ツワブキの育て方

山野草

艶のある葉が綺麗なフキの仲間、ツワブキの育て方についてまとめているページです。

ツワブキは斑入り種なども存在し観賞価値のある山野草のため、関東等では庭や庭園などでごく一般的に見る事が可能です。東京駅付近の花壇等にも植えられています。また、フキという位なのでツワブキも食べる事が可能です。

下記では自宅でツワブキの育てる際のポイントについて解説していきます。

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ツワブキの特徴

フキノトウでよく知られるフキに似た植物で、広い葉にツヤがあることからツヤのあるフキ=ツワブキ(石蕗、艶蕗)という呼称が定着しました。

東北地方の南部から四国、九州の海沿いに自生する常緑の多年草で、綿毛に覆われた新しい葉柄は古くから食用とされています。

佃煮(キャラブキ)や煮物、天ぷら、きんぴら、酢みそ和えと応用範囲は広く、旬である3~4月にはツワブキを収穫するたくさんの野草ファンが自生地を訪れます。

葉は丸くて広く、直径は20~30㎝にも及びます。栽培は容易で、初心者でも簡単に育てられます。日陰でも育ち、晩秋~冬には鮮やかな黄色の花を咲かせることから庭木の根締めや下草として人気の高い植物です。

基本データ

難易度 易しい
流通名 ツワブキ
成長速度 普通
花・種 10~12月に黄色の花が開花。 園芸品種ではクリームホワイトや朱色、レモンなどもある。花が散ったあとにできる綿毛の先に小さな種子ができ、風に乗って広く散布される
日照量 明るい日陰
温度 耐暑性は強いが、耐寒性は普通
湿度 湿度が高い場所を好む
花言葉 謙譲、謙遜、困難に負けない、先を見通す能力、愛よ甦れ

ツワブキが好む環境

ツワブキの花
ツワブキの花

日当たりと植えるのに適した場所

海沿いに自生しているほどですから強風や塩害に強く、丈夫な植物です。とはいえ、強い直射日光を浴びると葉焼けします。

そのため、午前中だけ日光が当たり、午後は日陰になるところが理想的です。

正直いってそのような理想的な条件はなかなか満たせるものではありませんから、一般的には日陰で育てることが多いというのが実情です。

ただ、あまり暗いと葉色が薄くなったり、斑入り品種では班が美しく表れなかったりします。徒長する可能性も高く、明るい日陰程度にとどめた方が賢明です。

水はけがいい場所を好みますから、粘土質の土壌は避けてください。

温度・湿度

葉焼けの心配さえなければ夏は少々気温が上がっても問題はありません。

しかし、低温にはそれほど強くはありません。自生地が東北地方南部よりも南側に限られているのもその理由からでしょう。

一方、湿気は好むものの、水はけがよくなくてはなりません。それは、ツワブキの漢字表記「石蕗」から想像できると思います。

石の隙間に根を伸ばす植物ですから、雨水はすぐ流れ去ってしまってしまい、溜まることのない条件で生育しているのです。

用土

ツワブキは丈夫な植物ですから市販の草花用の培養土で元気に育ちます。特別なものを使う必要はありません。

自分で混合したい場合は水はけを優先して赤玉土の小粒に腐葉土を少し混ぜれば十分です。

地植えの場合はよほど粘土質でない限りそのままでも育ちます。念を入れるなら腐葉土を少し混ぜればいいでしょう。

特に水はけの悪い土壌であれば10~20㎝盛り土をしてそこに植えつけます。

野菜を育てるとき利用する畦(うね)というもので、水はけがよくなり根腐れ防止に役立ちます。

ツワブキを上手に育てるコツ

斑入りのツワブキ
黄色い斑入りのツワブキもよく見る

水やり

用土の表面が乾いたらたっぷり水やりをする。これは鉢植えの原則で、四季を問いません。ただし、それはツワブキを単独で植えている場合です。

ツワブキには器=鉢のサイズに合った大きさに育つという特徴があり、そのことからしばしば寄せ植えに利用されます。

一緒に植えられるのはハナイカダやギボウシ、ヤブコウジなどの日陰に強い植物で、その点では共通しているのですが、水やりに関してはそれぞれの事情があります。

特に夏場は蒸発が早く、日に何度も水やりする必要がある植物もあるので、それらを優先してください。

地植えではよほどカラカラにならない限り、水やりは必要ありません。

肥料の与え方

鉢植えでは植えつけ、植え替え時に元肥を与えます。

窒素、リン酸、カリの等量化成肥料、または油かすと骨粉の有機肥料を用土に混ぜ込みます。量は5号鉢で3~4つまみを目安にすればいいでしょう。

新しい葉が伸び始める4月から開花時期前の9月までは月に1回の割合で化成肥料、または有機肥料を与えます。

ただ、斑入り品種は肥料を与えすぎると班が鮮やかに出ないことがあるようです。特に、新葉が展開する時期は肥料を控えた方がいいかもしれません。

地植えの場合は元肥のみで問題ありません。

冬越し

ツワブキはそれほど耐寒性が強くなく、それが証拠に寒冷地では自生が難しいです。

基準は摂氏0度前後で、それ以上気温が下がるエリアでは鉢を室内に取り込まなくてはなりません。少しばかり腐葉土を被せても地植えで越冬させることは難しいでしょう。

もっとも、発芽させるためにはある程度の寒さを経験させなければいけません。

いわゆる休眠打破というもので、花後に結実した種は一旦低温を体験させるため2~3月に蒔きます。暖地では冬だからといって特別な処置は必要ありません。

ツワブキの選び方

ツワブキの最大の特徴は葉にツヤがあることです。選ぶときはまずそのツヤを見極めましょう。ツヤのない株は避けるべきです。

もうひとつのチェックポイントは茎です。大きな葉を支えるにはしっかりした茎が欠かせません。細く徒長した茎では支えきれないのです。

ツワブキの増やし方

ツワブキを増やす方法はいくつもあります。その中で最も確実で一般的なのは株分けです。

植え替え時に大きな株を、それぞれが2~3本の茎があるようにハサミやナイフで切り分けます。

2番目の方法は根伏せ・茎伏せです。

これは挿し木の一種で、根や茎をカットして挿し床に植えつけます。挿し木は挿し床に垂直または斜めに挿しますが、根伏せ・茎伏せは寝かせます。葉のない古い茎でも根や芽が出て新しい株が生まれます。

3番目が実生です。

花が終わったあとタンポポに似た綿毛ができますから、その先端についている種を2~3月に蒔きます。

種は非常に小さいのでジョウロで水まきすると流れてしまいます。受け皿に水を溜めて底から吸水させるという方法をとりましょう。

ツワブキの植え替え

鉢植えの場合は根詰まりを防止するため1~3年に1回、芽出し前の4月に植え替えします。

鉢に合ったサイズで育つ

ツワブキは茎が短く葉が大きい姿をしているため浅い鉢の方がバランスは整います。

また、ツワブキは鉢に合わせて成長するという性質がありますから、小さい鉢に植えつけると小さくまとまります。ミニ観葉や小品盆栽にも向いているのですが、大株にしたければ一回り大きな鉢を選びます。

同じサイズの鉢を使う

株を大きくせず、同じサイズで育てたい場合は用土だけを交換します。

これは盆栽ではよく使われる方法で、古い土を落として根の先を軽く切り揃えて新根を出させます。

病気・害虫

ツワブキがかかりやすい病気にはうどんこ病、班葉(はんよう)病、褐班病があります。

うどんこ病にかかると初夏~夏に小麦粉(うどん粉)のような白いカビが発生します。班葉病は夏、褐班病は春~秋に褐色、黒色の斑点が広がります。

いずれも重傷にはならないのですが、切り捨てると再生します。

害虫としてはキクスイカミキリに注意する必要があります。

この虫はカミキリムシの一種で、茎と葉の接続部に卵を産みつけます。孵化した幼虫は根茎の内部を食い尽くしますから、しおれた葉があれば茎の付け根を裂いてみましょう。

中に幼虫がいたら捕殺します。薬剤を定期的に撒けば予防できます。

毒性や危険性について

ツワブキやフキを調理する際は灰汁(あく)抜きが欠かせません。

これをしなければえぐみが強く、美味しく食べることができないのが理由だと思っている人が少なくありません。しかし、実はそれだけではありません。

フキの仲間はピロリジジアンアルカロイドという毒性物質を含んでいて、たくさん食べると(美味しくないからたくさんは食べられませんが)肝臓に害があるとされています。

茹でこぼしたあと冷水にさらすことでこの毒性は1/3~1/10に減るので、食べる際は必ず灰汁抜きをしてください。

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