生命力が強く水をあげているだけでもグングン育つ、カポック(シェフレラ)の育て方をまとめているページです。
カポックはシェフレラ、ホンコンカポックと呼ばれる事もあり、日本では観葉植物としてもお馴染みの存在です。緑葉のものの他に白や黄色の斑入り品種が人気で見栄えも良いです。
このページではカポックを上手に育てるポイントについて解説しています。
カポックの特徴
カポックは台湾や中国南部を原産とするウコギ科の植物です。
カポックの正式名称は属名の「シェフレラ」ですが、日本では「カポック」と呼ばれることが多いです。パンヤ科のカポックとは別の植物なので注意しましょう。
カポックは成育すると3〜10mほどの高さまで伸びます。革のように硬く艶があり、手のひらのように広がる葉に特徴があります。
観葉植物としてよく見かける「ホンコンカポック」以外にもさまざまな品種があり、白色や黄色の班が入ったものもあります。
カポックは耐寒性・耐陰性が高く非常に丈夫なので、最低気温が3℃以上の気候であればどんな環境でも育ちます。
初心者でも管理しやすいため、家庭だけでなくオフィスにも置かれている人気の観葉植物です。
また稀ですがカポックは花が咲き、黄色い実を付ける事があります。
基本データ
難易度 | 簡単 |
別名 | ヤドリフカノキ、ホンコンカポック |
成長速度 | 速い |
成長期 | 5月~9月 |
花・種 | まれに淡い黄色の小さな花がつき結実することがあります |
日照量 | 日光を好む。耐陰性があるため室内でも育つ |
温度 | 暑さに強く耐寒性もありますが3度以上を保つようにする |
湿度 | 乾燥に強いものの、過度の乾燥は落葉の原因となる |
花言葉 | とても真面目、実直 |
カポックの育て方
室内で育てる場合
カポックは耐陰性があり環境への順応性もある植物なので室内でも育てやすいです。
ある程度日光に当たった方が元気に育ちますので、日当たりが良くて風通しが良い場所をおすすめします。直射日光が当たった際に葉焼けを起こす場合もありますので、その時はカーテンや遮光ネットを利用すると良いでしょう。
どの植物にもいえる事ですが、エアコンの空調の風は葉が傷みやすくなるので、直接風が当たらない場所に置いてあげてください。
屋外で育てる場合
冬に雪や霜が直接当たる環境でなければ、徐々に寒さに慣らしていく方法で地植えも可能です。
耐寒温度は3度程度といわれていますので、急激な気温変化がない限りはある程度の寒さにも耐えられますし、5℃以上の環境であれば屋外での越冬もできます。
急激に気温が下がったり、氷点下まで下がる時は室内に取り込んだ方が良いでしょう。
適した用土
カポックを植える用土には根腐れを防ぐために水はけの良い土を使用しましょう。
初心者であればホームセンターなどで購入できる観葉植物用の土を使うのが最も簡単な方法です。
自分でブレンドする場合は「赤玉土3:腐葉土2」もしくは「赤玉土5:ピートモス3:パーライト2」などの割合で配合した用土を使用します。また、土の表面を赤玉土や鹿沼土、化粧砂などの無機質用土で覆うとコバエの発生を予防することができます。
植木鉢の選び方
カポックを植え付ける鉢として普通鉢か深鉢を選んだほうが植え付けやすく根も安定しやすいです。
平鉢は背が高くなった時に安定しにくいのでおすすめしません。
鉢の大きさは今植えてある鉢よりも一回り大きめの鉢を選びます。鉢を小さくすると根詰まりを起こしやすくなりますし、大きすぎる鉢は根が水分を充分に吸い上げきれず、土が湿ったままの状態が続くので根腐れを起こしやすくなります。
徐々に鉢を大きくする方法で成長させましょう。
カポックの管理方法
水やりと肥料の与え方
成長期の管理方法
5月~9月あたりはカポックが成長している時期です。
乾燥に強く根腐れしやすい傾向があるので頻繁に水やりをする必要はありません。目安としては土が乾いてから水やりをします。
夏場の暑い時期の水やりは根が蒸れて傷んでしまう原因になるので、夕方以降に水やりをしましょう。
乾燥しすぎると落葉する事もありますので、葉の状態と土の乾き具合をチェックしておくと良いです。葉水はできれば毎日行うと良いでしょう。
肥料は指定の濃度に薄めた液体肥料を10~15日おきに与えるか、固形の緩効性肥料を2ヶ月おきに与えます。
カポックは成長スピードが速い植物です。あまり大きくしたくないという時は、肥料を控えた方がゆっくりと成長しますので様子を見つつ与えてください。
冬場の管理方法
冬は成長が止まるので乾かし気味に管理します。土が乾いてから2日~3日経ってから水やりをしてください。
室内の場合、冬場は特にエアコンを使用する等、空気が乾燥しやすいので葉水は毎日与えてください。肥料は必要ありません。
植え替えるタイミング
カポックは成長スピードが速い植物なので、1年~2年おきに植え替えます。以下の場合は植え替えのサインです。
- 2年以上植え替えを行っていない
- 鉢底から根が見えている
- 水やりをしても水の吸い込みが悪く、土がすぐに乾いてしまう
- 葉の向きが下がってきた
- 葉の色が悪い
根詰まりを起こしている可能性が高いので植え替えをしましょう。カポックの植え替えは成長期でもある5月~7月頃がおすすめです。
剪定方法
葉枝の成長スピードが速いので、樹形が乱れてしまったり、葉が茂りすぎて風通しが悪くなる場合がありますので、必要に応じて剪定を行います。
成長してこれ以上高くしたくないという場合は、適した高さに切り戻しをしてください。時期は成長期でもある5月~6月頃に行いましょう。
伸びすぎている葉枝だけでなく古い葉や弱っている葉を切り樹形を整えます。剪定した枝は挿し木や取り木にも利用できますので増やす事も可能です。
カポックの選び方
カポックを購入するときは葉が大きく茎がしっかりしているものを選びましょう。
また、害虫が付いていないか確認することも大切です。害虫は葉の付け根や裏側に潜んでいる事が多いので、その辺を重点的にチェックします。
カポックの増やし方
カポックは挿し木と取り木によって増やすことができます。
挿し木の場合は10cm程度の長さに切った茎の葉を2~3枚残して取り除き、湿らせた川砂や挿し木用の土にやや深めに挿し込みます。
根が生えるまでは土が乾燥しないように水を与え続け、発根を確認したら鉢に移し替えましょう。生育が良いカポックを挿し木で増やす場合、剪定した枝を使うのが効果的です。
カポックの取り木は茎の皮の一部を剥ぎ、湿らせた水苔を巻きつけます。乾かないようビニールで密封してゴムで固定してください。
発根をしたら上の部分を切り離し、根を折らないよう水苔を軽く取って鉢に植え替えます。
カポックの挿し木に最適な時期は6~7月頃、取り木は5~6月頃が適しています。
カポックの病気や付きやすい害虫
カポックは下記の病気、害虫に気を付けます。
病気 | 斑点細菌病、炭そ病 |
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害虫 | ハダニ、アブラムシ、カイガラムシ |
かかりやすい病気
斑点細菌病はピーマン等にも出来る病変でカビの菌が原因です。
葉や茎に黄色く淡い色の小さな斑点が出来て病変が広がっていき、放置していると葉が枯れてしまうので病変部は見つけたら早めに取り除きましょう。茎に病変がある場合は枝ごと切り落としてください。
炭そ病もカビの菌が原因となります。
炭そ病にかかると葉に黒い斑点が出来て病変部が広がっていきます。病変部は取り去る、切り落とすという対処をしてください。
斑点細菌病、炭そ病共に風通しが良い場所に置くと予防になります。
付きやすい害虫
ハダニやアブラムシ、カイガラムシは気温が高い時期や乾燥している環境で発生する場合があります。
ハダニは水で濡らしながらふき取るか水で流し、アブラムシは粘着テープや殺虫剤を使用する方法で駆除できます。
カイガラムシは成虫になると薬剤が効かなくなるので歯ブラシでこすり落として駆除してください。
風通しが良い場所に置き、葉水を与えて予防しましょう。
カポックの毒性や危険性について
カポックを始めとするシェフレラ属の植物にはシュウ酸カルシウム結晶が含まれているため、子供やペットが誤食しないように注意してください。
犬や猫、うさぎなどの動物が葉や茎を噛むと刺激を感じ、炎症を引き起こすことがあります。
カポックの毒性はそこまで高くありませんが、子供やペットの手が届く場所には置かないようにしましょう。