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初心者でも簡単!苔テラリウムの作り方

園芸

じわりじわりと人気が出てきている苔テラリウムの作り方をまとめているページです。

小さいけどよく見ると美しい苔達をガラス容器で手軽に育てられるのが苔テラリウムの魅力。スペースも取らず一般的な植物よりも手間がかからない事がその人気の理由です。

下記では初心者向けに簡単にできる苔テラリウムの作り方を解説しています。

苔テラリウムとは?

ここ数年で苔の世界に魅了され、苔の栽培を始めている人が増えてきています。苔玉も人気ですが、苔テラリウムを始めていく人も増えてきました。

植物の栽培でテラリウム技術は色々と取り入れられていますが、苔テラリウムというのは一般的に苔をガラス容器等を利用して飼育・栽培していく方法になります。

苔の種類を厳選してテラリウム用のフィギュアを置く事で小さな森や草原の世界等を表現する事が出来る楽しみ、自分ならではのアレンジや世界観を作り出す事もできますよね。

苔だけで構成する方法もありますが、シダやラン等、他の植物もあわせてテラリウムを作り出すという例も。一度凝りだすとなかなか奥が深く楽しめるのが苔テラリウムの魅力でもあります。

初心者には密閉式の苔テラリウムがおすすめ

苔テラリウムを始めてみようと思ったらまずは容器選びから。苔テラリウムで使われる容器は大きく分けて3種類あります。

種類 特徴
密閉式 蓋つきで密閉性があるタイプの容器
半密閉式 蓋はついているが容器と蓋の間に隙間のある密閉性は少ないタイプの容器
開放式 蓋がついておらず穴が開いている開放タイプの容器

見た目で容器を選んでも良いのですが、もし苔テラリウムを初めてスタートさせるという初心者の場合は「蓋つきで密閉性がある容器」をおすすめします。

初心者の苔テラリウム管理で遭遇しやすいのが「苔が茶色くなってしまった」という問題点。密閉性がない容器ではテラリウム内の湿度が充分に保てずに苔が乾燥してしまうというデメリットがあるので、こまめな霧吹きが必要で管理が面倒になってしまうのです。

密閉式だと水分が蒸発しにくいので水やりが殆ど要らないですし、乾燥で葉が茶色くなってしまう事もなくキレイなグリーンを維持させる事が可能です。

そして何より放置してても育つので管理が楽というメリットも。

最初の苔テラリウムは密閉式の容器での栽培から始めてみましょう。

苔テラリウム用の土の選び方

ここでは苔テラリウムに適した土の選び方について開設します。土なら何でも良いという訳ではないのでポイントをしっかりと抑えておきましょう。

向いている土

苔テラリウムでの苔の植え付けに使用する土についていくつか知っておきたいポイントがあります。

まず、基本的に苔テラリウムの栽培に使う土は栄養が少ない土で大丈夫です。

苔は特に栄養が含まれていない土にも生えてきますし、岩の上にも生えてくるぐらいです。なるべく無機質で弱酸性よりになる方が苔には適しています。

そして意識したいのが清潔な土という点です。

余分な菌が含まれているとテラリウム内にカビが生えやすくなるので注意してください。

市販の富士砂、赤玉土やコケ栽培用の市販の土が販売されていますので、トラブルの元となる菌を発生させにくい清潔な土を購入して、使用する方法をおすすめします。

向いていない土

テラリウム内で使用する土で避けておきたいのが庭や公園等、屋外から採ってきた土です。

枯葉や有機物を多く含んでいるので、カビが生えやすくなります。

屋外から採取した土には他にも問題点があります。土の中に虫や幼虫、卵が含まれることもあり、後で虫が発生したというトラブルも出てくるのでおすすめしません。

他には腐葉土も栄養が豊富なので避けてください。栄養が豊富な土は藍藻(シアノバクテリア)の繁殖原因にもなります。

先程、市販の土をおすすめしていますが、苔の栽培に適した土は肥料が少ない土です。そのため肥料が入った培養土の使用も向いていませんので、使わない様にしましょう。

苔テラリウムに使う苔を選ぶコツ

土の他にもどの苔を植えるかも大事なポイントです。

しかし、苔には色々な種類がありますので何を選べばよいのか迷いますよね。そこで、苔を選ぶ時に押さえておきたいポイントが「徒長しにくい種類」です。

苔は環境が合わないと綺麗に生え揃わない傾向があり、室内で管理する苔テラリウムはひょろひょろに伸びてしまう「徒長」が起きやすい種類もあります。

例えば、比較的安価で購入でき、見た目にも良いシノブゴケやハイゴケは選んでしまいがち。ただ、この両者は室内だと徒長しやすい種類です。

他ではツルチョウチンゴケも苔テラリウム向きという事でおすすめされている事が多いですが、仮根が伸びやすい種類です。仮根は茶色で目立ちやすいので美観を損ねます。

苔テラリウムだと実際には中々綺麗に育たない種類なので、こちらも特徴を理解した上で植えるかどうか、検討すると良いでしょう。

苔テラリウムに向く苔の種類

ヒノキゴケは見た目も綺麗で苔テラリウムにも使える
苔テラリウムで人気のあるヒノキゴケ

ヒノキゴケ

大振りな長毛のしっぽの様な葉の生え方をする苔で、フサフサとした見た目なのでイタチのしっぽという別名もあります。苔庭にも使われる種類です。

秋ぐらいに葉が枯れ始めますが、すぐに新芽も出てきます。暑さにも強い傾向があり、密閉式のテラリウムでも育てやすいので人気がある種類です。

ただ、乾燥には弱い傾向があるので、半密閉タイプや解放タイプの容器ではこまめな加湿を行うといった管理が必要となります。

シッポゴケ

長めの葉が出てくることから動物のしっぽみたいな見た目のコケです。オオシッポゴケ、シッポゴケ、カモジゴケ、フデゴケなど種類も豊富。

高さがある苔なので、レイアウト的に手前に別の背が低い苔を配置して、後ろの方にこの背の高いシッポゴケを配置するという方法もおすすめです。

多湿を好むので、密閉性のある容器での栽培が向いています。乾燥にもある程度強い種類も多いので扱いやすいです。

ホウオウゴケ

ホウオウゴケはホウオウの羽根の様な葉から名前がついている苔。見た目にも美しく、大きなものは10cm程度にまでなる大型の苔です。

ホウオウゴケが自生している場所は山間部の湿気の多い渓流沿い、そして水が滴る岩に生えている事が多いのですが、販売している割合は少ないです。

一部のアクアリウムショップでも取り扱いはありますが中々見かけないので通販で買うのがお手軽でしょう。

多湿環境を好み水中でも育つ一方、乾燥には弱いので密閉式での管理をするか多湿環境になる様に管理する必要があります。

ホウオウゴケの育て方
ホウオウゴケの育て方を紹介しているページです。ホウオウゴケは苔の中では大型で陸上だけでなく水中育成も可能です。そのため、ホウオウゴケはアクアリウムでも利用される苔植物です。このページではホウオウゴケの特徴、上手に育てるコツ、株の選び方、植え替え方法や増やし方等を説明しています。

ムチゴケ

鱗っぽい独特な形の葉をしており、葉の裏側にムチの様な枝が伸びているのがムチゴケの由来。ムチ状の枝から出てくる仮根で岩にも体を保定しつつ自生する事が出来ます。

乾燥に弱いので密閉タイプの容器での栽培がおすすめです。

密閉タイプの容器での栽培では若干、細い見た目に成長する傾向がありますが、形が大きく変わる事はないので、初心者でも育てやすい苔になります。

コウヤノマンネングサ

苔の中でも珍しい10cmを超えるものもある大きめの葉が特徴の種類。

湿度が高めの環境を好むので密閉タイプの容器でも育ちますが、葉の勢いが弱くなる傾向があるので、半密閉タイプの容器で管理したほうが育てやすいです。

乾燥には弱いので霧吹きを使っての加湿管理を行う必要があり、若干難易度があります。

テラリウム内に植えるとヤシの木の様な見た目にもなるので人気がある種類です。ただし、難易度はやや高めでテラリウム内での長期維持は難しい種類です。

コウヤノマンネングサの育て方
コウヤノマンネングサの育て方を紹介しているページです。コウヤノマンネングサは日本に自生する苔植物で、苔とは思えない独自の姿で人気です。見た目も綺麗で育てやすいため、苔テラリウムやビバリウム等によく利用されています。このページではコウヤノマンネングサの特徴、上手に育てるコツ、株の選び方、植え替え方法や増やし方等を説明しています。

苔の入手方法

テラリウムに植える苔の入手方法は以下の2つあります。

  1. 自生地から採集する
  2. 通販やショップで購入する

事前の注意点として、自生地からの採集はおすすめしていません。

採集の場合、自分が所有している土地内であれば問題ありませんが、知らないうちに他人の所有地に入り込んで採集してしまいトラブルになるケースがあるからです。

基本的に自分の所有地以外からの採集は盗掘に当たりますので、苔の入手は通販サイトやショップを利用して入手してください。

もし、所有者からの許可を得たり、自分の所有地内で採集する場合もたくさん採集するのはマナー違反です。苔テラリウムは少量あれば良いので必要な分だけを採集しましょう。

苔テラリウムの作り方

苔からゴミを取り除く

苔が手に入ったら早速テラリウム作りの準備をしましょう。

まず、植える苔のゴミを取り除きます。苔には自生地の土やゴミがついている状態なので、植え付ける時になるべく菌を減らすためにもキレイに取り除いてください。

他にも虫の幼虫がついている可能性があります。

虫の糞の様な汚れがたくさんついている場合、幼虫や小さな虫が潜んでいる可能性がありますので、しっかりチェックして見つけ次第取り除いてください。

この時に入れる予定の石や装飾品もキレイに洗っておきましょう。

土を入れる

次は容器に土を入れていきます。清潔な容器に土を静かに入れていきます。

水に濡れている土だとスムーズに容器に入りにくいので、注意してください。

なんとなく「こんな感じにレイアウトしたい」というイメージがあると思いますので、イメージに合わせて平らにしたり、自然な感じのデコボコの地形にするのもいいですよね。

割りばし等で容器内の土を調整するとならしやすいです。この段階で一緒にレイアウトしたい石があったら一緒に配置しましょう。

植え付け

次は苔を植えていきます。苔の植え付けはピンセットを使用してください。

ピンセットは短いのと長いのがあると便利です。長いピンセットはアクアリウム用の物が使いやすいのでおすすめです。

茶色い葉の部分があったら取り除き、根が長い場合は大体土に植え付ける部分は1cm程度が目安となるのでそれより長くなる根は切り落としてからピンセットで植え付けます。

植え付ける時にピンセットでつまむ場所ですが、苔の茎と並行になる様に葉の部分をつまみます。ポイントはピンセットの先端と植え付ける苔を挿す先端部分を揃える事です。

この方法でつまむとスムーズに、そしてしっかりと苔を植え付ける事が出来ます。垂直方向に1cm程差し込んでピンセットを静かに抜きましょう。

背が低い苔で塊になっている場合はそのまま乗せて配置しても大丈夫です。もしフィギュア等の小物も配置する場合はこの段階で配置してください。

霧吹き

土と苔を配置出来たら最後に霧吹きをして苔と土を十分に湿らせてあげましょう。苔テラリウム用の霧吹きを一つ、準備しておくと便利です。

今回のテラリウム作りの時以外にもテラリウムの水やりや苔を軽く湿らせる時、壁面の汚れを落とす等、色々と使う場面が出てきます。安い霧吹きでも問題ありませんが、逆さにしても使えるタイプの霧吹きがあると便利です。

もし、霧吹きをした後に水が溜まりすぎてしまったという場合は、スポイトを使って余分な水分を吸い出してください。最後にティッシュで瓶の内側についた水滴や汚れを拭いて蓋をすれば完成です。

直射日光を避けた明るい場所に設置

苔テラリウムの置き場所ですが、適度に光合成が出来る場所がおすすめです。

避けたいのが直射日光が当たる場所。直射日光が当たってしまうと温度が必要以上に上がって高温が苦手な苔にとっては大きなダメージになります。

更にテラリウム内は多湿状態という点もあり、温度上昇によって蒸れてしまう危険性もありますので注意してください。

お部屋の明るめの場所でOKです。

目安としては観葉植物が育つ程度の明るさがあれば大丈夫です。日当たりが充分ではない場所で育てる場合は、育成用のライトを使って光合成をさせて育てるといった方法も有効です。

まとめ

小さなスペースの中に苔とフィギュア等を配置して自分だけのミニチュア世界を作る事が出来る苔テラリウム。見ているだけで癒されますよね。

一見、難しそうな苔テラリウムですが、容器の選び方やどの様な苔を選ぶか、植え付ける際の準備やポイント、その後の管理といったいくつかのコツをおさえる事で意外と簡単に苔テラリウムを作り出す事が可能です。

最初は密閉タイプの容器から挑戦して徐々に種類を増やしていくというのも楽しみの一つ。

お家時間を過ごす際のインテリアとして、苔テラリウム作りにチャレンジしてみてください。

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