色鮮やかでエキゾチックな仏炎苞が特徴的なアンスリウムの育て方をまとめているページです。
アンスリウムはサトイモ科の植物で日本では観葉植物として親しまれていますが、葉を楽しむというよりは花のように見えるカラフルな仏炎苞を鑑賞するのがこの植物を育てる醍醐味です。色は赤色のものを良く見かけますが、白やピンク色など品種も多いです。
このページではアンスリウムを上手に育てるポイントについて解説しています。
アンスリウムの特徴
熱帯アメリカや西インド諸島が原産のサトイモ科アンスリウム属の多年草です。
特徴的な仏炎苞と呼ばれるハート形の花のようなものがあり、その先端にある黄色い突起が正確には花になりますが、仏炎苞を含めて花と呼ばれます。
アンスリウムという名前の由来はギリシャ語の「anthosaura花」「oura尾」という単語を組み合わせたもので、日本語では「大紅団扇」、英語でも「尾のような花」と呼ばれるほど印象的なな花です。
花色は赤、白、ピンク、緑などかなり多彩で、それぞれの花色ごとに花言葉があります。アンスリウムと言えば赤を思い浮かべますが、このような綺麗なピンク種もあります。
原産地では600種類以上もあるといわれるアンスリウムは、樹の上に咲く変わった植物でもあり、地植えにしてしまうと根腐れを起こす可能性の高い植物でもあります。
熱帯原産だけあり高温多湿を好みますが、直射日光や寒さには弱く、栄養不足や日照不足になると花を咲かせることができなくなります。
光沢のある花が特徴の植物ですが、埃が溜まりやすく、また目立ちますので、埃はこまめにふき取るようにしてください。
基本データ
難易度 | 簡単 |
成長速度 | 早い |
成長期 | 4月~10月 |
花・種 | 花びらに見える部分は仏炎苞と呼ばれ、中心の棒状の物が花になります。仏炎苞は赤、白、ピンク、緑など様々な色があります |
日照量 | 耐陰性がある。日光を好むが直射日光は避ける |
温度 | 高温を好み寒さに弱い。15度を下回らないように管理する |
湿度 | 多湿を好む |
花言葉 | 煩悩、恋にもだえる心、印象深い 赤「情熱」白「熱心」ピンク「飾らない美しさ」緑「無垢な心」 |
アンスリウムの育て方
室内で育てる場合
アンスリウムは日当たりが良く直射日光が当たらない場所を選び置きましょう。日当たりが良くないと葉色が悪くなったり葉が小さくなる、成長が遅くなることもあります。
直射日光が強すぎると葉焼けを起こしますので、その場合はレースのカーテンや遮光ネットを使用して調整してください。
室内でも10℃以下になりそうな時は段ボールで囲いを作り保温すると良いでしょう。エアコンの風は葉が痛む原因となりますので、直接風が当たらない場所に置いてください。
屋外で育てる場合
屋外での栽培をする場合も鉢植えで管理するのがおすすめです。地植えは根腐れを起こしやすいので向いていません。
強い直射日光が当たらない半日陰の場所が適しています。
葉焼けを起こす場合は場所を移動するか遮光ネット、寒冷紗を使用して遮光してください。寒さが苦手なので、気温が下がり始めて15度を切ったら室内に取り込んであげましょう。
適した用土
アンスリウムを植える土は水はけが良い土を選びます。水はけが悪いとすぐに根腐れを起してしまいます。
用土は市販の観葉植物用の土で問題ありませんが、もしもブレンドするようなら、観葉植物用の土か赤玉土をベースに、ピートモスやパーライトなどを配合するといいでしょう。
とにかく水はけと通気性にこだわった土が大事です。アンスリウムは人気の観葉植物でもあるので、専用の「アンスリウムの土」も市販されています。
植木鉢の選び方
平鉢を使用してアンスリウムを植え付けるのも可能ですが、一般的に良く見かけるのは普通鉢や深鉢に植え付けられています。
鉢を選ぶ際は今植え付けられている鉢よりも一回り程度の大きさの鉢を選んでください。大きすぎるサイズの鉢を選ぶと根が水を吸い込みきれずに水はけが悪くなり根腐れを起こす可能性があります。
根腐れ防止、根の成長を良くしたい場合は鉢の側面に切れ込みが入っているスリット鉢を使用するのもおすすめです。
アンスリウムの管理方法
水やりと肥料の与え方
成長期の管理方法
アンスリウムは4月から10月くらいまで良く成長する時期になります。アンスリウムは根腐れを起こしやすい植物なので、鉢の内部の土も乾いた段階で充分に水やりをします。
鉢を持った時に軽くなるので日頃から鉢ごと持ち上げて目安の重さを知っておくと良いでしょう。受け皿の水は捨ててください。多湿環境を好むので、葉水は毎日与えて大丈夫です。
肥料は速効性のものは避け、1ヶ月おき程度で緩効性の化成肥料を与えます。
冬場の管理方法
冬はほとんど成長しないので、土が完全に乾いてから2日~3日程度経過した時点で水やりをします。肥料も肥料やけを起こしやすくなるので与えません。
冬は空気が乾燥するだけでなく、エアコンの使用による乾燥もあります。その場合は葉水を与えてあげましょう。
植え替えるタイミング
アンスリウムは成長が早い植物なので1年~2年おきに植え替えをした方が良い植物です。
植え替えを行わないと根詰まりを起こす可能性があります。以下の状況がみられた場合は植え替えのサインです。
- 2年以上植え替えを行っていない
- 鉢底から根が出ている
- 鉢がパンパンな状態で土が盛り上がっている
- 水やりしても染み込み悪い
- 葉や花の元気がなくなってきている
植え替えの際に水はけのよい土を選ぶのがポイント。湿度が高めの6月~7月くらいが適しています。
植え替えの際はぐらつかない様に少し深めに植え付けてしっかりと活着させましょう。
剪定方法
アンスリウムは普段、剪定の必要はない植物ですが、成長に伴って安定感がなくなってきますし、見た目にもバランスが悪くなる場合があります。
その時は切り戻し剪定を行い、挿し木をして調整を行います。剪定を行う場合は5月~7月の時期が適しています。
また、親株から子株が出ている場合も取り除きますが、子株は株分けした後に植え付けられます。子株を植え付ける際は葉が4~6枚付いている状態に分けると良いでしょう。
アンスリウムの選び方
アンスリウムは、葉の色が濃く、光沢がありしっかりした茎のものを選びましょう。
そして新しい花が一番上で咲いているということが重要です。花が下についていればその株は弱っている可能性があります。
アンスリウムの増やし方
アンスリウムは株分けで増やすことができます。
大きく育った元株から子株を切り分け、用土に植えるだけです。根が定着すれば大きく育ってくれます。
その他にも種を蒔くことで増やすことができます。
アンスリウムは花の咲く植物なので、花が散った後には結実することがあり、そのまま放っておくと種が採れます。種を種用の土に蒔くと芽が出ます。
アンスリウムの病気や付きやすい害虫
アンスリウムは下記の病気、害虫に気を付けます。
病気 | うどんこ病 |
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害虫 | ハダニ、アブラムシ、カイガラムシ |
かかりやすい病気
アンスリウムはうどんこ病になる事があります。葉や茎の部分に白いカビがつく病気です。
最初はうっすらとした見た目ですが次第にはっきりとしてきて、白、薄灰色、黄色っぽい病変や葉が枯れてきている変化が出てきます。
病変を見つけた際は取り除き、うどんこ病に効く薬剤処理を行うと良いでしょう。
付きやすい害虫
ハダニを発見した場合は水で流したり濡らしたティッシュで葉をふき取ります。ハダニは乾燥を好むので、普段から葉水を与えていると予防にもなります。
アブラムシは見つけ次第粘着テープ等で駆除を行い、カイガラムシがついていた場合、成虫だと薬剤散布が効きませんので、ハブラシでこすり落とす方法で駆除を行います。
害虫は病原菌の媒介にもなりますし、植物の養分を吸い取り成長にも影響してきますので、見つけ次第早めに駆除を行いましょう。
アンスリウムの毒性や危険性について
アンスリウムはサトイモ科なので、樹液にはあまり良くない成分も含まれています。
剪定などの作業をするときには手袋の着用を忘れないようにしましょう。
ペットや小さい子どもがいるときなどは誤って口にしないように気を付けましょう。