ミニ観葉植物でもよく見かけるコーヒーノキ(コーヒーの木)の育て方を解説したページです。
あのコーヒー豆が出来る木とは別物と思っている方も多いですが実は同じ植物なのです。上手く行けばコーヒーの実が成るかもしれないコーヒーの木についてご紹介します。
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コーヒーの木の特徴
コーヒーの木はアフリカや周辺諸島を原産とするアカネ科の植物です。
コーヒー豆を収穫するために多く栽培されていますが、乾燥に強く育てやすいため観葉植物としても人気があります。
艶やかな葉が特徴で、若葉は黄色がかった緑色をしており、成長するにつれて深みのある濃い緑色へと変化します。
一般家庭でも丁寧に育てて大きな株になれば、コーヒーの実を収穫することができます。
高さ10cmほどの小さな苗から150cmを超える大型の株まで幅広いサイズのものが流通しており、100円均一ショップでも売られているほどメジャーな観葉植物です。
光沢のある美しい葉を1年中楽しめるコーヒーの木は洋室のお部屋とよく合いますが、アレンジ次第では和室のインテリアを華やかにしてくれます。
基本データ
難易度 | 簡単 |
成長速度 | 速い |
花・種 | 白い花を咲かせ開花後約9ヶ月で赤い実をつけます |
日照量 | 日光を好みますが耐陰性もあるため室内でも育ちます |
温度 | 寒さに弱いので10℃以下にならないようにします |
湿度 | 多湿を好みますが水はけのよい土を使用し根腐れを防ぎます |
花言葉 | 一緒に休みましょう |
コーヒーの木が好む環境
日当たりと置き場所
コーヒーの木は日光を好みますが葉焼けを避けるため直射日光を当てないようにします。
屋内で育てる場合
コーヒーの木は耐陰性があるため屋内でも育てることができます。
しかし、日光をよく好むため、なるべく窓際などの日当たりのよい場所に置きましょう。
室内に置いていても直射日光を当てると葉焼けを起こす可能性があるので、レースのカーテン越し程度の光を当ててください。
乾燥には強い植物ですが、エアコンの風が直接当たると傷んでしまうため置き場所には注意が必要です。
屋外で育てる場合
コーヒーの木は日光が大好きな植物なので、春から秋にかけては屋外に置いたほうが健全に育ちます。
ただし、室内に長く置いていて急に日光がよく当たる場所へ出すと葉焼けを起こすことがあります。
屋外へ移動する場合は、少しずつ日照時間を増やして日光に慣らしてあげる必要があります。
直射日光を当てると葉焼けを起こしてしまうので、置き場所の環境に合わせて30%~50%の遮光をしましょう。
遮光ネットや寒冷紗を使用すると簡単に遮光することができます。
温度・湿度
コーヒーの木は高温多湿を好みますが、適切に管理をすれば四季のある日本でも元気に育ちます。
熱帯性の植物のため暑さには強いものの寒さには弱いです。ベランダなどの屋外で育てている場合は外気が15℃を下回ってきたら室内に取り込みましょう。
季節によって屋外と屋内とを移動させる場合は、急に環境を変えると葉が傷むことがあるので、少しずつ慣らしながら移動させてください。
用土
コーヒーの木は湿度の多い環境を好みますが、水はけの悪い土を使用すると根腐れを起こすことがあります。できるだけ水はけのよい土を使用してください。
初心者であればホームセンターなどで売られている観葉植物用の培養土を使用するのがもっとも簡単な方法です。
自分で配合する場合は、赤玉土(小〜虫粒)3:ビートモス1:パーライト1などの割合でブレンドするとよいでしょう。
土の表面を赤玉土や鹿沼土、化粧砂など無機質の用土で覆うとコバエ対策になります。
コーヒーの木を上手に育てるコツ
水やり
コーヒーの木は季節によって水やりの適切な量やタイミングが異なります。
春から秋にかけての成長期には、土の表面が乾燥したらたっぷりの水を与えます。鉢の底から水が流れ出るくらいの量が目安です。
気温が15℃を下回ってくると成長がゆるやかになるため、水をあまり必要としなくなります。土の表面が乾燥してから2〜3日後に水やりをしてください。
葉の先が萎れてきたら水不足のサインです。よく観察して水を与えるようにしましょう。
葉水
葉水は葉の乾燥を防ぐだけでなく、ハダニやアブラムシなどの害虫を予防するのに効果的です。霧吹きなどで1日1回は水を吹きかけるようにしましょう。
葉水を与えることで表面に艶が出て生き生きとした葉になります。
葉にホコリが溜まると光合成の妨げになります。ホコリがついている場合は、葉水のときにハンディモップや濡らしたティッシュペーパーで優しく拭き取るようにしてください。
肥料の与え方
1年の中でコーヒーの木がよく育つのは春から秋にかけてです。5月〜10月の成長期に固形の緩効性肥料を2か月に1回ほどのペースで置くようにしましょう。
葉が色あせている場合は即効性のある液体肥料を規定濃度に薄めて与えると効果があります。
ただし、鉢植えからしばらくの間や、暑さが厳しい夏の期間、成長がゆるやかになる冬には肥料を与える必要はありません。
コーヒーの木の選び方
コーヒーの木を購入する際は必ず害虫が付着していないか確認しましょう。
ハダニやアブラムシなどが付いている株を選んでしまうと、コーヒーの木が傷みやすくなったり他の植物へ移ったりする可能性があります。
葉の数が多く艶があり、枝ぶりのいいものを選ぶようにしてください。
コーヒーの木の増やし方
コーヒーの木は、株分けや挿し木で増やすことができます。
挿し木の場合は、虫のついていない丈夫な枝を選び、先端から20cmほどで斜めにカットして、下のほうの葉を取ります。
このとき、葉から水分が蒸散しすぎないように葉を半分に切りましょう。
枝の断面を水に浸してから川砂や挿し芽用の清潔な土に挿し、根が生えるまではこまめに水やりをしながら、直射日光を避けて明るい日陰で管理してください。
株分けをする際は、鉢からコーヒーの木を抜き出して古い土を落とし、手で株を半分に分けましょう。根が固い場合はハサミやナイフで切れ目を入れると分けやすくなります。
根についた古い土を水で軽く洗い流し、乾燥しないうちに鉢へ植えつければ完了です。
コーヒーの木の植え替え
コーヒーの木は成長スピードが早く、放っておくと鉢の中に根がまわり根詰まりを起こします。
根詰まりが起きると水を吸えず葉の先から枯れてしまうため、1〜2年に1度の植え替えが必要となります。
基本的な植え付けの手順は以下の通りです。
- 一回り大きな鉢の底穴に鉢底ネットを敷いて鉢底石を置く
- 清潔な土を鉢の1/3程度まで入れる
- コーヒーの木を鉢から引き抜き古い土を落とす
- 鉢にコーヒーの木を置き、土を追加する
- 割り箸などを用いて根の隙間まで土をなじませる
- たっぷりの水を与え、根が落ち着くまで明るい日陰で管理する
株を大きくしたくない場合は、枝・幹・根を同じ割合でカットして減らし、同じ大きさの鉢へ植え替えてください。
植え替えのタイミングは5〜8月が適しています。
病気・害虫
コーヒーの木がかかる病気には「サビ病」が挙げられます。
サビ病は雨が多い時期にかかりやすい病気で、感染すると葉の裏側に赤サビのような小さな斑点ができます。斑点が広がると葉や茎が変形し、枯れ落ちてしまいます。
サビ病にかかった葉は切り落とし、全体に広がっている場合は株ごと処分しましょう。
コーヒーの木に付きやすい害虫には「ハダニ」や「アブラムシ」がいます。
ハダニは白い粉のような虫で、葉の裏側を好んで棲みつきます。アブラムシは新芽などの柔らかい箇所に発生する小さな害虫です。
害虫を発見したら、初期の場合は霧吹きや粘着力の弱いテープなどで取り除きましょう。被害が大きいときは殺虫剤を吹きかけて駆除してください。