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パセリの育て方

ハーブ

料理の付け合せとしてお馴染みのハーブ野菜、パセリの育て方を解説しているページです。

乾燥させたものはスープやパンのアクセントに利用されたり、刺し身の盛り合わせや洋食の皿にちょこんと乗せられたりするパセリは日常生活でも馴染みの深いハーブです。

下記では自宅でパセリを育てる際のポイントについてご紹介しています。

パセリの特徴

パセリは地中海沿岸を原産とするセリ科オランダゼリ属(ペトロセリウム属)に分類されるハーブです。春から初夏に種をまくと、冬越しして翌年の夏に花を咲かせる二年草です。

洋風料理の備え付けなどに香味野菜で、栄養価が高く、胃腸の調子を整えたり生活習慣病を予防したりする効果があります。パセリを始めとするセリ科のハーブは香りが独自で苦手な人もいますが、栽培方法を工夫すると苦味を減らすことができます。

パセリには2種類あり、日本でよく見かける小さく縮れた葉を持つタイプはモスカレードパセリといいます。これが一般的に「パセリ」と呼ばれており、葉が縮れていない「イタリアンパセリ」も近年では人気があります。

植えつけてからはほとんど手がかからない植物なので、園芸初心者でも育てやすいハーブです。

基本データ

難易度 やや易しい
流通名 パセリ
成長速度 普通
花・種 夏に開花しますが葉を収穫する時は摘み取ります
日照量 日なたを好みますが直射日光は避けてください
温度 暑さ・寒さともに比較的強い植物です
湿度 乾燥に弱いので土が乾いたらたっぷり水を与えます
花言葉 死の前兆、不和、勝利、祝祭、お祭り気分、愉快な気持ち

パセリが好む環境

日当たりと植えるのに適した場所

パセリは日当たりを好むハーブですが、強い日差しに当てると葉焼けを起こします。基本的には日なたで栽培し、真夏は直射日光を避けられる明るい日陰に移しましょう。

日照不足になると間延びしたりや生育不良を起こしたりするため、気候が穏やかな春と秋はできるだけ日光に当ててください。よく日に当てると香りがしっかりします。

暑さ・寒さともに比較的強いですが、高温になる夏場は葉が硬くなりやすいので、夏はこまめに収穫するとよいでしょう。

冬は氷点下が続くような寒冷地であれば、寒冷紗やマルチングなどで保温するのがおすすめです。暖地であれば戸外での冬越しも可能です。

やや水分を好み乾燥を嫌うため、水もちと水はけのよい土壌が適しています。生育期間はとくに乾燥には気をつけます。乾燥すると葉が硬くなり黄色く変色することがあるので、土が乾燥したらたっぷりと水を与えてください。

温度・湿度

パセリの生育適温は15~20℃です。暑さには比較的強いですが、日本の夏に特有の高温により生育が悪くなり、葉が硬くなることがあります。夏場は直射日光の当たらない半日陰に移しましょう。

寒さにも耐えるため基本的には戸外での冬越しもできます、霜が降りるような寒冷地では防寒対策を施すか、室内に取り込むのが安心です。

葉が乾燥すると黄ばんでしまうことがあります。夏の強い日差しや冬の寒風に当てると葉が乾くので、避けるようにします。

用土

パセリには水はけと水もちのよい土が適しています。水はけが悪いと根腐れが起きやすくなるので気を付けましょう。

自分でブレンドする場合は、赤玉土(小粒)7:腐葉土3の割合で混ぜた土、もしくは園芸店などで販売されている野菜用もしくはハーブ用の培養土を使います。

酸性の土壌を嫌うため、地植えの場合はあらかじめ苦土石灰を加えてよく混ぜ、土壌の酸度を調整しておきましょう。粘土質の場合は、砂や腐葉土をすき込んで改良します。

パセリの根は地中にまっすぐ伸びるので、庭土はしっかり耕します。

パセリを上手に育てるコツ

水やり

パセリは水分を好むため、春から秋にかけての生育期には、土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えます。

鉢底から水が流れ出るくらいの量が目安ですが、根腐れを防ぐため鉢の受け皿に溜まった水はすぐに捨てましょう。

冬は株の生育が緩慢になるため水やりの頻度を減らして管理します。

地植えの場合は、植え付け後に水やりをした後は自然の雨のみで問題ありませんが、夏場に晴天が続くなど極端に乾燥するときは水を与えてください。

肥料の与え方

鉢植え・地植えともに、種や苗を植え付ける際に元肥として緩効性化成肥料を土に混ぜておきます。

さらに追肥として、春から初夏の生育期に1か月に1度のペースを目安に同じく緩効性の肥料を与えましょう。液体肥料を使う場合は、規定の濃度に希釈したものを7~10日に1度の頻度で水やりの代わりに施します。

パセリは生育期間中、次々と葉を茂らせるので、なるべく肥料を切らさないよう注意します。ただし、生育がゆるやかになる冬場には与える必要はありません。

冬越し

パセリは寒さにも比較的よく耐える植物なので、基本的には戸外での冬越しが可能です。ただし、氷点下が続くような寒冷地では凍結によって株が傷むのを防ぐため、マルチングを施すか室内へ移して管理しましょう。

室内へ移す場合は、日当たりと風通しのよい窓際などに置いてください。日照不足になると生育が悪くなったり間延びしたりするので注意します。

冬はパセリの休眠期となるため水やりの頻度を減らします。葉が乾燥すると硬くなるので、冷たい風に当てないように管理してください。

パセリの選び方

パセリの苗を購入する際は、葉が生き生きとした緑色をしていて、株が締まっているものを選びます。本場を5~6枚つけたものを買うとよいでしょう。

害虫の付いた苗を選ぶと後になって株が弱ってくるので、購入時には葉裏までチェックしてください。

パセリの増やし方

パセリは種まきと株分けによって増やすことができます。

種の収穫は花が咲き終わった後におこないます。葉を収穫したい時は花芽を摘んでしまいますが、種を採取する場合は花を咲かせて枯れるのを待ちます。

花が咲き終わると緑色の果実ができます。実が茶色く熟したら水やりをやめて、しばらくしてから採取します。

風通しの良い日陰で乾燥させて春まで保存し、種をまきます。

湿らせた土に1cmほどの穴を開け、3~4粒ずつまきましょう。好光性なので風で飛ばない程度に覆土し、霧吹きで水分を与えます。発芽するまで乾燥させないよう水やりを続けます。

パセリの株分けは、株を抜き取ったあと根土を落とし、手や清潔なナイフで2~3つに分けてから新しい鉢へ植えつけます。

直根性の植物なので根が傷つくと株がダメージを受けます。株分けで増やしたい場合は、できるだけ苗が小さいうちにおこなうと安心です。

パセリの植え替え

パセリは植えてから1~2年たった冬に枯れてしまう二年草なので、基本的に植え替えの必要はありません。また、太い根をまっすぐ伸ばす直根性の植物なので、根にダメージを受けやすい移植は好みません。

種から育てる場合は、できるだけポットではなく鉢やプランター、庭などに直まきしましょう。ポットなどで苗を育ててから定植する場合や、株分けで増やす場合は、なるべく小さいうちに植え付けてください。

苗を植え付ける際は、根を傷つけないよう気を付けながら作業します。庭やプランターに植える場合は15~20cmほどの間隔を空けます。

土を周りに埋めて苗を安定させたらたっぷりと水を与えます。根が安定するまでは、乾燥させないよう水やりを続けましょう。

病気・害虫

パセリにかかりやすい病気には「うどんこ病」があります。

うどんこ病にかかると、葉に白い粉のようなカビが発生します。カビに覆われると光合成ができなくなって葉が枯れるので、被害を受けた箇所はすぐに切り取ってください。

重曹水や薄めた酢を吹きかけることで繁殖の防止になります。

パセリにつきやすい害虫にはアブラムシやキアゲハの幼虫がいます。

アブラムシは植物の新芽など柔らかい箇所に発生し、栄養分を吸い取って株を弱らせます。発見したらすぐに霧吹きや粘着力の弱いテープなどで取り除きましょう。

被害が大きい時は殺虫剤を使って駆除しますが、食用にする場合は薬剤を使わずに済むよう日頃から観察するのが大切です。

キアゲハの幼虫は葉を食べてしまうので、見つけたらすぐに捕殺します。

パセリの効能や使い方

パセリには、βカロテンやビタミンC、ビタミンK、鉄分、カルシウムなどが豊富に含まれます。野菜の中でも特に栄養価が高く、さまざまな料理に使われます。

効能としては疲労回復、生活習慣病の予防、貧血の改善、免疫力の向上などが期待できるとされています。

収穫した葉をそのまま付け合わせにするほか、サラダやおひたし、かき揚げなどにすると積極的に摂取することができます。

また、パセリに含まれるピネンやアピオールといった物質には口臭を抑える効果があるとされています。

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