使われるほか、根は天ぷらにして食べることもできます。

細かく切れ込んだ葉が茎から羽状につくのが特徴で、初夏になると白や薄いピンク色の花を咲かせます。繊細できれいな花ですが、強い香りを持つため切り花には向きません。

パクチーの葉を収穫したい場合は花が咲く前に花芽を摘み取り、種を収穫したい場合は花を残して種が熟すのを待ちましょう。

基本データ

難易度 やや易しい
流通名 パクチー、コリアンダー、香菜
成長速度 速い
花・種 5~6月に白や薄いピンク色の花が咲きます
日照量 耐陰性がありますが日当たりを好みます
温度 暑さにやや弱く寒さには比較的強い植物です
湿度 やや湿り気の多い土壌を好みます
花言葉 隠れた才能、隠れた長所、隠れた価値、隠れた美点、辛辣

パクチーが好む環境

パクチーの花
パクチーの花

日当たりと植えるのに適した場所

パクチーには耐陰性があるため半日陰でも育ちますが、基本的には日当たりのよい場所で管理します。日照不足になるとひょろひょろと間延びした株になります。

ただし、日本の真夏の暑さには弱いので、強い日差しが当たる夏は軒下などの明るい日陰に移します。

寒さには比較的強いですが、霜に当たると株が弱ります。マルチングなどの防寒対策を施すか、室内へ取り込んで寒さを凌ぎましょう。

風通しが悪いと株が蒸れて病気にかかったり生育が悪くなったりするため、特に夏の高温多湿には注意が必要です。葉が込み合ってきたら適度に間引いて風通しをよくします。

パクチーを植え付ける土壌にはやや湿り気のあるきめ細かい土が適しています。比較的水分を好むので、水切れには気をつけましょう。

ただし、降雨や水やりの際に葉や茎に泥がつくと病気にかかりやすくなります。地植えの場合は土の表面に敷きわらを施すか、鉢植えの場合は地面ではなく棚やレンガの上に置くと泥はねを防げます。

温度・湿度

パクチーの生育適温は20~25℃前後です。寒さには比較的強いですが、真夏の暑さには弱い性質があります。

基本的には日当たりのよい場所を好みますが、夏に強い日差しが当たると葉が硬くなることがあります。真夏は軒下などに移して日よけをしましょう。

冬は0度前後まで耐えるものの、霜に当たると株が弱ります。地植えのパクチーにはマルチングなどの防寒対策を施すと安心です。鉢植えのものは室内へ移して寒さを防ぎます。

パクチーは水切れに弱くやや湿り気のある土が適していますが、水を与えすぎると根腐れを起こすので注意します。

用土

パクチーはやや湿り気のある環境を好むため、植え付ける用土には水はけと水もちのよい土を使用します。

鉢植えの場合、赤玉土(小粒)5:腐葉土3:バーミキュライト1:堆肥1などの割合でブレンドした土がおすすめです。初心者であれば、ハーブ専用あるいは野菜栽培用の培養土を使用するのが最も簡単です。

地植えの場合は、土壌の酸度が中性~弱酸性になるよう、植え付けの2週間前までに苦土石灰を混ぜて調整しておきます。さらに1週間前までに堆肥や腐葉土などの有機物をすき込んで肥沃な土壌を作りましょう。

パクチーを上手に育てるコツ

水やり

パクチーは水分を好むハーブです。鉢植えの場合は、土の表面が乾燥したらたっぷりと水を与えます。鉢の底から水が流れ出るくらいの量が目安です。

乾燥しやすい夏場は、朝と夕方の2回水やりをします。気温が上がる日中に与えると株が蒸れる可能性があるので避けましょう。

葉や茎に泥がつくと病気にかかりやすくなるので、水やりの際はできるだけ株元に与えて泥はねを防いでください。

地植えのパクチーには基本的に水やりは不要です。晴天が続くなど極度に乾燥している時のみたっぷりと水を与えます。

肥料の与え方

パクチーを植え付ける際には、あらかじめ元肥が施されている培養土を使用するか、土に少量の有機肥料または化成肥料を混ぜておきましょう。

植え付けから葉の収穫まで1か月半~2か月と生育が早いため、地植えの場合、基本的に追肥は不要です。

鉢植えの場合は、水やりで肥料が流れやすいため、固形の緩効性肥料を2か月に1度のペースで追肥するか、規定の濃度に薄めた液体肥料を2週間に1回水やりの代わりに与えてもかまいません。

冬越し

パクチーは寒さに比較的強く、0℃前後まで耐えることができます。

だたし、霜や雪に当たると葉が黒ずんだり凍結によって枯れたりすることがあるので、戸外で冬越しする場合は、腐葉土や敷きわらで株元を覆うなどの防寒対策を施します。鉢植えのパクチーは暖かい室内へ移すと安心です。

特に苗が小さいうちは寒さに弱いので、氷点下が続く寒冷地では秋の種まきを避け、霜や凍結の心配がなくなる3~4月頃の春まきにするとよいでしょう。

パクチーの選び方

パクチーの苗を購入する際は、下葉がしっかりついていて株がぐらぐらしていないものを選びます。

あまり大きい苗を買うと、葉や茎が硬くなりすぎたり香りが弱くなったりすります。いきいきとした葉のついた小さい苗を選ぶのがおすすめです。

パクチーの増やし方

パクチーは種まきによって数を増やすことができます。

種の採取は花が枯れた後におこないます。葉を収穫する場合は花が咲く前に花芽を摘み取りますが、種を取る場合は花を咲かせて実が熟すのを待ちましょう。

種が茶色く熟したら株ごと刈り取り、新聞紙などに包んで風通しのよい日陰に置き、株全体が茶色くなるまで乾燥させます。

パクチーの種は株の先端についているので手で丁寧に実を摘み取ります。乾燥剤と一緒に密閉容器などに入れ種まきの時期まで保管しましょう。

パクチーの種まきは、春か秋が適しています。種は殻の中に入っているので、種まきの前日に一晩水に浸しておくと発芽しやすくなります。

移植を嫌うため庭や鉢などに直まきするのがおすすめです。ポットで育苗する場合は、本場が4~5枚の頃までに植え付けましょう。

パクチーの植え替え

パクチーは夏になると枯れてしまう一年草なので、基本的には植え替えの必要はありません。

また、パクチーは太い根を地中にまっすぐ伸ばす「直根性」の植物なので、根が一度傷ついてしまうと株に大きなダメージを与えます。

根を掘り起こす移植は根を傷つける可能性が高いため、植え替えはなるべく避けましょう。

種から育てる場合は、植え替えしなくてもいいようにできるだけ庭やプランターに直まきをします。

育苗ポットで苗を育てる時は、大きくなりすぎると根付きが悪くなったり根を痛めやすくなったりするので、本葉が4~5枚になる頃までに植え替えてください。

植え付ける際は株と株の間を20~30cm開け、根鉢と同じ深さに掘った穴に植えましょう。ポットから取り出した苗の根鉢は崩さないようにします。

病気・害虫

パクチーは基本的に病気にかかりにくいハーブですが、栽培環境や管理方法によっては「コリアンダー斑点細菌病」を発症することがあります。

この病気にかかると下葉の縁に小さな黒褐色が現れ、進行すると5mm程度の円形の黒斑が広がります。放置すると葉が枯れてしまうため見つけ次第すぐに取り除きましょう。

土に潜む病原菌が原因となるため、水やりの際には泥が跳ねないよう株元に水を与えてください。土の表面に敷きわらを施すことで泥はねを防止できます。

パクチーに付く害虫にはハダニやアブラムシ、ヨトウムシなどがいます。

アブラムシやハダニは葉や茎に寄生して養分を吸汁し、株を弱らせる害虫です。発見したらすぐに粘着テープを使って取り除くか、水をかけて駆除しましょう。数が多い場合は殺虫剤を吹きかけてください。

ヨトウムシは植物の広範囲に発生し、株を食害に遭わせます。

放っておくと株全体を食い尽くす可能性があるので、なるべく早めに薬剤を使って退治します。卵を見つけたら葉ごと切り取り処分してください。

パクチーの効能や使い方

パクチーにはデトックス作用や消化促進作用があり、食欲を増進させる効果があるとされています。

食べ過ぎた時などにパクチーの種(コリアンダーシード)を使ったハーブティーを飲むと胃がすっきりします。

また、ビタミンB、C、Eやカルシウム、鉄分といった栄養素も豊富に含まれており、美容効果もあるといわれています。抗酸化作用も高く、アンチエイジングも期待できます。

主に料理の香り付けやハーブティーとして利用されますが、精油(エッセンシャルオイル)として芳香浴やマッサージなどに使われることもあります。

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