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ほうれん草の育て方

野菜

緑黄色野菜の代表的な存在、ほうれん草の育て方をまとめているページです。

食味が非常に良く丈夫で育てやすいという事もあり、家庭菜園でも好んで植えられる野菜です。手軽におひたしにしてもいいし、他の料理にも使えて栄養価も高いので野菜の万能選手です。

下記ではほうれん草を自宅で育てる場合のポイントについて解説しています。

ほうれん草の特徴

ほうれん草(法蓮草)は、ヒユ科アカザ亜科ホウレンソウ属の野菜です。西アジア原産、もしくは中央アジア原産といくつか説があります。

日本には江戸時代あたりに持ち込まれたという話があり、現在では葉が厚めで丸い形をした東洋種と、葉が薄くギザギザした形で株元が赤い西洋種が育てられています。

育てやすく冬の寒さにも強いため、初心者向けの野菜でもあり、家庭菜園にもおすすめです。

ほうれん草はβカロテンの量が多く、不足しやすい鉄分やカルシウムも豊富に含まれている栄養豊富な野菜としても知られていますよね。ほうれん草の根元は赤いといった特徴がありますが、赤い部分には骨の改正にも必要となるマンガンが豊富に含まれています。

アクが強いため、一度下茹でしてから食べるという方法が一般的でしたが、ここ最近ではアクが少なく食べやすいサラダホウレンソウの種類も登場し、手軽に生食も出来るまで変わってきています。

また、ほうれん草を食べると歯がざらつく場合がありますが、これはほうれん草に含まれるアク成分のシュウ酸が口腔内のカルシウムと結び付き、シュウ酸カルシウムとなって歯に付着するためです。

よく、ほうれん草のおひたしに鰹節がかかっているのは、味を良くするためだけでなくこの現象を防ぐためでもあります。

基本データ

難易度 易しい
流通名 ほうれん草
成長速度 速い、種まきをして40日程度で収穫できる様になります
花・種 雄花は小さな花をたくさんつけ、雌花は白い雌しべがたくさん伸びている様な見た目・小さく平たい見た目の種がつきますが、種類によってはとげが出ている見た目の種の種類もあります
日照量 日なたを好む
温度 15℃~20℃が適正温度ですが、低温に対する耐性もあります
湿度 多湿環境は苦手
花言葉 健康、活力

ほうれん草が好む環境

日当たりと植えるのに適した場所

ほうれん草は日なたを好む野菜なので、屋外栽培、家庭菜園での栽培共に日当たりの良い場所を探して植えます。

家庭菜園を行う時にベランダの置き場所ですが、暑さは苦手なのでエアコンの室外機の風が当たる範囲は避けてください。

注意点としては、夏は日が長くとう立ちしやすいため、時期的にあまり栽培はおすすめできません。

同様にあまり日が長く当たる場所での生育は避けましょう。ベランダ栽培の場合は、夜間、外灯に当たりっぱなしの場所での栽培は同様にとう立ちしやすくなりますので注意してください。

ほうれん草にも連作障害があり、1~2年程度間を空けた方が良いです。

レタスやゴボウ、春菊といったキク科の野菜や、キャベツや大根といったアブラナ科の野菜を植えた後に連作障害を避ける対策も兼ねた後作として植えるといった方法もありますので、上手に利用して植えてみましょう。

温度・湿度

ほうれん草に適した栽培温度は15℃~20℃です。暑さに弱く25℃以上になると、成長が遅くなります。

その一方で耐寒性は高く、約5℃を下回ると成長自体は止まりますが、-10℃でも枯れる事はありません。収穫前にわざと低温環境にさらす寒締めを行う例もあります。

低温ストレスにより糖度が増し、ビタミンC、ビタミンE、βカロチンの量も増え、栄養豊富なほうれん草にしてから出荷する方法です。冬になるとほうれん草は栄養豊富になる特徴の一つともいえます。

多湿状態、水はけが悪い場所は病気の原因にもなりますので、風通りが良い場所で育ててください。

用土

ほうれん草は酸性の土壌が嫌いです。

地植えの場合は、ほうれん草を植える予定の2週間前あたりから石灰を土に混ぜ込みよく耕しておきます。

1週間前位に元肥と化成肥料を混ぜ込み耕してから畝を作っておきましょう。畝は60㎝~1m程度の幅で、10㎝は高さがある様に作ります。

家庭菜園でベランダ等で育てる場合は、野菜用の培養土を購入して使うと良い土壌状態に調整されていますし、肥料も含まれていますので便利です。

プランターは深さが20㎝以上ある方が良いです。幅も40㎝~60㎝程度の大きさを選びましょう。鉢底石を下に敷くと、根腐れ防止になります。

ほうれん草を上手に育てるコツ

水やり

ほうれん草は乾燥を嫌います。土が乾いたらたっぷりと水やりをしましょう。

種まきをした後は発芽まで乾燥させないためにも欠かさず水やりをしてください。

ベランダでプランター栽培の場合は朝晩水やりをします。

地植えをしている場合でも、晴れている日は1度、水やりをすると良いです。朝晩やると根腐れを起こす可能性がありますので、朝か夕方、どちらかで行うようにしてみましょう。

いずれも日中の水やりは根が蒸れる原因となるので避けてください。

肥料の与え方

ほうれん草の種まきをして育てた場合、4~5日程度で発芽します。一度目の間引き後に一度目の追肥として化成肥料、もしくは液肥、どちらでも良いです。

2回目の間引きを行った後も液肥で追肥をします。

あまり追肥が多くなると病害虫の原因となる場合もありますので、あまり頻繁にやりすぎるのも良くありません。

外側の葉から徐々に収穫していくという方法の場合は、2週間おきに液肥を追肥をしながら生育しているという方法もありますので、収穫方法に合わせて追肥を行ってください。

冬越し

ほうれん草は耐寒性もあり、0℃でも耐える事が出来る野菜です。

そのため、冬の時期でも栽培は可能ですが、念のために寒冷紗や不織布をかぶせたトンネル内で生育していくと良く育ちます。害虫対策にもなりますのでお勧めです。

他にも11月の遅い晩秋時期に種まきをした後に不織布をかけた状態で気温が下がりすぎない様に管理すると発芽しやすいです。本葉が出てくるまで育ったら寒さにも強くなり、育てやすくなります。

冬時期に育ったほうれん草は甘みも増しておいしくなります。

ほうれん草の選び方

ほうれん草は苗での販売も見かける事がありますが、とう立ちしにくい種類等、やや価格が高めの種類だったりする事も多いです。

ほうれん草は移植を嫌う直根タイプという事もありますし、種から植えて育てる事も可能ですし、40日程度で収穫まで成長するので種まきがおすすめです。

種を選ぶ際に病気にも強い種類は剣葉ほうれん草や日本ほうれん草のやまと、次郎丸ほうれん草あたりがおすすめです。緑も濃いものが育ちます。

夏場に生育する場合はスプリングほうれん草がおすすめです。とう立ちがしにくいので、夏場にはちょうど良い種類です。

種から育てる場合は参考にしてみてください。

ほうれん草の花

ほうれん草は雌雄異株で雄株と雌株に分かれていて、それぞれ別の花を咲かせる植物です。(下記は参考写真)

ほうれん草の花を見るには自分で育てる他ありませんが、この状態になると葉が固くなり美味しく無いそうです。

ほうれん草の雄花
ほうれん草の雄花

ほうれん草の雌花

ほうれん草の雌花

ほうれん草の増やし方

ほうれん草は種まきで簡単に増やせます。

日照時間が伸びてくるととう立ちをしてほうれん草の花が咲きます。花が枯れてからもしばらく置いておくと種ができますので、種を収穫しましょう。

種まきをする点で注意したいのは夏時期。25℃以上になると成長が抑えられてしまうのと、発芽もしにくくなります。夏時期の種まきは避けましょう。

溝は浅く5㎜程度にしてすじまきをします。1㎝程度土をかぶせ、発芽するまでたっぷりと水やりをしてください。

種についてですが、ほうれん草は硬実種子という固い殻に入っているという特徴があります。

市販の種はネーキッド種子といって硬い殻を取り除いて発芽しやすい状態になっていますので、種を購入して撒いたほうが発芽率は良くなります。

ほうれん草の植え替え

ほうれん草は移植を嫌う直根タイプの野菜です。

そのため苗の移植はあまりおすすめできないのと、もし移植をした場合でも根を傷めて充分な生育が出来ない可能性があります。種まきをして徐々に間引いていくという方法で育てた方が確実です。

市販の種であればすじまきや条撒きをして5日程度で発芽します。

発芽してから10日経過した時点で一度目の間引きを行いますが、本葉1~2枚の時に株間を3cm程度にしてください。

本葉4枚程度になったあたりで2回目の間引きを5~6㎝間隔になる様に行います。元気に成長している株を残しますが、間引きを行う際は抜き取らない方が良いです。

抜き取る方法だと、残している株の根と絡まりがある時にダメージを与えてしまうからです。根元をはさみで切る方法で間引きを行いましょう。

病気・害虫

ほうれん草につきやすい虫はアブラムシとヨトウムシがいます。

アブラムシは見つけ次第駆除してください。

ヨトウムシも見つけにくいですが、急に葉が食べられている状態、もしくは株が急に倒れたという場合、根元の土の中に隠れている可能性があります。見つけ次第駆除する様にしましょう。

病気にはなりにくいほうれん草ですが、べと病になる可能性はあります。べと病は寒くなってから湿気が多い生育環境だとなりやすいです。

冬場の生育管理は寒冷紗を使って気温が下がりすぎない様に管理する、そして株間を取って風通しが良い環境を保つことである程度予防できます。

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