コマツナの特徴
コマツナは日本が原産地の、アブラナ科アブラナ属の植物です。関東発祥の野菜といわれています。
江戸時代に現在でいう東京都江戸川区小松川付近が発祥とされており、当時、ククタチナを品種改良して栽培していたのがコマツナといわれています。
種まきに適している期間も冬時期以外は可能と長く、屋外栽培でも家庭菜園でも対応力があるので栽培しやすい野菜です。
アブラナ科の野菜ですが、チンゲンサイと同じ非結球葉菜に分類されます。
βカロテンをはじめとしてビタミンK・B群・Cといったビタミンも豊富でカリウムや鉄分のミネラル類も多く含まれており、栄養価も高い野菜です。
アクが少ないしクセもあまりないため、おひたしや炒め物、あえ物といった料理に幅広く使われています。
基本データ
難易度 | 易しい |
流通名 | コマツナ、フユナ、ウグイスナ |
成長速度 | 早い |
花・種 | 黄色い菜の花を咲かせ、小さな茶色い丸型の種ができます |
日照量 | 日なたを好む |
温度 | 15℃~25℃ |
湿度 | 土の乾燥は続かない様に管理します |
花言葉 | 小さな幸せ、快活な愛 |
コマツナが好む環境
日当たりと植えるのに適した場所
コマツナは日当たりが良く、風通しが良い場所を好みます。
畑での屋外栽培の場合は日なたの場所を選び、植えます。連作障害の心配が少ない野菜なので、繰り返し同じ場所に植えるのも可能です。
ベランダ栽培を行う場合も日当たりがよく、風通しが良い場所を選びます。コマツナは栽培速度も速く、プランター栽培にも対応できる野菜です。
プランター栽培の場合、夏場は地面からの照り返しによる温度上昇の影響も受けやすくなるので、下に棚を置く等、若干高さを保てる場所を選んでください。
また、エアコンの室外機の風が当たる場所に置くと熱風で葉がやられてしまうので、エアコンの室外機の風が当たる範囲での栽培は避けましょう。
温度・湿度
コマツナは耐寒性、耐暑性にも優れた野菜です。
生育に適した温度は15℃~25℃とされています。25℃を超える高温環境はやや苦手としていますが、低温にはある程度の強さがあります、
冬でも12月まで収穫ができ、低温には-3℃くらいまでは耐えられるともいわれていますが、低温に一定期間当たると成長途中で花芽がつきやすくなります。
低温環境での育成を行う場合は、13℃以下にならない様に管理します。低温対策として、トンネル支柱を立ててビニールを張ると良いでしょう。
湿度が多いと病虫害の原因となりますので、風通しの良い場所で栽培しましょう。
用土
コマツナを地植えする場合は2週間ぐらい前から石灰を混ぜて耕しておきます。
1週間前に化成肥料と堆肥を入れ、良く耕してから畝を作り、なじませておいてから種をまいてください。
家庭菜園をする場合は、赤玉土7に対し腐葉土2、バーミキュライト1の割合で混ぜて土を作っておきます。土の配合が面倒な場合は、野菜用の培養土を購入して使用する方法でも構いません。
家庭菜園で栽培する場合、45㎝程度のプランターや鉢であれば10号鉢程度の大きさがあると育てやすいです。
コマツナを上手に育てるコツ
水やり
コマツナの芽が出てしばらくは土の表面が乾いたらたっぷりと水をやります。
種をまいた後や芽が出て間もない時は、まだ充分に根を張っていない状態なので、水の勢いで流されてしまわない様に注意してください。
10㎝くらいの大きさに育ったら、地植えの場合は、土の中に水分が残っている場合が多いのであまり心配はありませんが、雨が降らない日が続く場合は水やりをしてください。
ベランダ栽培の場合は土の量が少なく、乾燥しやすいので、土の表面が乾燥したらたっぷりと水をやります。
肥料の与え方
コマツナは種を植えてから早く成長する種類では40日程度、平均でも50日程度で収穫することができる野菜なので、基本的に追肥をする必要はありません。
あまり肥料を与えてしまうと、病害虫の発生リスクも出てきてしまいますし、味も悪くなるといった影響もあります。
もし追肥を与える事を考えている場合は、2回目の間引きが終わった後くらいのタイミングで与えます。化成肥料、または液肥を水やり代わりに与えても良いです。
連作している場合は前回の肥料が残っている事もありますので、様子を見つつ判断してください。
冬越し
コマツナは寒さにはある程度耐性があり、0℃近くまで下がっても枯れてしまう事はありません。
ただ、低温環境下での栽培は収穫までに70日ほどかかるため成長が遅れ気味になりますし、13℃以下になると収穫前につぼみがついてしまう事もあります。
コマツナの栽培、収穫については12月までが適しているとされていますので、冬超しの必要は特にありません。
冬前に収穫を終わらせ、また3月くらいになって気温が上がってきたあたりで再び種まきをして育てましょう。
コマツナの選び方
コマツナは種を植えてから50日程度で収穫できるほど、成長が早いという理由と、基本的に種から植えて徐々に間引きを行い成長させる育て方になるので、苗での販売は見かけません。
コマツナを購入する場合、種からの購入をおすすめします。
種類的には夏場は「夏楽天」秋まきでは「楽天」種だと株張りがよく育てやすいです。病虫害に強い種類を探している場合は「極楽天」あたりをおすすめします。
他にも「菜々美」や「きよすみ」も育てやすいです。早く収穫したい場合は「みすぎ」種を選ぶと高温期には20日ほどでの収穫が可能です。
コマツナの増やし方
コマツナは挿し穂等の増やし方はありません。一般的に種を採取して種まきをする方法で増やしていきます。
コマツナはある程度成長すると菜の花を咲かせます。花が咲いた後にしばらく放置しておくと種ができますので、種を採取して保管しておきます。
種の保管時は湿気が入らない様にジッパー付きの袋に入れ、冷蔵庫の野菜室ぐらいの気温環境で保管しておくと良いです。
種まきの際は、溝を作りすじまきする方法です。種を撒いたら5㎜程度の土をかぶせ、水やりをして育てます。
コマツナの植え替え
コマツナは一度種を植えた場所でそのまま成長させる方法が適していますので、植え替えは行いません。
最初に種をすじまきして、芽が出てから5日程度たった時点で最初の間引きを行います。5㎝間隔程度に間引いてください。
次に本葉が3枚程度になった時点で2回目の間引きを行います。2回目の間引きは10㎝間隔に間引いてください。
間引いた小松菜はまだ小さいですが、ベビーリーフとして食べる事ができます。サラダにしたり、お味噌汁の具としても利用してください。
病気・害虫
コマツナはアブラムシやヨトウムシ、コナガが付きやすいです。
種をまいた後に寒冷紗をはって管理していくと虫よけ対策になりますが、見つけ次第、駆除してください。対策としては、秋に種をまくことで虫の発生や被害を抑える事ができます。
雨が多く降る時期にべと病や白さび病になる事があります。
べと病に関して、肥料の与えすぎによって発生する可能性もあるので注意してください。カビの菌によって発生し葉に病斑ができてしまいます。
プランター栽培の場合は、雨に当たらない場所に移動する、直まきの場合は間引きの際に株間を広くして風通しを良くしてあげるといった対策が有効です。
小松菜の花は美味しい
小松菜はアブラナ科の植物なので菜の花のような黄色の花を咲かせます。
一般に売られている小松菜は花が咲く前の葉の部分だけですが、極稀に小松菜の花が流通する事があります。
花が咲く部分はやや厚みのある茎なので一見すると硬そうですがそんな事はなく、おひたしや炒めものにすると美味しいです。
小松菜はシャキシャキの食感が特徴の葉物野菜ですが、花の部分はそれがやや弱めで個人的には花の方が好みです。
小松菜を育てる場合は是非、この貴重な花の部分も食べてみてください。