ユッカ・エレファンティペスは青年の木とも呼ばれる大型の観葉植物です。
室内のインテリアによく利用されるユッカ・エレファンティペスの育て方をこのページで解説しています。
ユッカ・エレファンティペスの特徴
ユッカ・エレファンティペスは北アメリカ~中央アメリカが原産地の、リュウゼツラン科ユッカ属の植物です。
常緑性の多年生植物であり、原産地では5,6m~10mになるものもあります。
日本では剣のような肉厚で鋭い葉が未来に向かって元気よく力強く伸びていく様子を若者にたとえ、「青年の木」と呼ばれ、親しまれています。
ユッカ・エレファンティペスのユッカというのは、もともとユカと呼ばれていたキャッサバと混同されたからで、エレファンティペスというのは育つとゾウの足のような太く、どっしりした幹になることからその名がつけられました。
もともとメキシコなどの乾燥地帯が原産のユッカは乾燥に強く、耐陰性、耐暑性を備えています。
ユッカは丁寧に手入れをすると毎年のように胡蝶蘭に似たきれいな白、もしくは乳白色の花を咲かせます。
もっとも原産地のユッカ・エレファンティペスは、雄しべと雌しべが離れていて自然には受粉しないため、ユッカガという蛾が受粉を助けています。
今は園芸用の植物として世界に広まっているユッカは、原産地では食用にしたり、洗剤などの日用品に利用したりと様々に活用していました。
基本データ
難易度 | 簡単 |
成長速度 | 速い |
花・種 | 白、乳白色 |
日照量 | 日光を好む |
温度 | 高温に強い |
湿度 | 乾燥に強い |
花言葉 | 勇壮、偉大、颯爽 |
ユッカの育て方
室内で育てる場合
室内に置くのに向いている植物としてユッカが紹介される事が多いです。
耐陰性はあるのですが、光合成させたほうが元気に育ちますので、なるべく日当たりが良い場所に置いてあげてください。日照不足になると葉が間延びしやすくなります。
直射日光で葉焼けする場合は置き場所をずらすかカーテンを利用して調整してあげましょう。
風通しが良い場所がベストですが、エアコンの風は葉が痛む原因となります。エアコンの風が直接当たらない場所に置いてください。
屋外で育てる場合
丈夫な方なので屋外でも育てやすい植物です。
霜が降りない地域であれば庭植えでも育ちます。鉢植えの場合は明るめの半日陰に置くと良いです。
葉焼けを起こす場合は置き場所をずらして調整してあげましょう。鉢をコンクリートの上に直置きしている場合、夏場は照り返しの影響で鉢の温度も上がりやすくなりますので、夏の暑さが厳しい時期は日陰に移動すると良いです。
冬に気温が10度以下になりそうな場合は、屋内に移動してあげてください。
適した用土
乾燥に強く、水はけが悪いとすぐに根腐れを起してしまうので、ユッカを植えるのはとにかく水はけがいい土にしましょう。
市販の観葉植物用の土は専用にブレンドしてあるので、おすすめです。
自分でブレンドする場合には観葉植物用の土に赤玉土を混ぜるか、腐葉土に赤玉土を混ぜるといいでしょう。
鉢底には必ず鉢底石を入れてください。
植木鉢の選び方
ユッカは成長に伴って高さもでてきますので、平鉢での植え付けには向いていません。普通鉢の植え付け、もしくは深鉢に植えた方が安定しやすくなります。
水はけが悪いと根腐れを起こしやすいので、普通鉢を選ぶ際は側面までスリットが入っているスリット鉢を使用するのも良いでしょう。
植え替えを行う際は今、植えられている鉢よりも一回り大きいサイズを選ぶとちょうどよいです。
ユッカの管理方法
水やりと肥料の与え方
成長期の管理方法
5月から9月頃までがユッカの成長期になります。
乾燥気味に育てた方が良い植物なので、土が湿っている時の水やりはしない方が良いでしょう。目安は土の表面が乾いてからたっぷりと水やりをします。葉水は毎日与えてください。
肥料はなくても元気に育つ植物ですが、もし与える場合は2ヶ月おき位に緩効性の化成肥料を与える程度で充分です。肥料を与えすぎると成長スピードが速くなりかえって樹形がみだれやすくなる傾向があります。
冬場の管理方法
冬はほとんど成長しなくなるので乾燥気味に管理します。
水やりの頻度も土が乾いてから4日~5日置いてから水やりをしても大丈夫です。葉水は与えても大丈夫です。
冬は肥料を与える必要はありません。肥料の与えすぎは肥料やけをおこしやすくなります。
植え替えるタイミング
青年の木ともいわれるユッカは成長スピードも速い方なので、2年~3年おきに植え替えを行います。
以下の条件に当てはまる場合は植え替えのサインです。
- 3年以上植え替えていない
- 鉢底から根が見えてきている
- 水やりをしてもすぐに浸透しない
- 小さめの鉢に植えている
- 葉先が枯れてきた
特に小さめの鉢で植えていると1年くらいで根詰まりを起こす場合もあります。
葉先が枯れてきたり、葉が黒くなってきた場合は、根詰まりや根腐れ等、根に異常が出ている可能性もあります。
植え替えを行う場合は5月~6月の成長期の時に行うとダメージを受けにくいです。
剪定方法
成長に伴い葉が混みあってきたり樹形が乱れてきた時に剪定を行います。
ユッカは剪定を行った切り口より下の箇所から新しく枝葉を出すので、枝葉を出したい箇所の若干上部分を剪定すると良いでしょう。
切り口はそのままにしておくと感染症が起きる可能性にもなりますので、幹の切り口に癒合剤を塗って殺菌処置を行います。
剪定は成長期の5月~7月あたりまでに行うとよいでしょう。
ユッカの選び方
病害虫に注意して選びましょう。
葉が肉厚で、葉先が元気よく上を向いているものを選びましょう。
ユッカの増やし方
ユッカは挿し木で増やすのが一般的dす。
5月~6月にかけての暖かい日にしましょう。
挿し木用の用土を入れた鉢に、切り落した枝を挿し込みます。用土は事前に湿らせておきましょう。
その後は根が張るまで土を乾かすことなく湿らせた状態を維持しましょう。置く場所は日陰がおすすめです。
ユッカの病気や付きやすい害虫
ユッカは下記の病気、害虫に気を付けます。
病気 | 特になし |
---|---|
害虫 | カイガラムシ、ハダニ、アブラムシ |
かかりやすい病気
ユッカは丈夫な植物なので特に病気の心配はありません。
ただし、乾燥気味な環境を好む植物なので、水のやりすぎによる根腐れには注意してください。
根腐れを起こすと葉先が枯れる、葉が黒くなる、放置していると株元がぐらつく症状が出てきます。他の植物よりも水やりは控えめにしてください。
付きやすい害虫
ハダニがつくことがありますので、見つけたら濡らしたティッシュでふき取り、以降はハダニ予防で葉水を毎日行うと良いでしょう。
まれにアブラムシやカイガラムシがつく事もあります。アブラムシは粘着テープや薬剤駆除、カイガラムシは幼虫の段階では薬剤駆除も有効ですが、成虫になると効かなくなるので、見つけたらブラシでこすり落としてください。
ユッカの毒性や人・ペットへの危険性
毒性 | サポニン |
犬への影響 | 有毒、誤食に注意 |
猫への影響 | 有毒、誤食に注意 |
ユッカにはサポニンが含まれていますので、子供や犬猫などのペットが葉や茎を誤食したり、樹液に触れないように対策をしましょう。
葉も茎も固く誤食はあまり考えられないものの、ペットが齧らないように対策しておくと安心です。
なお、ペットフードによってはユッカから抽出した成分を含む商品もあるようです。ユッカには便の臭いを低減させる効果があるそうですが、だからと言って観葉植物のユッカも安全とはならないので注意しましょう。