育てやすくて初めての観葉植物にもおすすめなポトスの育て方をまとめているページです。
ポトスは観葉植物の定番で幅広い層に根強い人気のある植物です。観葉植物の中では品種も多く日本では様々な新品種のポトスが近年登場しています。
このページではポトスの基礎知識や、上手に育てるためのポイントを解説していきます。
ポトスの特徴
ポトスはソロモン諸島原産のサトイモ科のつる性植物です。
熱帯性の植物ですが比較的寒さには強く、挿し木でよく増える為、初心者やベテランを問わず園芸家に人気の観葉植物です。
ポトスと言えば緑の葉に黄色っぽい斑が入るゴールデンポトスが有名ですが、より小型でまるで造花と見間違うよな美しいポトスエンジョイ、原種に近い緑のポトスパーフェクトグリーン等様々な品種が販売されています。
私たちが日常で見かけるポトスのほとんどは幼株で可愛らしい姿をしていますが、本来のポトスは葉が顔を隠せるくらい大きく成長する植物です。一般家庭でポトスを大型化させるのは非常に難しいですが、温かい地方や温室で地植えされたポトスは大きくなりやすいです。
基本データ
難易度 | 簡単 |
流通名 | 単にポトスと言うと代表品種のゴールデンポトスを指すことが多い |
成長速度 | 少し遅い |
花・種 | 滅多に咲かず通常の栽培方法ではほぼ見られない |
日照量 | 明るい場所を好みますが耐陰性もあるので様々な場所に飾れます |
温度 | 暑さには強いですが冬は8度以上を保つようにします |
湿度 | 多湿を好みますが根腐れ防止に水はけの良い土を使用します |
花言葉 | 永遠の富、華やかな明るさ |
ポトスの育て方
室内で育てる場合
耐陰性がある植物として紹介されることが多いポトスですが、あまり光合成が少ないと葉緑体が増え、斑入りの場合は葉色が悪くなるだけでなく斑が薄くなり消えてしまう場合があるため、あまり暗い場所に置き続けるのは避けた方が良いです。
明るい場所に置いて適度に光合成をさせてあげた方が元気に育ちます。日差しが強いと葉焼けを起こすことがありますので、天候によってカーテンで調整してあげると良いでしょう。
乾燥には弱いので、エアコンの風が直接当たらない場所に置いてあげてください。
屋外で育てる場合
春先から秋ごろまでは屋外での栽培も可能です。
日差しが強すぎると葉焼けを起こしますので、直射日光が当たらない明るい場所に置くと良いです。葉の状況をみつつ、遮光ネットや寒冷紗で光量を調整してあげてください。
低温は10度程度までは耐えられますが、熱帯性の植物なので冬に気温が10度以下になりそうな場合は屋内へ移動してあげてください。
適した用土
ポトスを植える用土は根腐れをしないように水はけの良い土を使います。
観葉植物用に調整された土がホームセンター等で販売されているのでそれを使うのが最も簡単な方法です。自分で土を作る場合は「赤玉土(小粒)5:ピートモス3:パーライト2」の割合でブレンドします。
コバエ対策として、土の表面を赤玉土や鹿沼土化粧砂などの無機質な材質で覆うと効果的です。
植木鉢の選び方
ポトスは普通鉢を使用する植え付けが多いです。
ポトスの成長に合わせて垂れ下がる様に育てたいという場合は吊り鉢(ハンギングプランター)を利用する方法もおすすめです。上方向へ上り竜の様に成長させたいという場合は深鉢に植え付けてヘゴシリンク等のヘゴ支柱を立てて育てる方法もあります。
ポトスは成長力もあり、根付きもしやすい植物なのでお好みの鉢を利用すると良いでしょう。
根腐れ対策をしたい場合は深くスリットが入っているスリット鉢を利用してください。
ポトスの管理方法
水やりと肥料の与え方
成長期の管理方法
4月~10月くらいの期間はポトスの成長期にあたりますので、この時期の水やりは土の表面が乾燥したら水やりをしてください。
ポトスは水が好きですが、水のやりすぎで根腐れを起こす失敗例も多い植物なので、土の状況をみつつ水やりをしましょう。葉の乾燥を苦手とする植物なので、葉水も出来れば毎日与えましょう。葉水はハダニの防止にもなります。
肥料は2ヶ月おき位に緩効性化成肥料を与えるか、既定の割合で薄めた液体肥料を10日に1回程度与えてください。
冬場の管理方法
気温が10度以下になるとポトスはほとんど成長しないので、水やりの頻度も減らします。
目安は土の表面が乾燥して2~3日経過したあたりで与えてください。土の内部が乾燥しているかどうか調べたい場合は、竹串を使うと便利です。
中程まで挿しても串が土で湿らないところまで乾燥していたら水やりをするといった目安になります。葉水は害虫対策や乾燥予防になりますので、普通に与えてください。
冬は肥料を与える必要はありません。
植え替えるタイミング
ポトスは成長が早い植物なので根も増えやすいです。1年~2年おきくらいで植え替えてあげると根詰まり対策にもなります。
もし以下の状況がみられた場合は植え替えのサインかもしれません。
- 2年以上植え替えをしていない
- 鉢底から根が出てきている
- 水やりをしてもスムーズに水が浸透していかない
- 葉の色が黄色くなってきている
- 以前に比べて古葉が落ちる様になってきている
以前まで葉の状態が元気だったのに最近あまり葉の調子が良くないといった変化を感じる時は、根に異常が起きている可能性もあります。
植え替えを行う場合は5月~6月の成長期で気温もあまり高温になっていない時期がおすすめです。
一回り大きめの鉢を準備して、水はけのよい土を準備して植え替えてあげましょう。植え替え後は数日間は日陰に置いて、ストレスがあまりかからない様に管理します。
ポトスの剪定方法
ポトスはつる性の植物なので、どんどんとつるを伸ばしながら成長していきます。適度に見た目を整える目的で剪定を行うことも可能です。
ポトスはサトイモの仲間で、切り口から毒性のあるシュウ酸カルシウムを含んだ汁が出てきます。触れた際にかゆみや痛み、赤みが出てしまう場合もありますので、剪定時は手袋をした方が良いでしょう。
葉を1枚~3枚程度残した状態のつるは挿し穂としても使え、挿し木として増やせます。
葉の根元部分から根が出てきますので、根の出る位置を見込んで剪定してあげましょう。気根がすでに出ている場合はわかりやすいですね。
挿し穂以外にも増やす予定がない場合は、水差しにしてお部屋に飾るのも良いです。条件が良いと水差しでもぐんぐん成長していきます。
ポトスの選び方
ポトスを買う時は状態をよく見て葉が生き生きとして株が立派な物、害虫が付いていない物を選びましょう。
根元に近い部分の葉が極端になかったり、黄色く変色しているものは状態が悪い可能性がありますので避けましょう。葉に張りがあり上向きになっているポトスは状態が良いです。
定番のゴールデンポトス
小型の人気品種 ポトス・エンジョイ
斑入りの人気品種 ポトス・ステータス
新しい品種 ポトス・グローバルグリーン
ポトスの種類と人気品種
ポトスは現在20種類以上もの品種が存在しており、定番のゴールデンポトス以外にも様々なポトスが流通しています。
ポトスの品種は別ページに詳しくまとめましたので、合わせてこちらもご覧ください。
ポトスの増やし方
ポトスはつるの一部をカットして挿し木にすれば簡単に殖やせます。
挿し木苗を作る場合は葉を1~3枚程度残してつるをカットします。葉の付け根に気根と呼ばれる出っ張りがあるのでそこを水や土に挿しておけば根が伸びてきます。
発根するまでは苗が水を上手く吸えず萎れやすいのでこまめに霧吹きをしてあげるか、葉を減らしてあげると上手くいきやすいです。
水差しする場合は水が腐らないようにこまめに水換えをし、土に挿す場合は発根するまでは土が常に湿っているように管理します。この時、メネデールがあるとなお良いです。
ポトスの植え替え
ポトスが成長をするといずれ鉢の中で根が一杯になってしまい根詰まりを起こします。
鉢底から根の一部が出ていたり、水を与えても土に中々染み込んで行かない、葉色が悪くなってきた場合は根詰まりしている可能性があるので植え替えを行います。
植え替え方法はこのような手順で行います。
- 鉢からポトスを引き抜き古い土をなるべく落とす
- 一回り大きな鉢を用意し鉢底石を敷く
- ポトスの位置を調整しながら新しい土を使い植え付け
- たっぷりと水を与え馴染むまで半日陰で管理
植え替えはポトスにストレスを与えるので、植え替え直後は強い日差しや寒暖の激しい場所を避けましょう。
植え替え時期は5から6月頃が最適ですが、春から秋であれば大丈夫です。
ポトスをこんもりさせる方法
ポトスは蔓性植物なので育てていると茎(蔓)がどんどん伸びて、葉と葉の隙間も多くなり品種によっては間延びしたように見えてしまいます。
市販のポトスは格好良く見せるために薬品を使った矮化処理という茎等の伸長抑制が行われています。そのため、店頭に並んでいる時は茎の間が詰まって葉が茂って見えるので格好良いのですが、数ヶ月すると矮化剤の効果も無くなり本来の姿に戻ってきます。
茎を長く伸ばして仕立てい人にはこのままで良いですが、ポトスをこんもりさせたい場合は下記のように剪定し植え付けましょう。
- 伸びた茎を長めに選定する
- 一つの気根に一枚の葉が残るようにカットし挿し木を作る
- 挿し木の切り口は10分程度放置し乾かす
- 細かくした挿し木を束ねて鉢に植え付ける
- 根付くまでは霧吹きで乾燥を防ぎながら半日陰の場所に置く
- 2週間程度して枯れないようなら、直射日光を避けた明るい場所へ移動させる
- バランスを見ながら剪定し形を整えていく
こんもりさせるコツは挿し木を沢山作り束ねて密集させるように植える事で、ポトスエンジョイのような葉が小さく成長速度も遅い品種を使うと、密集させやすく長く姿を維持しやすいです。
選定は鉢の縁に近い部分は短くし、鉢の中央に行くにつれて選定ペースを変える事でだんだんとドーム状に仕上がってきます。
植え替えする場合は姿を崩さないように一回り大きめの鉢に植え替えるか、また伸びた茎から挿し木を作り切り戻してあげます。
ポトスの病気や付きやすい害虫
ポトスは下記の病気、害虫に気を付けます。
病気 | 炭疽病 |
---|---|
害虫 | ハダニ、アブラムシ、カイガラムシ |
かかりやすい病気
ポトスがなりやすい病気に炭疽病があります。炭素病はカビの菌が原因となり、黒または灰色がかった斑点状の病変が葉だけでなく、進行していくと茎や枝にも出てくる様になります。
病変部は以前の状態には回復できませんので、早めに全て取り去り、取り去った葉も土の上に残さず処分してください。
風通しを良くする管理方法は炭疽病の予防にもなりますので、葉が茂りすぎている時には剪定を行い、風通しが良い環境にしてあげましょう。
付きやすい害虫
ポトスの葉が乾燥している時にハダニがつくことがあります。ハダニは水分が苦手なので、水で濡らしたティッシュでふき取り、毎日葉水を与えると予防になります。
他にもアブラムシやカイガラムシがつく場合があります。
アブラムシはテープで駆除すると便利です。アブラムシとカイガラムシの幼虫は薬剤散布でも駆除できますが、カイガラムシの成虫は薬剤が効きませんので、成虫を見つけた場合はブラシでこすり落とす方法で駆除を行ってください。
ポトスの毒性や人・ペットへの危険性
毒性 | シュウ酸カルシウム |
人への影響 | 樹液で皮膚がかぶれる場合がある |
犬への影響 | 有毒、誤食に注意 |
猫への影響 | 有毒、誤食に注意 |
ポトスはサトイモ科の植物の為、樹液にはシュウ酸カルシウムが含まれていますので、子供や犬猫などのペットが葉や茎を誤食したり、樹液に触れないように対策をしましょう。
樹液は透明で選定時にはいつの間にか付いてたりするので、ポトスの選定時はゴム手袋を使うと安全です。もし、皮膚に付いた場合は擦らず水道水で洗い流すと良いでしょう。